対韓ODA 外務省HPの?2013年10月30日
対韓ODA 日韓請求権・経済協力協定 ~1975年まで2013年10月31日
日本の対韓国援助 日韓請求権・経済協力協定以外2013年11月02日
の続き。一応のまとめ。(といっても前の記事を合体させたようなものです)
(1)無償資金協力(2)有償資金協力(ODA)(3)技術協力(ODA)(4)有償食糧支援(5)金融支援(6)他、留学生受け入れや、種々の交流関係事業など (7)償還状況(8)謝罪・賠償系
※ODAや国際金融支援を実施する公的機関として、かつては日本輸出入銀行(国際金融業務)と経済協力基金(海外経済協力;ODA)がありました。この二つの機関が統合されて国際協力銀行(JBIC)になり、さらに、現在ODA部門はJICAに移管されています。日本の輸出入もしくは海外における経済活動の促進、または国際金融秩序の安定に寄与することを主目的とした国際金融等業務と、援助を旨とするODA業務の分類、用語説明はこちら↓がわかりやすいです。
(JBIC年次報告書 2004 国際協力銀行の業務内容)
1. 業務の概要
5. 国際金融等業務のスキーム
6.海外経済協力業務のスキーム
http://www.jbic.go.jp/wp-content/uploads/page/2013/08/1356/05.pdf
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(1)無償資金協力 1068.24億円
①請求権・経済協力協定 3億㌦(約1021億円)
外交青書1977 第2部第3章-経済協力の現況-無償資金協力-賠償・準賠償
賠償及び経済技術協力協定等無償援助(準賠償)総括表 (77年4月15日現在)
(内訳)
●2億5427万ドル(約863億円)
・政府部門関係資本財 415億円
(農業用水開発・旱害対策事業用機材,農業機械化促進用機材等農業増産用機材,水産振興・漁船建造用機材,科学実験実習用機材,総合製鉄所建設用機材など)
・民間部門関係原資材,機械類 448億円
(繊維品,建設資材,肥料,化学薬品,繊維機械など)
●4573万㌦ 韓国の対日焦付き債務相殺
日韓請求権・経済協力協定の実施終了についての記事資料
データベース『世界と日本』 日本政治・国際関係東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPKR/19751216.O1J.html
国会から見た経済協力・ODA(7)~ 日韓基本条約、請求権・経済協力協定を中心に(その1)
行政監視委員会調査室 高塚年明 立法と調査2008.4 No.279
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2008pdf/20080401090.pdf
※「わが外交の近況 1977年版(第21号)外務省」
第2部 各説第3章 経済協力の現況 第4節 無償資金協力によると、
”賠償・準賠償
(1) 賠償
第2次世界大戦後に賠償請求国と交渉の結果,賠償協定を締結し,賠償義務を履行した国々。
対象国;ビルマ,フィリピン,インドネシア、ヴィエトナム共和国。
(2) 準賠償
準賠償は,賠償ではないが終戦処理の一環として対外債務を処理するためのいわば義務的支払い。
対象国;ラオス、カンボジア、タイ、ビルマ、韓国、マレイシア、シンガポ-ル、ミクロネシア。”
ということで、請求権・経済協力協定の無償資金援助3億㌦はODAにはカウントされない、と解釈しました。
②ODA:無償資金協力 47.24億円
外務省:国別援助実績【韓国】1991年~1998年の実績
外務省:国別援助実績【韓国】1965年~1990年までの実績
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(2)有償資金協力(ODA)
●円借款 6468億4,600万円
第1期 690.46億円(1965年請求権・経済協力協定分 2億㌦)
第2期 1990.4億円(1971~1982年)
輸銀ロ-ン 506億円(1971~1975年)
第3期 3281.6億円(1983~1990 ; 83年中曽根総理訪韓時表明;総額40億㌦のうちOECF分18億5,000万ドル?)
