こんにちは、DACです。具現化系能力者になっていつでもどこでもオヤツを出せたらいいなと思う日々ですが、念能力に目覚める気配は全くありません。
さて、今回はハンターこと実際の狩猟者のお話をしましょう。
元ネタ
概要
- 奈良県内で狩猟免許を取得している女性が2016年度末時点で62人と過去最多となった
- 奈良県内の狩猟免許取得者数1981年度には3,368人を数えたが、その後減少傾向で2000年代半ば1,600人台と半減(60代以上が7割で高齢化で先細り)
- 近年2,000人まで盛り返し、2011年度に15人増、13年度は25人増、さらに14年度は32人増。その主要因は女性狩猟者の増加。
- ハンター不足による鳥獣被害増、ジビエ料理の普及に伴う増加と推定。
所感
2011年からなら別にけものフレンズのカバンちゃんが理由という訳ではないのでしょうけれど*1、面白い傾向ですよね。
狩人というとどうしても男性イメージが付いて回ります。でも、確かに女性は料理などでもお肉を直接下処理したり料理する過程で触れる機会も多いです。直接干渉することへの抵抗感や忌避感が案外少ないのかもと思いました。
逆に男性の場合、案外血を見るのが苦手だったりするし、既に料理の趣味が無い場合は調理済みのイメージしか持たないか持ちたくないかなんてこともありそうです。
狩猟が特殊な職業、特殊な趣味として遠くのものではなく、案外身近なものになり得るのだ…というのは個人的には新しい発見でした。
それにしても狩猟者ってどうやってなるのか、そもそも目的って何なのさ…と思い関連ページを軽く見てみました。
狩猟者(ハンター)になるには?
さて、そこで狩猟者になる方法、即ち狩猟免許を取得するにはどうすればいいのか?また、実際になったらどんなことが出来るのか?そういった現実の狩猟者周辺の情報を知りたくなりました。狩猟免許を主管する環境省には「環境省_狩猟の魅力まるわかりフォーラム」という一連の狩猟関連コンテンツがあります。
狩猟のルール・マナーを知ること
狩猟の目的
色々とあるのですが、主に以下の4点が狩猟の目的です。
- 趣味としての楽しみ
- 自然資源の持続的利用
- 農林水産業被害の予防
- 日本の在来種の保護
ちょっと意外というか、自分が物知らずだったなあと思いました。最初の趣味は分かります。狩ることを楽しみ食べることを楽しむというのは、古来より人間の営みでした。
その他の自然の維持、農林水産被害対策、生態系維持(増えすぎも減り過ぎも駄目でバランスを取る)があまり想定していませんでした。
考えてみれば狩るということは、生き物の数が変わり、生態系に干渉し、その一環で農水に影響するのは自明です。でも、そういう一連の繋がりが狩りから繋がっているというのは言われるまでピンと来ていませんでした。(環境省_知っておくべきこと[狩猟の魅力まるわかりフォーラム])
危険を知り自制的であること
自分自身や周囲にも危険を及ぼす可能性のある行為
である以上、狩猟事故を起こさないよう注意深く自制的である必要があります。そのために幾つかのルールやマナーを徹底するというのが基本姿勢となります。
- 野生鳥獣の命に最大の礼を尽くす:趣味と言っても命を頂く上で礼を尽くす
- 狩猟可能鳥獣及び捕獲可能数を守る:自然資源の持続的利用や生態系の正常化に努力する
- 猟具は規定されたものを使用する:(1)網(種類の限定あり)(2)わな(種類の限定あり)(3)装薬銃(4)空気銃の4種の道具を法定猟法の範囲で使用
- 狩猟可能場所以外では狩猟禁止:狩猟可能場所・禁止場所が都道府県ごとに指定があるので守らねばならない
- 狩猟可能期間(猟期)以外は狩猟禁止:これも都道府県で規定しているので守らねばならない
狩猟免許取得
制限
言われてみればさもありなんです。やはり危険な猟具を携行し保管するのですから間違えた使い方や危険な使い方をしかねない人、責任を持てない人は外さないといけません。受験ですから当然お金がかかります。
- 年齢
- 銃猟免許:20歳以上
- 網猟免許・わな猟免許:18歳以上
- 統合失調症や そううつ病、てんかん、麻薬や覚せい剤の中毒者でないことの証明がある
- 狩猟免許申請手数料:免許1種類につき5,200円(同時に2種類の免許について申請する場合は10,400円)
- 狩猟免許試験の合格
狩猟免許試験
ペーパー試験で知識の的確さを測り、適性試験で狩猟者に必要な状況判別のための身体能力である視力聴力や実際に活動するための運動能力が十分かを測ります。また、技能試験ではより現実の狩猟で直接必要な技能を測ります。十分な力量があるかどうかも試験で担保します。(環境省_狩猟免許を取得する[狩猟の魅力まるわかりフォーラム])
- 知識試験
- 法令や狩猟免許制度等に関する知識
- 猟具の種類や取り扱い等に関する知識
- 狩猟鳥獣や狩猟鳥獣と誤認されやすい鳥獣の生態等に関する知識
- 個体数管理の概念等、鳥獣の保護管理に関する知識
- 適性試験
- 視力
- 聴力
- 運動能力
- 技能試験
- 鳥獣の判別(狩ってよい鳥獣と狩ってはいけない鳥獣の判断)
- 猟具の取り扱い
- 目測能力の判定
実際に罠や猟具を入手
猟銃の場合と罠では扱っている法律や購入手順が違います。物によっては買うだけではなく自分で制作する必要もあるようです。
狩猟免許だけでは狩猟は出来ない!
