ホンダF1プロジェクトの総責任者である長谷川祐介は、テストベンチと実走行時の信頼性に差がある理由を究明しているという。
プレシーズンのテスト以降、パワーユニットの信頼性と性能の不振に悩まされるホンダは、他のチームとのギャップを埋めるべく、大幅な改良に取り組んでいる。
ホンダは当初、カナダGPで大規模なアップグレードを投入する予定であったが、更なるテストや開発期間を必要であると判断したため、これを延期した。
ホンダF1プロジェクトの総責任者である長谷川祐介氏はmotorsport.comに対し、次のように語った。
「テストベンチの環境に課題があります。我々はテストベンチと実際のトラックを同じ環境にする必要があります」
「テストベンチでの使用条件が実際と異なっているため、なぜ信頼性に差異が発生してしまっているのかを理解する必要があるのです」
「昨年、我々はテストベンチ上でエンジンの信頼性を証明することができていました。だから今年、テストベンチとサーキットでの環境がどうして違ってしまっているのか、原因を究明する必要があります。これは簡単に行く話ではありません」
「(テストベンチの)精度を向上させる必要があります」
カナダGPでマクラーレンのフェルナンド・アロンソはエンジントラブルにより、今季初入賞の機会を逃した。そのレース後、マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは、ホンダのパフォーマンスに対し、”十分ではない”と主張していた。
またカナダGPでは、フリー走行2回目でMGU-Hのトラブルを抱えたストフェル・バンドーンが、プールしていたMGU-Hに交換を行なっている。
それに対し長谷川氏は「対策は行いました。しかし、導入するとペナルティを科せられるため、カナダでは使いませんでした」と説明した。
「問題に対応することができたと確信できれば、戦略的にそのアップデートを投入するサーキットを選びます。導入するサーキットに失敗して、悪いタイミングでペナルティを受けたくはありませんから」
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