未来のための公共

 

「今の政治、どう思う?」

2017.3.17(金)、19時半、国会議事堂前北庭エリアにて、国会前集会を開催。

南スーダンへの自衛隊派遣、防衛大臣の説明責任、森友学園など、政治状況は目まぐるしく変動しています。

でも、本当に今のままでいいのでしょうか。

政治はもっと、私たちのものになるはず。

 

2017年3月17日に発足 <シールズ>新たな団体

 

 古い政治運動のスタイルを破って共感を広げた「SEALDs(シールズ)」。その流れを受け継ぐ新たな団体が17日に発足した。名前は「未来のための公共」。大学生や子育て世代を含む幅広い世代が政治を語り合う場所にしようと、関係者は意気込む。

 

 学生グループのシールズは2015年5月に結成され、安全保障法制の成立前後に抗議活動を展開。メンバーが互いの価値観を尊重し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でゆるやかにつながりながら、政権批判の大きなうねりを生み出した。206年8月に解散した。

 

 新団体のメンバーは、学生や子育て中の母親ら。「自由に考え、話せる場にしたい」との思いから、特定のテーマは設けず、参加者が関心のある問題を取り上げる。当面は毎週金曜日に国会前に集まる。

 

 新団体にかかわる元シールズメンバーの津田塾大3年の溝井萌子さん(21)は「再結成ではない。発展型です」「政策などに反対する人だけでなく、疑問やモヤモヤした思いを持った人も加わりやすい形にして運動を盛り上げたい」という。立憲主義や市民の政治参加を重視する点は同じだが抗議活動にこだわらず、自由な意見表明に力点を置く。共謀罪の趣旨を盛り込むテロ等準備罪や政府の働き方改革、森友学園なども取り上げる。

 

 「未来のための公共」が3月17日、国会前で初めての集会を開き「政治の間口を広げるため、不安や違和感を気軽に話そう」と訴えた。参加者は2000人。

 

学生や学者、保育士、国会議員などさまざまな立場の112人が大阪市の学校法人「森友学園」を巡る問題や稲田朋美防衛相の辞任、共謀罪の構成要件を変えた組織犯罪処罰法改正案などに触れてスピーチした。

 

 主催者あいさつをした大学2年のくるみさん(21)は、「今多くの人が政治のことを話しています。私たちは世代を超えて、『今の政治おかしくない?』でつながれる。声をあげられる間口を広げたい」と呼びかけた。

 

 スピーチした高校2年生のソラさんは、「安保法制のときに国会前で声をあげました。しばらく遠ざかっていたけど、また声をあげます。おかしいことにはおかしいといえる社会にするために」と語った。

 

 民進党、日本共産党、社民党の国会議員が参加。共産党からは小池晃書記局長がスピーチした。

 

 

 

 

 

「未来のための公共」は3月24日夜、2回目の国会正門前抗議を行った。参加した会社員や学者、学生、国会議員らは「森友学園」問題や「共謀罪」など、さまざまなテーマでスピーチ。「森友学園はっきりしてよ」「共謀罪はぜったい廃案」「みんなの国を私物化するな」とコールした。

 

 司会を務めた、大学生は、「共謀罪」の閣議決定や「森友学園」問題など「やっぱり今の政府はおかしいと思います。市民の側から『おかしい』といっていかないといけません」と語り、「説明責任しっかり果たして」とアピールした。

 

 「安全保障関連法に反対する学者の会」の小森陽一さん(東京大学教授)は、「いま政府は、政治も国土も私物化しています。こんな政治はやめなければならない」とスピーチ。「路上から声をあげていこう。私たちは『公共』のためにたたかっている」と訴えた。

 

 日本共産党、社民党の国会議員が参加。共産党からは藤野保史衆院議員がスピーチした。

 

 

 

 

 

 

「共謀罪」反対 高校生らと国会前集会

 

「未来のための公共」などが4月7日夜、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に反対する集会を国会周辺で開いた。

