今夜も西麻布とかで「よーし、おじさん、○○ちゃんをICOしちゃうぞ!」というネタが繰り広げられてると思うとゾッとしますね。「○○ちゃんの独自トークンを買い占めちゃうぞ!」ってやかましいわ。
— けんすう (@kensuu) 2017年6月13日
ここ数日IT系のクラスタでは耳にしない日がない「ICO(initial coin offering)」。
これっていったい、何なんでしょう?
仮想通貨ブロガーと化したイケハヤが、初心者向けに解説します!
資金調達の民主化。
突然ですが……あなたはベンチャー企業の経営者です。
あなたは、世の中を変えるすばらしいプロダクトを発明しました。この製品を世界に売り出すことができれば、世界のあらゆる問題は解決し、不正も、不毛な争いも消滅するでしょう。ノーベル平和賞級の発明です。
しかし、この製品を開発し、売り出すためには「原資」が必要です。ざっくり見積もって、150億円。もちろん、まだ製品は手元にありません。これから、作るわけですから。
……さて、こういうとき、あなたはどのようにしてお金を調達しますか?
従来は「ベンチャーキャピタル(VC)」を利用することが一般的でした。金額によっては「銀行」から借りるやり方もありますね。
でもまぁ、VCや銀行からの調達って、リスクがあるじゃないですか。VC使うと、貴重な会社の「株式」を提供することになるし、銀行融資はそもそも「借金」ですし。わざわざプレゼンして説得するのも大変ですしね……。
はい。
そこで選択肢になるのが!
「ICO」なのですよ。これは、まったく新しい資金調達の手段なのです。
逆にいうと「ごく一部の人しか有望なベンチャー企業に投資できなかった」という、今までが変だったともいえます。新しいテクノロジーが、資金調達を民主化したわけですね!
もう、めちゃくちゃです。
資本市場のヒエラルキー崩壊したね。「ほんの3時間で167億円相当を調達した」/ 現代に蘇るケインズ通貨「バンコール」、ブロックチェーンICOで167億円調達 https://t.co/G8o0tLP4ET
— Katsuaki Sato (佐藤航陽) (@ka2aki86) 2017年6月13日
ここから先は実例ベースで。ちょっと、完全に異常なことが起こってます。
直近でいうと、「バンコール」が狂ってますね……。
ブロックチェーン・プロジェクト「Bancor Protocol」(バンコール・プロトコル)が、イーサリアムのネイティブトークンETHを用いたICOを通じ、ほんの3時間で167億円相当を調達した。
ICOの調達額は過去最大を更新。フィアットベースでは、昨年6月に実施されたThe DAOの160億円を若干上回る結果だ。発行されたトークンの総量は 79,323,978 BNTで、ユーザーはこの 50 %となる 39,661,989 BNTを得たことになる。
現代に蘇るケインズ通貨「バンコール」、ブロックチェーンICOで167億円調達 | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュース
さ、さ、さ、3時間で167億円……。
これ、何が起こってるかわかりますか?
「バンコール」という会社が、新しいインフラシステムを作ろうとしているんです。
で、そのインフラ上で利用できる「BNT」という通貨を、事前に販売したわけです。
もしも、バンコールが作るインフラが広く使われるようになれば、その上で動く「BNT」も価値を高めることになりますよね?