免許があって道具があればいつでもハンティング出来る!ついさっきまでそう思っていたのですが、違いました。最低限狩猟免許は必要ですが、それだけでは不足なのです。
- 狩猟者登録(1)出猟したい都道府県ごと(2)狩猟税の納税
- 3,000万円以上の共済または損害賠償保険に加入するかこれと同等の賠償能力を証明すること
これからやりますってことを事前に通知し、何かやらかしても一定以上の補償する能力があると証明せねばならない。ぶっちゃけお金が必要なのです。
ひと狩り行こうぜ!
「ひと狩り行こうぜ!」とモンスターハンターみたいに気軽には始められません。でも、こうやって前準備をすればその地域のルール、先に書いた狩猟者としてのルール・マナーを守り、自他ともに安全に配慮しつつ狩猟に勤しむことが出来るようになります。
案外コストはかからないリーズナブルな狩猟趣味
こう書いてみると実際の狩りを行うまでの敷居はとんでもなく高いように見えます。
しかし、普通自動車免許の取得や維持を考えてみてください。「自動車の免許の取得にかかる費用・値段を徹底解説 | メンキョBuzz」を見ると教習所の卒業までに「22~35万円」、運転免許センターでの受験料・手数料で「3,850円」がかかります
。
自動車を購入して維持管理するとなるとガソリン代、洗車代、修理費、車庫代、重量税もろもろがかかり「軽自動車と普通車の1年間にかかる維持費比較」によると維持費だけで軽自動車が36万円、普通車が47万円です。これに加えて車両代は数十万円から数百万円必要ですし、定期的に買い替えたりするなら尚更かかります。
一方、狩猟は猟銃で免許取得、猟具の購入、狩猟者登録など全てこみこみ初期投資は30万円、わな系なら大型罠を使うのでなければ10万円未満のようです。安いですね!
終わりに
殆ど全て環境省ページのまんまで恐縮です(*‘ω‘ *)。
こうやって調べてみると、若干纏まったお金と時間があれば始められるという面で狩猟は案外身近な趣味になり得るのだなあと思いました。
勿論、生き物を狩るということは命を頂くということです。文脈の都合でここまで何度となく書いてはいますが、現実にそれを趣味と言い切ってしまうのは個人的には少なからず抵抗があります。
覚悟や真摯な姿勢が必要だと思います。その点ではとても気軽とは言えません。それでも、我々は毎日何かしらの命を頂くことで日々を生き生活できている一方で、作られた料理から生き物は連想しにくいです。
この狩猟という所為の中で生命の繋がりを実感するというのもよりよい人生を送るための選択肢には入れてもよいのかも…とボンヤリ思いました。別にこれはイマドキ女子の専売特許ではありませんし、取得可能であるなら検討してみても良いのかもしれませんね。
捌くだけなら狩猟者でなくても出来るよ。
狩猟者の方から獲物を頂いて捌いて料理しています。有名なサイトでして、狩猟した獲物を捌く上で参考になります。但し、写真でプロセス載っていますんで見る際はそのつもりで…。
chiharuh.jp
*1:女性が影響受けるタイプのアニメでも無さそうだし