マイナス金利でMMF 事実上姿消す

比較的安全な国債などで運用する投資信託でかつて人気を集めたMMFの残高が先月末でゼロになったことがわかりました。日銀のマイナス金利政策の影響で国債の利回りが低下して投資環境が厳しくなり、各社が相次いで運用をやめたためで、MMFは販売開始から25年で事実上、姿を消すことになりました。
MMFはリスクの高い株式を避けて、比較的安全とされる国債や社債などで運用する投資信託で平成4年に販売が始まり、バブル崩壊で“安定した利回り”の商品を求めていた投資家のニーズをとらえ人気を集めました。

しかし、日銀が去年2月にマイナス金利政策を導入すると、主な運用資産である国債の利回りが大きく低下して投資環境が厳しくなり、各社はMMFの運用をやめて資金を投資家に返す「繰り上げ償還」を相次いで行いました。

その結果、マイナス金利の導入前、1兆6000億円余りに上ったMMFの純資産総額は急激に減少し、投資信託協会によりますと先月末で残高がゼロになったということです。これによりMMFは販売開始から25年で事実上、姿を消すことになり、マイナス金利という異例の金融政策が個人の資産運用にも大きな影響を及ぼしています。