クニマス “ふるさと”田沢湖のほとりの施設に

クニマス “ふるさと”田沢湖のほとりの施設に
かつて秋田県仙北市の田沢湖だけに生息し、一時は絶滅したとされたもののおよそ70年ぶりに山梨県で生息が確認されたクニマスが、田沢湖のほとりに来月オープンする展示施設に移されました。
クニマスはかつて田沢湖だけに生息していた日本固有のサケ科の淡水魚で、公共事業による水質の悪化で絶滅したとされていました。

しかし7年前、東京海洋大学の客員教授、「さかなクン」が魚類学者の依頼でクニマスの絵を描くために、外見が似ているとされるヒメマスを山梨県の西湖から送ってもらったところ、特徴がヒメマスと異なることがわかり、およそ70年ぶりにクニマスの生息が確認されました。

仙北市はクニマスを里帰りさせるため、人工授精でふ化させたクニマス10匹を山梨県から借りており、14日は北秋田市の飼育施設から田沢湖のほとりに来月オープンする展示施設に5匹を移しました。

14日は飼育担当者らが袋に入れたままのクニマスを新しい水槽に浮かべて水温に慣らしたあと、水の中に放しました。

父親がクニマス漁師だった仙北市の三浦久さんは「クニマスの子孫が長い時間をかけて帰ってきてくれた。今後はクニマスが湖を泳げるような環境を作っていきたい」と話していました。

来月オープンする展示施設の大竹敦館長は「クニマスが絶滅した田沢湖の歴史から多くの教訓を学ぶことができます。過去を理解し、未来を考える施設にしたい」と話していました。