●他に、海外投融資が33件、27億円がJBICの年次報告書の資料で確認できますが、どのような案件かは不明。
JICA:海外経済協力基金史 第2章円借款の地域別・国別特色
第3期は、総額40億ドル(うちOECF分は18億5,000万ドル、輸銀分は21億5,000万ドル)を7年間にわたり供与
日本輸出入銀行史資料25.政府ベース借款一覧(1958~1986年度)
外務省;ODA国別援助実績1990年までの実績韓国
JBIC年次報告書2008 国・地域別出融資承諾状況
外交青書1982年版 我が国と韓国との関係-経済協力問題
外交青書1983年版 我が国と韓国との関係-経済協力問題
関連;
対韓ODA 日韓請求権・経済協力協定 ~1975年まで
日本の対韓国援助 日韓請求権・経済協力協定以外
(浦項総合製鉄所建設について)
・1969年版外交青書 朝鮮半島-韓国との関係-総合製鉄所建設計画に関する協力
・福田元首相が朴泰俊ポスコ元名誉会長の墓参りをした理由2012年04月17日中央日報日本語版
■韓国における日本の経済協力―浦項総合製鉄所建設を巡る日韓経済協力―
(現代社会文化研究no21 2001/8)
http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp:8080/dspace/bitstream/10191/994/1/18..
↑ この浦項総合製鉄所建設事業は、請求権資金事業の中でも最大の資金援助が行われています。そもそもその計画もかなりずさんで、世界銀行からも批判されたほど問題があったにもかかわらず、日本の援助で実行されたものであるということです。そのあたりの、胡散臭い話や米国との関係などが書かれている論文。
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(3)技術協力(ODA) 約943億円(1965~1998)
①239.94億円(1965~1998)
研修員受入 5,838人 専門家派遣1,613人 調査団派遣1,004人
機材供与 897億9300万円
外務省:国別援助実績【韓国】1991年~1998年の実績
外務省:国別援助実績【韓国】1965年~1990年までの実績
②約703億円 (1999~2009)
各年度ODA白書資料編・国別援助形態別実績 韓国 技術協力合計703.09百万㌦
1999年 107.22百万㌦ ODA1999年次報告国別・援助形態別内訳
2000年 80.93 2001年ODA白書
2001年 66.07 2002年ODA白書
2002年 59.39 2003年ODA白書
2003年 60.60 2004年ODA白書
2004年 66.99 2005年ODA白書
2005年 47.22 2006年ODA白書
2006年 49.98 2007年ODA白書
2007年 45.25 2008年ODA白書
2008年 55.25 2009年ODA白書
2009年 64.19 2010年ODA白書
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(4)有償食糧支援
133.3万トン (10年据え置き20年間)(※)
75万トン (360億円)現金償還 (※)
63.3万トン 現物償還(※)(外交青書- 1969 ・1970 )
※ 「日韓国交正常化に伴う日本の対韓国経済協力の内容(1966~1975年)
「日朝経済協力の方策」p61:韓国経済企画院『請求権資金白書』1976年、韓国財務相『韓国外資導入30年史』1993年などから作成された表。
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(5)金融支援
これをどの範囲まで含めるか、という問題はありますが、確実に韓国に対する支援と言えるものを取り上げました。
①アジア金融危機時の支援
アンタイドロ-ン等43.5億㌦ + 通貨スワップ最大50億㌦ + 民間銀行債務返済繰り延べ
●1997年 IMF等総額580億㌦支援の第2線準備として100億㌦表明。
実行はされなかったが、「第一線支援のIMF 210億米ドル、世界銀行100億米ドル、アジア開発銀行 40億米ドル」は、いずれも日本が巨額の資金を拠出している国際機関。
我が国のアジア通貨危機支援の政策評価(平成 14 年12 月 財団法人 国際通貨研究所参考資料 アジア通貨危機と我が国の支援)
金融危機を逆手に… 韓国、三たび強大化なるか (2011/10/16 7:00 日本経済新聞)
●1998年1月 日米欧銀行に対する韓国民間銀行の短期債務(320億㌦;うち邦銀118億㌦)返済繰り延べ
我が国のアジア通貨危機支援の政策評価
