あなたは「頭痛持ち」ですか?頭が痛いからといって、あるいは、頭が痛くなりそうだからといって、よく鎮痛剤を飲んでいませんか?
頭痛薬のせいで、かえって頭痛に苦しめられているのかも知れませんよ。
薬物乱用頭痛とは
頭痛を治すために、頻繁に頭痛の薬を飲んでいると、薬が効かなくなってきて、かえって頭痛の回数が増えてくることがあります。
このように、鎮痛剤のせいで引き起こされる頭痛を「薬物乱用頭痛」といいます。
特に、偏頭痛で薬を飲むことが多い人や中年の女性に多く見られます。
また、朝早い時間に起こりやすく、重くなると、毎日のように頭痛がする、いつも頭が重い、不安を感じる、集中できない、物忘れが多い、イライラするというような症状が出ます。
最悪の場合、小脳が萎縮して、歩行困難になったという報告もあります。
こうなる原因は、まだはっきりしていませんが、薬の使いすぎで、中枢神経が変化して、痛みを感じやすくなるのではないかと考えられています。
薬物乱用頭痛は、市販の頭痛薬をよく飲む人に起きやすいのですが、使用方法が適切でないと、医師に処方してもらった薬でなることもあります。
薬物乱用頭痛対策で、何種類もの鎮痛剤をかわりばんこに飲んだとしても、防ぐことはできません。
また、鎮痛剤を飲むことをやめたとしても、すぐに症状が改善するわけではなく、かえってリバウンドを起こして頭痛がひどくなることがあります。
薬物乱用頭痛のセルフチェック
次のようなことに当てはまることが多いと、薬物乱用頭痛の可能性があります。
・朝早く、夜明け前などに頭痛がすることが多い
・頭痛の頻度が増えてきて、月に15回以上頭痛がする
・日によって、痛みかたや、痛む箇所が変わることがある
・3ヶ月以上、鎮痛剤をしきりに飲んでいる
・頭痛が実際にする前に、頭痛が起きそうだという不安から鎮痛剤を飲むことがある
・これまで飲んでいた鎮痛剤が効かなくなってきた
単一成分の鎮痛剤(バファリンA、ロキソニンS、タイレノールAなど)ならば、3ヶ月以上にわたって、月に15日以上
複合成分の鎮痛剤(イブA、新セデス、ナロンエース、ノーシン、バファリンプラスなど)ならば、3ヶ月以上にわたり、月に10日以上
飲んでいると、薬物乱用頭痛になる可能性があります
薬物乱用頭痛を防ぐために
「頭痛ダイアリー」をつけて、自分の頭痛の観察をしましょう。
日本頭痛学会 頭痛ダイアリー ダウンロード・ページ
そして、実際に頭痛がする前に予防的に薬を飲むのはやめましょう。
しょっちゅう頭痛がして、鎮痛剤を良く飲む人は、医者に相談しましょう。
受診するのは、頭痛専門外来・神経内科・脳神経外科などが適しています。
頭痛薬に頼らない頭痛の治しかた
偏頭痛とそれ以外の頭痛では処置が違うこともあるので注意しましょう
足首を回す
イメージの力を使う
ツボを押す
マッサージをする
ストレッチをする
ニンニク・ハチミツ・コショウを混ぜて食べる
音楽療法をする
漢方薬を使う
薬物乱用頭痛で、鎮痛剤の使用を中止する場合、代わりに漢方薬を使うことがあります