最近では身の回りに「デジタル」の機器が増えてきましたよね。
さて、ふだん何気なく使っているこの「デジタル」という言葉の意味をちゃんと知っているでしょうか?
もしかしたら「デジタル = 電子的なもの」みたいに思っている人もいるでしょう。
しかしそれは間違いです。
例えば、そろばんはアナログ機器ではなくデジタル機器です。
今回は、「デジタル」とその反対の「アナログ」という言葉の意味について、簡単に説明していきます。
「デジタル」と「アナログ」
意味
「デジタル」と「アナログ」の意味はざっくりいうと
- デジタル = 離散的な数を表すもの
- アナログ = 連続的な数を表すもの
となっています。違いは「数の表し方」なのです。(専門家からの厳密な指摘が怖いですが、イメージはこんな感じです。)
離散的・連続的とは
「離散的」というのは、簡単な言葉で言い換えると「飛び飛び」という意味になります。離散的な(飛び飛びな)数の代表例に、整数があります。整数は「1の次は2、2の次は3....」のように、値が飛び飛びになっていますよね。
「連続的」はその逆。「連続的」な数は、「飛び飛び」になっておらずずっと続いている数のことです。
これだけだとわからない人もいるかもしれないので、具体的にイメージするために、「デジタル」と「アナログ」の機器の例を見ていきましょう。
デジタル機器とアナログ機器
デジタル機器とアナログ機器の代表例を見ていきましょう。
デジタル機器
デジタル機器の代表例の1つは、デジタル時計です。(後述しますが、「デジタル時計」「アナログ時計」には、日本時計協会による定義があるようです。ここでは、一般的な意味の「デジタル」「アナログ」について述べます。)
例えばこのデジタル時計だと、「この次は10時27分50秒、その次は10時27分51秒...」といった感じで、飛び飛びに秒が増えていきます。
「10時27分50.5秒」や「10時27分51.2秒」などのように、飛び飛びの数の間にある数は表すことができないです。
アナログ機器
アナログ機器の代表例はアナログ時計...と言いたいところですが、あえて、アナログ機器の代表例として定規をあげましょう。
たとえば、測ったものがだいたい2.1cmだったとします。しかし、よく見て目分量で測ってみると、もしかしたら2.15mくらいかもしれません。さらにもっとよく観察してみると、2.156cmかもしれません....。さらにまだ観察するともしかしたら....(略)
このように、アナログの数はどこまでも細かくなりうるものです。
さきほどのデジタル時計では、どれだけ頑張っても「50.5秒」などの細かな数は出すことはできませんが、アナログではどこまでも細かい数を出すことができます。
デジタルの特徴
たとえば、さきほどの定規で2.1565464734843942.....cmという値が出たとします。しかし、実際にそんなに細かな値が必要かと言われたら、大多数の人が要らないと答えるでしょう。「だいたい2.1cmくらい」で十分でしょう。
アナログだと、(頑張れば)どこまでも細かい数を出すことができます。しかし、実際のところそんなに細かい数は必要ありません。
逆にデジタルは、飛び飛びの数なので細かさには限りがあります。さきほどのデジタル時計では「1秒」より細かな時間を表していません。しかし、時計であればそれで十分でしょう。
このように、不必要な細かい部分を排除しているというのが、デジタルの特徴の1つと言えます。これによって、データが劣化しにくいなどのメリットが生まれます。(詳しくはググってね。)
デジタルとアナログの他の例
時計や定規などの、「何かをはかる機器」を例として使いましたが、何かをはかる機器じゃなくてもデジタルとアナログの違いはあります。
たとえば、音楽CDはデジタルで、レコード(あの黒い円盤みたいなやつ)はアナログです。
細かい説明は他のサイトを参照してもらいたいのですが、音楽CDでは「音を表す数を飛び飛びにすることで、人間の耳では聴き分けられない細かな部分」を排除しています。(どちらかというと「人間の耳では聴き分けられない範囲で、音を表す数を飛び飛びにした」と言ったほうがいいかも。)不要な部分を排除することで、音楽のデータのサイズを小さくできるんですね。
(かなり噛み砕いて説明したので、厳密なことはつっこまないでください。詳しく知りたい人は、「サンプリング周波数」などでググるといいかも。)
そろばんはデジタル機器
ここまでの内容を考えると、そろばんはデジタル機器といえます。
そろばんが表せる数は、「1・2・3....」のように飛び飛びの数です。飛び飛びの数を表すということは、デジタル機器だということです。(使い方を工夫すれば、アナログ機器として使えないこともなさそうですが)
(余談)僕がこのまえ買った腕時計
この前、アナログとデジタルの両方の時計がついた、いわゆる「アナデジ時計」を買いました。
しかし、説明書をよく読むと「アナログ時計の分秒は、デジタル時刻の秒が0秒、20秒、40秒になっときに1/3分ずつ進みます」との記述が...。
要するに、アナログ時計の長針がデジタル時計に合わせて、1/3分ずつ進んでいくということです。あと、秒針はありません。
つまり、このアナログ時計らしきものは、1/3分(20秒)おきの時間しか表せないのです。そのため、アナログに見せかけて、実は「デジタル」であると言えるでしょう。
まあでも、日本時計協会は以下のように言っているので、これは「アナログ時計」らしいです。なんか悔しい。
アナログ時計は、文字板と針などの機械的構造により時刻を表示する機構の時計(針表示式の時計)で、デジタル時計は、液晶やLEDなどの電子的構造により時刻を表示する機構の時計(数字表示式及び電子的に文字板と針の表示を行う時計)です。
(http://www.jcwa.or.jp/time/qa/qa02.html)
友達と話しているときに、「お前のアナログ時計って実はデジタル時計じゃない?」みたいなことを言うと、ウザいやつと思われるかもしれないので注意しましょう。
さいごに
「デジタル」と「アナログ」の違いについて説明しましたが、本当はもっと深いものだと思います。もし興味をもったなら、自分で色々と調べてみましょう。