●1998年5月 韓国輸出入銀行に対するツー・ステップ・ローン 10億㌦(1300億円)
(このロ-ンのいきさつ)
”1998年3月17日、韓国財政経済部よりわが国大蔵省に対して貿易金融支援にかかる非公式要請あり。
4月13日、韓国輸出入銀行(KEXIM)文憲相行長来日。輸銀総裁に対日輸入決済支援融資の要請。
5月14日、李揆成財政経済部長官より松永光蔵相宛に輸銀ツー・ステップ・ローンによる10億ドルの貿易金融の当月内供与の要請。
これに対し、同月22日、首相表敬中の朴定洙外交通商部長官に橋本首相より10億ドル相当円の輸銀ツー・ステップ・ローン供与の用意がある旨意図表明。
また、同日の日韓蔵相会談(於カナダ)において松永蔵相より李財政経済部長官に対して同様の意図表明。これを受けて輸銀は、5月26日に融資を承諾し、翌27日に融資契約に調印した。
融資限度額は、10億ドル相当の1,300億円。本件の緊急性に鑑み、輸銀単独融資とした。融資期間は2年であった。この融資は、韓国の工業生産に必要な原材料、資本財および関連役務の日本からの輸入の回復促進のために、同国国内銀行発行の信用状の決済資金をKEXIM 経由で貸し付けるために使用された。”
日本輸出入銀行史 第5章 業務の実績 アジア支援 p301
1999年版の外交青書にこの10億㌦支援と、さらに30億ドルの支援を表明したことが書かれています。
”韓国は、97年来の通貨危機に対応するためIMFプログラムの下で構造調整政策を進めているが、企業倒産や失業率の増加等、厳しい経済状況に直面した。日本はこれを支援するため、(1998年)5月に日本輸出入銀行による10億ドル相当円の支援を実施したのに続き、10月の(金大中)大統領訪日時には、更に30億ドル相当円の輸銀支援実施を表明した。
また、韓国政府は、通貨・金融危機を教訓として、安定した外貨獲得、雇用機会の創出等のために外国人投資を積極的に誘致しており、種々の規制緩和を行っている。5月に総勢100人を超える日本の官民投資環境調査団が訪韓し、10月の大統領訪日時に官民合同の投資誘致団が来日した。
また、12月に、日本から通産大臣、韓国から産業資源部長官が出席して官民合同の投資促進協議会が開催されるなど、日韓間で投資促進のための取組が活発化してきており、また、11月に行われた日韓閣僚懇談会では、日韓投資協定締結のための予備的協議を行うことで意見の一致をみた。1999年版外交青書 日韓経済関係
上記10月の30億㌦が新宮澤構想による支援へ。
●アジア通貨危機支援に関する新構想 (新宮澤構想)による支援(政府発表ベ-ス)
アンタイドロ-ン等 33.5億㌦ + 通貨スワップ最大50億㌦
・1998年 10 月 輸銀融資23.5 億ドル相当円程度
中小企業セクター向けツー・ステップ・ローン(韓国中小企業銀行向 13億㌦相当円)
エネルギーセクター支援アンタイドローン(韓国ガス公社向 2.5億ドル相当円)
エネルギーセクター支援アンタイドローン(韓国電力公社向 8億ドル相当円)
・1999 年 1 月 スワップ取極 最大50 億ドル
・1999 年 3 月 輸銀融資10億ドル相当円程度
インフラ/省エネプロジェクト等支援ツーステップローン(韓国産業銀行向)
1999年度国際協力銀行業務実績(アジア支援、表8)我が国のアジア通貨危機支援の政策評価(平成 14 年12 月 財団法人 国際通貨研究所参考資料 アジア通貨危機と我が国の支援)p9
↑ JBIC年次報告書2000-アジア支援 (1999年度国際協力銀行業務実績 の表7と同じ内容)によると、新宮澤構想で5204億円の支援実績とあり、当時の為替レ-トからして33.5億㌦(政府発表)とは数字がマッチしません。JBICの5204億円のメニュ-がわかればいいのですが、調べてもわからなかったので、ここでは政府発表の33.5億㌦という数字を採用しました。
②リ-マンショック 通貨スワップ増額
2008年 130億㌦から300億㌦に増額
2011年 130億㌦から700億㌦に増額
現在はCMI補完分の100億㌦のみ(期限2015/2)
財務省:我が国のCMIに基づく二国間通貨スワップ取極【韓国】
日韓、通貨スワップ限度額を700億ドルに拡充 市場の不安定化に備え2011年 10月 19日 13:20 ロイタ-
日韓通貨協定、30億ドル縮小 竹島巡る緊張が影 韓国が延長要請せず 2013/6/24 21:04日本経済新聞
③民間信用供与約14億ドル(1965~1976年末 外交青書-1977 )
④日韓基本条約締結前の援助 総枠2000万ドルの延払信用供与
国会から見た経済協力・ODA(7)立法と調査2008.4 No.279
⑤バイヤーズクレジット・バンクローン