現在のICO市場は、投機的なニーズが非常に強くなっているので、世界中からこの新しい通貨「BNT」を買う人々が殺到しました。その総額が、3時間で167億円。頭おかしいw
これ、企業側から見たら革命的で、株式を与えることなく、借金を背負うことなく、世界中から瞬時に資金を調達できちゃっているんですよ……。
今までのやり方はなんだったのか……と絶望的になっている起業家も多いはずw なんかもうぜんぶICOでいいんじゃないかな……。
ユーザー目線でポジティブにいえば、今は「誰もがベンチャー投資家になれる時代」なのです。
有望なベンチャーが発行する仮想通貨を購入することで、彼らに資金を提供することができる。そのお金で、彼らは製品を開発する。
で、彼らの製品が大成功すれば、あなたが最初に買ったコインは高い価値を持つ。そういう話です。
ICO、続々。
ICOは完全にバブル状態で、新規参入が相次ぎまくってます。「ICO Calender」を見ると全貌がわかります。
1時間くらいかけて掲載されているものはすべて見てみましたが……ぶっちゃけ、何をやりたいのかわからないコインも多いです。ウェブサイトだけで将来性を判断するのはなかなか困難……。
直近で有望で、実際にお金を集めそうなのは、メッセンジャーアプリの「Kik」がリリースする「kin」でしょうかねぇ。これはぼくもちょっと購入してみる予定。
2017年6月時点の面々を見ると、日本発のコインはまだ見当たりません。
が、これも時間の問題。どこかの会社が必ずICOをやりますよ。
たぶん、それは「Campfire」が最初になるのではないかと思っています。Campfireコイン、ICOされたらたぶん200万くらい買います。家入さんよろしくです!
長期的に見ると、「それなりに実績のある企業が、独自の暗号通貨を発行する」という流れが起きると予想しています。「Kin」なんかはそれですね。FacebookとかAmazonも独自のコイン作るんじゃないかなぁ。
問題もある。
ただし、ICOには問題もあります。
まずは法整備。
ぼくが知る限り、日本においてはまだ議論が進んでおらず、制度も整っていません。
日本発のICOがないのも、これが原因なのかも。海外に法人つくってICOするのが早いんでしょうね……。
また、詐欺的なコインも多いと思われます。
「これから開発を始めるから、みんなお金をちょうだい!」とやっているわけで、最悪の場合、調達してそのままトンズラこくこともできちゃいます。
詐欺の意図がなかったにせよ、競合に存在意義を潰されたり、開発に失敗することだって、普通にありますしね。ICO投資はかなりリスクが高いと思った方がいいでしょう。
もひとつ、これ完全にバブルなので、どっかで弾けます。
今は異常ですからね……。
何か大きな事件が起こると、イーサリアムが暴落し、それに引っ張られてすべての仮想通貨の価値が暴落する懸念があります。
ただまぁ、長い目で見れば、ブロックチェーン、スマートコントラクト、そして新しい通貨は、まだまだ社会に浸透していきます。むしろ「これから」の段階ですから。
個別の銘柄の未来はわかりませんが、市場規模全体は成長していくので、そこまで悲観的になることはないと思う派です。
仮想通貨市場は、資本主義を高速再生しているようなイメージです。本格的に普及するまでは、おそらく「毎年」のペースでバブルが崩壊するんじゃないかな……。
2016年も「The DAO」の騒動とかがありましたしね。崩壊を繰り返すなかで、有象無象のコインは淘汰され、全体として成長していくのでしょう。
で、もうかんの?
というあたりが外観ですが、読者の大半が結局のところ気になるのは「儲かるのかどうか」でしょう。
ICOは儲かるのか?
えぇ、儲かりますよ。そりゃあ、えげつなく。「1年で元本100倍」とか、起こっても不思議じゃないです。
投資家側に立つのなら、あなたが有望だと思うコインに身銭を突っ込みましょう。
そのコインが見事成功すれば、あなたは一気に億万長者!おめでとう!