参加者は「今すぐ廃案」「自由を守れ」などとシュプレヒコールを上げた。この日は約400人が参加。大学生や大学教授、国会議員らがマイクを握り、法案への懸念を訴えた。

参加者は、与党によって審議入りが強行された「共謀罪」法案について「絶対に止めよう」などとスピーチ。「勝手にきめるな」「自由を奪うな」とコールした。

大学生は、「『共謀罪』法案が審議入りしました。与党はきっと強行採決するつもりです。おとなしく法案を通させるわけにはいきません。止めたいと思っています。声をあげていきましょう」と語り、「安全保障関連法に反対する学者の会」の西谷修さん(立教大学教授)は「安倍さんは『共謀罪』で、この国をめちゃくちゃにしようとしている。それは日本全国で、国民がもの言わない社会にしようというものです。なんとしても止めよう」とスピーチした。

埼玉県川越市から参加した男性(36)は、「私は公務員です。共謀罪はもちろん、教育勅語の教材使用容認や、中学武道への銃剣道の追加など、戦前に戻りそうな教育の動きに危機感を持っています。国民に奉仕する一人の公務員として、安倍政権に反対します」と話した。

民進党の江崎孝、日本共産党の岩渕友、社民党の福島瑞穂の各参院議員がスピーチした。

 高校生を中心とした10代のグループも参加。「安倍政権に反対する金曜国会前抗議」と銘打ち、より多くの市民や団体を巻き込んで、毎週恒例の開かれた抗議の場にしていく。

 

 

国会周辺で「共謀罪」法案に抗議する人たち=7日夜

 

 

未来のための公共(2017年3月21日配信『毎日新聞』)

 

新団体会見「シールズとは別」

 

記者会見する「未来のための公共」のメンバーら=東京都千代田区の参院議員会館で2017年3月21日午前11時2分

 

 「共謀罪」の成立要件を絞った「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案、大阪市の学校法人「森友学園」を巡る問題などの政治テーマを広く取り上げ、議論を深めたいと学生や主婦、会社員らが立ち上げた団体「未来のための公共(未来公共)」のメンバー9人が21日、参議院議員会館(東京都千代田区)で記者会見し、設立趣旨などを説明した。

 会見では大学1年の福井周さん(19)が「今の政治に疑問を抱いている人たちの広い受け皿を目指している。私たちの未来を決定する政治の中に、私たちから立ち上がる公共があっていいのではないか」とあいさつ。「SEALDs(シールズ)とは別のところから出てきたチーム。シールズの復刻版ではなく、世代や職種を超えたつながり」と強調した。

 「ママの会@神奈川」のメンバーでもある主婦、石井あさみさん(48)は「きょう共謀罪が閣議決定された。十分な議論がされない政治プロセスに疑問と怒り、恐怖を感じる。私たち一人一人が暮らしの中で見つけた問題について、自分なりに意見や知識を持って気軽に話せる場ができたらいいなと思っている」と話した。

 今後は毎週金曜日夜の国会前集会を続けながら、ツイッターやフェイスブックを通じて情報を発信する。野党共闘の推進や「未来公共」独自の候補者を立てて選挙に出ることは考えていないという。

 「未来公共」は今月17日、森友学園問題や組織犯罪処罰法改正案について抗議する集会を初めて国会前で開催。主催者発表で約2500人が参加した。

 

政治話し合える場を(2017年3月19日配信『しんぶん赤旗』)

 

「未来のための公共」国会正門前の初行動

 「政治について気軽に話し考えあう場所をつくりたい」―。民主主義を守り、発展させることをめざして17日、新しい市民団体「未来のための公共」が結成され、初めての国会正門前抗議行動が行われました。2500人(主催者発表)が参加。主催者や参加者のスピーチを紹介します。

 この日の行動では、コールはほとんどなく、自分の思いや考えを伝えるスピーチが中心でした。若い世代や学者、国会議員らがマイクを握り、今の政治について感じていることを語ります。

 学習院大学教授の佐藤学さんは、「森友問題は教育界最大のスキャンダル。安倍政権の最も醜い部分が現れた。この問題は終わらせない」と訴えました。

 大学生の八重樫史晃さん(23)は、「戦前のような惨禍を再び繰り返してはいけません。私たちはこのタイミングで、もう一度主権者として政治を語りあいましょう」と呼びかけました。