こんなのもあったので一応取り上げておきます。
(2010年度) 韓国 電力機器および役務の輸出 韓国産業銀行 105億円
JBIC年次報告書 2011◾資料編 業務統計
(2009年度) 韓国 機器および役務の輸出 韓国産業銀行 100億円
韓国 製油所向け機器および役務の輸出 韓国産業銀行 62億円
JBIC年次報告書2010◾資料編 業務統計
⑥1983年中曽根総理訪韓時表明・経済協力支援 21.5億㌦の輸銀ロ-ン (1983~1990)
JICA:海外経済協力基金史 第2章円借款の地域別・国別特色
第3期は、総額40億ドル(うちOECF分は18億5,000万ドル、輸銀分は21億5,000万ドル)を7年間にわたり供与
「秘録・日韓1兆円資金」p289
1983年1月、アジア局北東アジア課作成外務省記録「中曾根総理大臣韓国訪問」(会談記録)
(5)(イ)日本輸出入銀行史のバンクロ-ンについては初年度100億円、7年で総額3.5億㌦を限度として、日本輸出入銀行が供与検討する用意がある~
(ロ)また、日本輸出入銀行のサプライヤ-ズ・クレジット及び右のバンクロ-ンを含めた輸銀融資は、過去の供与実績から見て昭和57年度からの7年間に、21.5億㌦までは供与可能と思われる。
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(6)他、留学生受け入れや、種々の交流関係事業など
日韓学術文化青少年交流共同事業体拠出金 (日韓文化交流基金へ)26年度要求 2億500万円
日韓関係の推進 26年度要求 5600万円
日韓産業技術協力共同事業体拠出金
26年度要求 経産省 1億4400万円 外務省 2400万円
アジア大洋州地域青少年交流拠出金(24年度第1次補正) (日韓文化交流基金拠出金)14億6800万円
アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流23年度補正(日韓文化交流基金拠出金) 6億3400万円
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(7)償還状況
●2010年国別援助形態別実績(2011年ODA白書資料編)からは韓国の記載がないので、ODAについては償還完了、技術援助も行われていないと判断される。
●JBIC年次報告書 2013 p94資料編 :国・地域別出融資残高状況(2013年3月31日現在)によると、韓国の残高は238億円とあります。ただこの残高にはいろいろなものが含まれているので、この額をもって韓国の対日債務とはいえませんが、おそらく(6)-⑤の韓国産業銀行に対するロ-ンの残高が主なものではないかと思われます。
参考;JBIC年次報告書2013 国・地域別出融資承諾状況によると、政府開発援助(ODA)以外の政府資金で、日本の輸出入もしくは海外における経済活動の促進、または国際金融秩序の安定に寄与する事を目的とした信用供与や資金貸付(国際協力銀行;旧日本輸出入銀行の業務)の累計は、案件数695件、総額1兆2794億円ということです。
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(8)謝罪・賠償系
①在韓被爆者支援 40億円
● ”在韓被爆者問題については、盧泰愚大統領訪日の際に、海部総理大臣より、医療面で今後総額40億円程度の支援を行う意向を表明”1990年版外交青書-韓国
●~これを受け、91年と93年の2回、韓国の大韓赤十字を通じて医療支援資金として「在韓被爆者拠出金」の名目で計40億円を支出。これを基に韓国政府の拠出金を合わせて韓国側は「在韓原爆被害者福祉基金」が創設され、大韓赤十字が運営に当たっている。
日本政府によると、拠出金の対象被爆者は2011年11月末現在で2546人に上る。
日本の支援はこれだけではない。
在韓被爆者に対しては、2002年以降(1)被爆者手帳の交付(2)原爆症専門医療に関する医師の研修受け入れと医師の派遣(3)日本での渡航治療(4)受診来日時の交通費、滞在費の支給-などを始めている。
また2005年からは、在外公館でも国内在住の被爆者同様、被爆者支援法に基づく医療費特別手当、健康管理手当や保険料、さらに葬祭料の請求申請の受け付けを開始。韓国からは、在韓大使館領事部などを通じて11年11月末現在で728人が申請している。
韓国の“日本叩き”どこまでエスカレート? 今度は韓国被爆者が謝罪・賠償要求 2013.08.17
②在サハリン韓国人支援 約80億円
「在サハリン韓国人支援共同事業体拠出金(平成元年度~)H21年度事業仕分け資料」より
”事業の必要性