……もちろん!その裏にはリスクもあります。
切った身銭はドブに流れていく可能性大。
実際、件数ベースで見れば、ほとんどのICOは長期的に見て「失敗」の烙印を押されるでしょう。ほとんど残らないんじゃないかな……。
なので、よっぽど賢くて、リスク取れる人じゃないと、ICOコインの購入はおすすめできませんね。英語のホワイトペーパー読めない人とか、買っちゃだめですよw
純粋に投機が目的なら、普通に「coincheck」「Poloniex」あたりでアルトコイン買えばいいと思います・低リスクとまではいいませんが、ICOコインよりはまだマシです。
関連記事:リップル、ネム、オーガー……。主要なアルトコインの特徴をまとめるよ。
あなたもICOしよう。
もっとも面白いのは、実は「ICOする側」だと思います。
ICOは原理的には「誰でもできる」仕組みでして、かくいうぼくも「VALU」で自分の株式を売り出してます。
VALUによる「人間株式公開」もまた、一種のICOです。ぼくは3日で1,000万円を調達しましたよ。すさまじい話です……。
関連記事:イケハヤ、VALUを使った「ICO」で1,000万円を調達し、歴史を刻む。
イケハヤ株はじわじわと値段を上げていくように努力していきます。
今のうちに買ってもらえれば、1年後に少し増えてるかもしれませんね!応援してくれる方はぜひ買い注文を出してみてください〜。
関連記事:トップユーザーが解説!個人の株を売買する「VALU」の始め方。
仮想通貨の未来は明るい。
確実に、バブルは崩壊しますよ。
それは当たり前なんです。経済の原則。
バブルが崩壊するたびに、偉そうなおっさんは「それ見たことか!」と騒ぎ立てるのでしょうけれど、バブルは崩壊するのが前提ですからね。
短期的な暴落と高騰にとらわれてはいけません。
ブロックチェーンや仮想通貨の未来は、そういう近視眼的な態度では見えてきませんよ。
少なくとも3年、ないしは5年スパンの話ですから。10年先は……もうわかりませんw
ギャンブルとしてはおすすめしませんが、技術に触れる意味で、1〜2万円買ってみるのはいいと思います。
実際に買ってみると、何がすごいのか意味がわかると思います。これから始める方は、以下の記事をどうぞ。
関連記事:【成績も公開】仮想通貨に250万円投資!「低リスク」な始め方を解説するよ。
識者の意見。
ICOについては、さまざまな意見が飛び交ってます。気になった投稿を貼り付けておきます〜。
ICOがなぜ近頃ベンチャー界隈でも話題になってきたかというと、技術的に革新が起こったのではなく、オルトコインの価格の高騰によって仮想通貨ホルダーの資産が増加し、またそれに伴い仮想通貨を購入する人が増えたことで、ICOへの流入資金が大幅に伸びたからですね。
— 和田 晃一良 (@wadakooo) 2017年6月13日
3ヶ月前の価格と比較してビットコインの価格は約2倍になっているのに、イーサリアムの13.5倍に比べると霞んで見える
— 和田 晃一良 (@wadakooo) 2017年6月13日
イーサリアムICOバブルの形成と崩壊シナリオ https://t.co/GSy2jVTthA
はい、既存の株式割当や銀行借入などの資金調達の方法に比べて、金額は大きく、手間は簡易にできれば成長を目指しているベンチャー企業として魅力的な手法だからです。
— 和田 晃一良 (@wadakooo) 2017年6月13日
これまでは相当に信頼できるプロジェクトでなければ数十億円とICOは難しかったのが、比較的簡易にできるようなったと思います。 https://t.co/g1LWFThL9z
ただ、ICOは法的な整理がまだまだ追いついていないので、募集を考えている企業はしっかり考えた上での実施のほうが無難ではあります
— 和田 晃一良 (@wadakooo) 2017年6月13日
ポジショントークです! -> 暗号通貨で35億円調達!?ICOの可能性、そしてVCの仕事は無くなるのか? https://t.co/ZhIhzw9yYt via @djtokyo pic.twitter.com/fanZF2OKux
— Hiro Maeda (前田ヒロ) (@djtokyo) 2017年6月11日
ICOバブルとロシアに浮かれるETH。イーサーリアムが高騰し$430に到達後急落。私はETHは実用的な通貨ではないと考えます。以前にBAT ICOによるトランザクション集中により送金が出来なくなる事を経験しました。実際の通貨でこんな事が起きれば何十兆円もの社会的損失。脆弱過ぎる。
— fallout_tokyo (@fallout_tokyo) 2017年6月12日
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