【ニューヨーク=清水石珠実】米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズは13日、米ネット大手ヤフーの中核事業の買収手続きを完了したと発表した。ヤフーの残存会社は社名を「アルタバ」に変更し、中国のアリババ集団や日本法人の株式などを管理する投資会社となる。ネット企業の草分け的存在のヤフーだが、創業から23年あまりで事実上その歴史に幕を閉じることになった。
ベライゾンは頭打ち傾向が顕著な携帯電話事業に代わり、ネット事業を成長のけん引役に育てる計画だ。子会社「オース」を設立し、傘下のネット事業「AOL」と今回買収したヤフーの事業を統合。「ハフポスト(旧ハフィントン・ポスト)」「ヤフー・ファイナンス」などを軸にネット広告の収入増を目指す。
買収完了を受け、2012年からヤフーを率いてきたマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)は退社する。米報道によると、ベライゾンはAOLとヤフーの統合に伴い、両社従業員の約15%に当たる2100人の削減を計画している。
ベライゾンは16年7月、ヤフーの中核事業を約48億3千万ドルで買収すると発表した。その後、過去にヤフーで大型の顧客情報流出があったことが発覚し、今年2月に約44億8千万ドルに減額することで合意していた。