終戦前、様々な経緯で朝鮮半島出身者が南樺太にわたったが、戦後のソ連による事実上の支配の下、大部分の朝鮮半島出身者は出国が認められず、サハリン残留をよぎなくされた。その後、韓ソ国交樹立の前後からソ連の態度が軟化し、出国が認められるようになった。
日本政府としてはこのような歴史的経緯を踏まえ、人道的観点から、日韓両赤十字社を構成員とする「共同事業体」を89年に設立し、同事業体を通じ、一時帰国、永住帰国及びサハリン再訪問を中心とした支援事業を推進してきた。
このような経緯から、在サハリン「韓国人」支援に関し、わが国としては、過去20年以上にわたり累計75億円に上る支援策を講じてきたところであるが、近年、韓国国内においても本件支援に強い感心が示されており、韓国政府からわが国政府に対して、外相会談を含む累次の機会を通じて本件支援の継続及び拡充を要望してきている。
また、韓国政府としても、サハリンでの現地調査の結果を踏まえ、日韓間の協力を基調とした永住帰国を中心とする支援策を進めている。このような状況において、わが国政府として、本件支援のさらなる拡充を図り、韓国側の喫緊の要望に的確に応えることは、日韓両国が歴史を直視し、未来に対するビジョンを持って「日韓新時代」を切り開いていく見地から、特に高い外交上の効果を発揮するものと考えられる。”
この後今年度までの基金拠出金を合計すると、約80億円になります。現在の政府のこの事業に対する見解は以下のようなものです。25年度行政事業レビュ-から。
●在サハリン韓国人支援特別基金拠出金 26年度要求額;1億2千万円
”在サハリン「韓国人」問題について、これまで様々な支援事業を実施し成果を上げてきたところであるが、これらの事業について、韓国及びサハリンにおける関係機関と協議を行い、適切なニーズを把握することは、日本政府としての在サハリン「韓国人」問題に対する真摯な態度をアピールすることになり、事業の円滑な遂行にも資するものであるから、同水準の維持が必要であると考えられる。特に併合100年となる平成22年8月に発出された内閣総理大臣談話においても、本件支援の実施が盛り込まれており、継続的な実施が重要である。”
「カン談話」を踏襲すると言っております。なお、確認はできませんでしたが、村山政権時代の33億円の支援(※)はH21年度事業仕分け資料にある「過去20年にわたる累計75億円の支援」に含まれていると判断しました。
※「戦後補償」の亡霊にとりつかれた日本のサハリン支援
2007年 04月 05日「正論」平成17年1月号
”「日本が悪い」という声が身内から上がるのだから、日本政府の外交姿勢も弱腰にならざるを得ない。平成二年には国会での答弁で、当時の中山太郎外相がサハリン問題で韓国に謝罪。四年には、宮沢喜一首相(当時)が日韓首脳会談において「従軍慰安婦」問題で謝罪している。六年には、河野洋平官房長官(同)が「従軍慰安婦の強制連行」を認める発言をした。
そして、七年、「戦後五十年記念事業」として、周辺国への謝罪や補償問題ばかりに熱心だった村山富市内閣のもとで、サハリンから韓国への永住帰国者が入居する五百戸のアパートや療養院の建設など、計約三十三億円にも及ぶ巨額の日本の支援(韓国側は土地や年金などの形で永住帰国者の生活費を負担)が決定されるのである。”
③元慰安婦支援事業
●アジア女性基金による償い事業;韓国
●アジア紛争下での女性尊厳事業(H19~)
25年度1600万円 26年度要求1700万円
事業の目的;平成19年3月末をもって解散した財団法人「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)の活動を通じて築かれた各国関係者とのネットワークを活用し、外部団体ないし個人に業務を委託し、同基金の行ってきた事業を適切にフォローアップすることを目的としている。
事業概要;韓国、台湾、フィリピン各地に在住する元慰安婦を巡回し、医療及び福祉の面で直接的な支援を行っている。元慰安婦は既に高齢であり、その大部分の方が身体が不自由で寝たきりの方も多いため、それぞれを巡回訪問しながら対象者の近況を確認し、情報収集及び各国の元基金関係者とのネットワークを維持している。
インドネシアに関しては、元慰安婦の認定が困難であること、また、元慰安婦の方々やその家族の尊厳を守らなくてはならないことから、個人に対する事業ではなく、医療福祉施設への支援・視察及びインドネシア政府関係者との意見交換等を中心に事業を実施している。
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以上、ほとんどネットでタダで閲覧できる公的資料を元に書いてみました。もちろん、これが全てではありません。
今後、何か間違いに気づいたり、わかったことがあった場合は随時内容を変更します。