ECを運営していて頭を悩ますことのひとつが、『初期購入者になかなかリピーターになってもらえない』ことではないでしょうか?
ベビー服EC『べびちゅ』でも、
新規購入顧客にリピーターになってもらうための施策にいくつも取り組んできました。
その施策として、初回購入限定のクーポンの発行や2,000円以上購入で送料無料といった施策などがありました。
というのも、初回買いやすいと感じていただくことで、リピート購入につながりやすいと考えていたからです。
しかし、
2017年3月に新規で購入したお客様のうち、4月にも購入してくれた人の割合(以下、継続率という)を初回の客単価別に調べてみると、客単価10,000円以上が13.7%だったのに対し、客単価5,000円未満では、4.9%となっていたんです。
なんと、2.81倍です。
しかも、8,000円以上10,000円未満の客単価、5,000円以上8,000円未満の客単価についても、客単価が上がるほど継続率が高くなることが確認されました。
初回購入時の客単価が上がるほど、継続率が上がるんですね。
何故このような結果が出たんでしょう?
べびちゅでは、客単価が上がるほど継続率が上がる理由を、
『初回購入時の客単価が上がるほど、お客様にとってのお店の格付けが上がり、他のお店に切り替えにくくなる』
からだと考えています。
今回、『初回購入時の客単価が上がるほど継続率が上がる仕組み』について、説明していきたいと思います。
では、早速説明します。
お店の格付けは、初回購入金額の客単価で決まる
以前書いた記事(2回目購入時の客単価が845円も下がった理由)で、『初回購入時の客単価が低いと次月の客単価が下がる傾向にあり、逆に、初回に高い買い物をすると、次月も、高額商品を購入したり、高い客単価での買い物をする傾向がみられた』ということを説明しました。
弊社では、『この結果から、初回購入時の客単価によって、安い買い物をする店なのか、あるいは、高い買い物をするお店なのかを格付けしている』のだと考えました。
たとえると、
マクドナルドと高級焼肉店でそれぞれ格付けをしていて、お店ごとに予算感や求めるレベルを決めているといった具合です。
低い格付け。低い継続率。
2017年3月に新規で購入した人が4月に購入した継続率を初回購入時の客単価帯ごとにまとめてみました。
客単価 | 継続率 |
---|---|
10,000円以上 | 13.7% |
8,000円以上10,000円未満 | 10.3% |
5,000円以上8,000円未満 | 7.8% |
5,000円未満 | 4.9% |
表から分かるとおり、客単価が低くなればなるほど、継続率も低くなっていきます。
これは、なぜ起こるのでしょう?
低い格付けには、競合店がいっぱい
想像してみてください。
『普段使いのリーズナブルな飲食店』と『ここぞというときに使う飲食店』
オススメの店舗数が多いのは、どちらですか?
恐らく、普段使いのリーズナブルな飲食店だと思います。
これと同じ理屈で、初回購入時の格付けが低くなると、競合となるショップ数も増えていくんです。
ということは、自分たちのショップが選ばれる確率も下がっていくということです。
また、心理学では、高い買い物をすると「良い買い物をした」と無意識のうちに自分自身に思い込ませようとするという研究結果があるらしく、そのあたりも客単価の高い人の継続率が高くなる理由なのかもしれません。
そして、初回の印象が次回以降の買い物に与える影響は非常に大きく、初回でしくじるとなかなか挽回できません。
なので、べびちゅでは、
初回購入時にできるだけ、高い格付けをつけてもらうことを重要視しています。
ですので、2017年6月以降、初回購入時の客単価を上げるための施策を打ち始めています。
施策の内容についてデータが集まり次第、記事にしようと思っていますので、楽しみにしていてください!
まとめ
- 初回購入時に、お客様はショップ自体の格付けを行い、その格付けに従って、次回以降の買い物をする
- 初回購入時の客単価が高いほど、継続率が上がる傾向がある
- これは、高い格付けのほうが、乗り換えられるショップの数が減っていくことが主な要因であると弊社では考えている
- なので、初回購入時に高い格付けをつけてもらう施策が重要となる