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【社会】

大洗事故作業員 肺からアメリシウム検出 プルトニウムが変化

 日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(茨城県大洗町)の被ばく事故で、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)は十二日に記者会見を開き、放医研の施設に入院する作業員五人のうち一部の人の肺で、放射性物質のアメリシウムが計測されたと明らかにした。人数や誰から計測されたかは公表しなかった。プルトニウムはいずれも計測されなかったという。

 肺の放射性物質測定は、放医研が五人を受け入れた七日以降、それぞれ三〜四回実施。アメリシウムが計測された人も、レベルは下がってきている。アメリシウムはプルトニウムが変化してできることから、この作業員はプルトニウムも体内に取り込んだ可能性が高いとした。

 事故直後の原子力機構による測定で、五十代の男性作業員の肺から計測された二万二千ベクレルのプルトニウムは、体表面に付着していた放射性物質の影響が大きかったとの見方も示した。

 原子力機構もこの日、記者会見し「皮膚にわずかに残ったプルトニウムなどを検出し、過大評価した可能性がある」と説明。拭き取りなど体表面の除染が不十分だった可能性があるが、放射性物質の排出を促す薬剤を投与するかどうかの判断を優先したと釈明した。

 放医研の上部組織、量子科学技術研究開発機構の明石真言(まこと)執行役は「(一部の作業員は)おそらく内部被ばくの可能性があるが、症状が出るような健康影響があるとは思えない」と話した。

 五人の治療は、放射性物質の排出を促進する薬剤の一期分五日間の投与が終了。放医研は、五人の尿などに含まれる放射性物質の調査を続けて、内部被ばくの程度を評価する。一カ月近くかかる見通しだが、肺で放射性物質が計測されない人はその前に退院できるという。

 

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