 「未来のための公共」は、若い世代や子育て世代のママなど、幅広い世代が個人で集まっています。特定の政治課題ではなく、さまざまな問題を取り上げ、みんなで一緒に考えようとしています。

 国会正門前の行動は、24日も行われます。

 

私たちで考える

主催者あいさつ 大学2年生 くるみさん

 

 こんにちは。「未来のための公共」のくるみです。

 ずっと思っていたことがありました。それは、国会前に友だちを誘いにくいということでした。もっと政治の間口を広げたい。もっと政治について気軽に話せるようになりたい。「あれ、これおかしくない?」と思ったときに、不安や違和感について話せる場所がほしい。政治の問題を私だけで考えるんじゃなくて、私たちで考えあっていきたい。

 本のたとえでいえば、私たちは政治の著者です。書き手です。だけれども、出された本を直す編集者でもあるはずなんです。私たちにはもっとできることがあるはずです。

 私たちは世代を超えたつながりです。「いまの政治おかしくない?」と思ったら、それだけでつながる可能性があるはずなんです。

 「未来のための公共」は、その試みの一つです。

 

「次は私の番だ」

大学2年生 馬場ゆきのさん

 2015年8月、父から「国会前に行ってみな」と1通のメールが来ました。しかし、私が足を運ぶことはありませんでした。安保法制はあきらかに憲法違反であり、大切な人が戦地へ行くかもしれないと思うと、恐怖と不安で胸が押しつぶされそうになり、本当に阻止しなければならないと思っていました。

 ですが私は、それ以上に詳しい知識、自信をもっていえる考えがなかったため、行動することを恐れ、避けていました。誰かが何とかしてくれる、きっと可決しないだろう、と思っていました。

 それでも法案が可決されてしまった。若者と呼ばれる主権者一人ひとりが責任を果たしている一方、何もすることができなかった自分への後悔、さらに彼らへの尊敬の気持ちから、「次は私の番だ」といった思いが胸に刻みつけられた瞬間でした。

 私は昨年、勇気を振り絞って参院選挙、新潟知事選で地元の集会に足を運びました。そこでは、自分のように政治に携わることを避けていた、原発事故や安保法制をきっかけとし、子どもの未来を守るため社会に訴えかけることを始めた、多くのママさんに出会いました。ママさんたちの勇気ある行動が子どもたちに伝われば、私が気づいたように、次の世代にもつなげることができる。そんな希望が見えました。

 「次は私の番だ」。この思いから、2月10日、友だちとの買い物を終えた後、このまま家に帰ってしまおうかと葛藤するなか、私は一人で初めて国会前に足を運びました。

 政治に関心をもつきっかけをつくってくれた父、主権者の一人として責任を果たすことの重要性を教えてくれた同世代の方がた、一緒に活動してくれたママさんに背中を押してもらったように、次は私が背中を押す番です。

 

自らの言葉で語る

大学2年生 周さん

 もし政治がこんな体たらくになっていなければ、私が今日ここに立つことはなかったでしょう。私が初めて国会前を訪れたのは、特定秘密保護法が国会で議論されているとき(2013年)でした。目の前にある国会で、無情にも法案が成立したときのくやしさは今でも胸に焼き付いています。

 その翌年の憲法9条の解釈変更、その次の年には安保法制の成立と、政治の劣化はとどまるところを知りません。自衛隊の南スーダンへの派遣、現地で起こっているのは「衝突」なのか「戦闘」なのか。そして日報の問題。はたしてシビリアンコントロールはきいているのでしょうか。現在、政治が抱えている問題は網羅しきれません。私は、目の前で繰り広げられている政治に辟易(へきえき)しています。

 自分自身が一番に思うのは、今の政治は私たちの方を、国民の方を見ていないということです。大切なのは、政治は私たちの国民のものであるということです。主権者一人ひとりが自らの言葉で政治を語り、社会を形づくっていく。私は友人たちともっと政治のことについて語り合いたい。

 私はこの場が、国民一人ひとりが政治を私たちのものだと胸を張って主張できる、その流れを可視化し広がっていく、そんな場になればいいと思っています。まずは多くの人に、「今の政治どう思う?」と、私たちと一緒に頭を悩ませてほしい。政治が私たちのものになったといえる日が一日も早く来ることを願います。

 

 

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