(cache) 罪と罰

14/14

　土曜日のキスはなんだったのか。
　どういう意味で私にキスなんてしたのか。
　ひょっとしたら意味なんてなかったのかもしれない。手をつないだり抱き合ったりするように、身体の一部が触れ合うだけの、スキンシップ。あるいは偶然触れ合っただけの、事故みたいなキス。ちょっとよろけちゃったとか、急に振り返ったからとか、そういう感じの。

　でも、もしも。
　もしも本当に意味なんてなかったら？　なんでもない、冗談のような事故のようなキスだったら？　私のことをラブじゃなくて、ライクの好きだったら？
　もしもそうだったら──？
　口の中に苦いものが込み上げてくる。
　大きく息を吐き、胸に手を当てる。
　ドクンドクンと、少しだけ早いリズムが手に伝わってくる。
　私のこの気持ちも、ちょっと過剰ってだけで本当はただのライクなのかな？　どうなのかな？
　わからない。わかりようもない。
　ただ、そう考えるだけで胸の奥が少し痛んだ。
　奈月はどうなんだろう。私のことをどう思っているんだろう。
　奈月の口から、本当の気持ちを聞きたい──。

　そう思ったら、いてもたってもいられなくなって。
　改札口の目の前まできておきながら、私は奈月の家へと急いで引き返した。

続きは GirlsLoveFestival 20 で頒布の同人誌で。

<< 前の話目次

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。

この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます！