ネットに体罰動画 コーチを解雇

埼玉県越生町の私立高校で、サッカー部のコーチが部員の生徒の顔などを複数回たたいたりする動画がインターネット上に投稿され、高校は、動画を確認するなどした結果、体罰があったとして、13日コーチを解雇しました。

埼玉県越生町にある私立「武蔵越生高校」によりますと、12日「インターネットにサッカー部の部員を殴るような動画が掲載されている」と、学校に連絡がありました。
動画には高校のグラウンドで30代の男性コーチがおよそ20人の部員が見守る中、複数回にわたって1人の部員の顔をたたいたり、胸元を小突いたりする様子が写っていました。
このコーチは、半年ほど前からサッカー部の指導を専門に行っていて、高校は、動画を確認した上で、13日コーチから事情を聞いたところ、6月9日の夕方、部活動の最中に体罰をしたことを認めたということです。
コーチは「生徒の態度がよくなかったので行き過ぎた指導をしてしまった。大変申し訳ない」と説明したということです。
高校は体罰があったとして、13日付けでコーチを解雇し、今後、生徒や保護者に謝罪することにしています。
高校によりますと、体罰を受けた3年生の男子生徒は、けがはなく、その後も部活動に参加しているということです。
武蔵越生高校のサッカー部は、インターハイの出場経験があり、およそ120人の部員が在籍しているということです。
大塚英男校長は「大変遺憾なことで、今後、このようなことがないよう指導したい」と話しています。

サッカー部のコーチが生徒の頭をたたくなどしている動画は、12日夜、ツイッターに投稿されました。
動画は、およそ1分50秒にわたって撮影されたもので、グラウンドで生徒20人ほどが座っている中でサッカー部のコーチが生徒の頭や顔をたたいたり、体を小突いたりする様子が写っていました。
ツイッターには、この動画とともに「部活内での体罰の様子です。
受けた人は何人かいます、1人はみぞのあたりに違和感があるそうです」などと書き込まれていました。

武蔵越生高校によりますと、当時、サッカー部の部長をしている教員が、20メートルほど離れた場所からコーチが生徒をたたく様子を見ていましたが、止めなかったということです。
これについて部長は「遠くにいたので声が届かないと思った」と説明しているということです。
その後、部長はサッカー部の監督をつとめる教員に体罰があったことを報告し、翌日監督が生徒の保護者に謝罪したものの、高校には報告していなかったということです。
高校は12日夜、インターネット上に動画が投稿されているという外部からの連絡を受けて、初めて認識したということです。
高校は、部長と監督の処分も検討するとしています。
岩上克巳教頭は「体罰というあってはならないことが起き、保護者と子どもたちに本当に申し訳なく、おわびします。2度とこうしたことがないよう再発防止に取り組んでいきます」と述べました。