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5月23日(火)に発売された「CanCam」最新号は、「魔法の自撮りライト第2弾(星型)」が付録。大きな話題になった「ハートクリップ型スマホライト」の時にも勝る勢いで、完売店が続出しています。
スマホライトのついた号に限らず、実は「CanCam」は2017年1月号以降、いずれの号も好調な売れ行きを見せています。
2016年7月号~12月号の平均売上と比べてみると、約1.5~2倍強。ちなみに2017年1月号以降の特集・付録内容を振り返ると、次のようになっていました。
・1月号… TOKYO OTONA KITTYとコラボレーションした「ゆめかわエコバッグ」が付録。
・2月号… ハートクリップ型スマホライトが付録。
・3月号… CanCam専属モデル・橋本奈々未さん(乃木坂46)卒業号。
・4月号… 伊藤千晃さん卒業のタイミングでAAA特集。7人揃ってファッション誌の表紙を飾るのは、これが最後。AAA両面ポスターが付録。『橋本奈々未写真集』未公開カットも収録。
・5月号…『名探偵コナン』の婚姻届、TOTTI CANDY FACTORYとコラボレーションした「虹色わたあめポーチ」が付録
・6月号… 伊野尾慧さん・山本美月さんが表紙。ペコちゃんチークブラシが付録。
さて、好調の理由はどこにあるのでしょうか? 「CanCam」の編集長からお寄せいただいたエッセイをご紹介します。
35周年を迎えたこの1月号から半年間のうち、完売した号が2冊、うち重版が1冊、ジャンル1位奪還号続出……など、おかげさまで、今年に入ってCanCamにはニュースがいっぱい!です。そのきっかけは、各SNSでも大変話題になり、完売した2月号の付録「スマホに付ける!自撮りライト」と大特集「かわいい写真が撮りたい!!」でした。人間でいえば、超働き盛り・オンナ盛り。そんな1982年生まれのCanCamに、今、いったい何が起こっているのか……2月号完売への道を例に、少しご紹介させてください。
それは、昨年12月28日の午後のことでした。発売日から5日目、ツイッターで“CanCam”と検索していたら、ある時間帯から虫や鉱物の写真が出るわ出るわ!――それが35歳のCanCamの、変化の始まりでした。
発端は昨年夏にさかのぼります。そもそもは「創刊35周年記念号の1月号より、CanCamのあり方をもう一度考えよう」というプロジェクトから始まりました。販売・宣伝・制作・広告、そして編集の皆で、フランクな月例会議を開催。「CanCamとは20代女性の“今”がつまった宝箱なのである」ということを再認識しました。
時代とともに常に20代の女性を中心に愛されてきたCanCamですが、現在の対象女性にとって、表紙をめくるとまずファッションテーマがあって、次にビューティがあって……というつくりがすべてなのだろうか? ツルツルピカピカした紙って、色がキレイでいい!と思っているのは、私たちだけなのではないだろうか?……などなど。体裁から内容まで、皆でリサーチし、話し続けました。
年末年始を挟む2月号の大特集「かわいい写真が撮りたい!!」は、現在の20代女性が今、一番気になっていること。それは、昨年夏に開催したCanCamナイトプール(品川プリンスホテルとコラボし、66日間で約7550人動員)でも明らかなことでした。さらに、その大特集をより立体的にする付録がないだろうか? ――そこで出てきたのが「自撮りライト」でした。肌がキレイに写る、目の中にハートが入る……そんなライトで完売を!という願望は、発売が近づくにつれ、確信に変わっていきました。
ところが、思わぬ方面からの反響が今回の完売をさらに後押ししました。それが、12月28日。まず、大特集に出ていただいた芸能界の新・インスタ女王、黒柳徹子さんが、ご自身のInstagramにあげてくださったこと。そして、ニュースサイトの記事をきっかけに虫や鉱物愛好家の方々(多くは30~50代の男性…CanCamを買うのが恥ずかしくて奥さんにお願いしたり、お酒を飲んで買いに行ったりしてくださったみたいです)が、「こんなに影が入らず、美しく写真を撮れるライトはすごい!」と相次いでツイートしてくださったこと。実は、ある方が「#CanCamライト写真コンテスト」なるものをツイッターで突如開催したのが発端だったようで、ドール愛好家やコスプレイヤーも入り交じり、年始のつぶやきは「CanCamがない!」のオンパレード。それがまた皆をあおり、発売から約3週間で完売。ネット書店では2000円で売られたりもしていました。
今回得たことは、影響力のある人がほめれば、一挙に購買網が拡大するのだということ。他社の編集長や昆虫学者など、多くのフォロワーをもつ、一家言ある方が皆、ライトや大特集の内容をほめてくださいました。ただネットでバズらせればよいのではなく、心からおもしろがってくれ、かつ拡散能力の高い人の目にとまったのが、この結果を生んだのだと分析しています。対象読者はもちろんですが、その名をめいっぱい日本列島に轟かせることは、CanCamの使命でもあると思っています。
ある書店のツイッターには「雑誌の新しい可能性を見いだした神号」とうれしすぎるつぶやきがありました。これに甘んじることなく、しかしながらひとつの鉱脈とし、さらに20代女性の“今”をきりとるCanCamをつくっていこうとチーム一同、ますます張り切っています。35歳からのCanCamの挑戦は、まだまだ始まったばかりです。
小学館 「CanCam」編集長
塩谷 薫―SHIONOYA Kaoru
1996年入社。東京女子大学現代文化学部卒。「プチセブン」→「CanCam」→「Domani」→「AneCan」を経て2015年10月より現職。
「CanCam」
かわいい!おしゃれ!楽しい! 20代女性の“今”がつまったファッションバラエティ誌。自撮りライト第2弾(星型)が付録の7月号(5月23日発売)も完売店続出! 特集は「インスタの女王になりたい!?」。表紙は、Instagram を始めて半年でフォロワー約30万人、芸能界の新・インスタ女王を目指す指原莉乃さん。
(「日販通信」2017年6月号「編集長雑記」より転載)