現在の台湾を実効支配しているのは「中華民国」ですが、台湾の中華民国も大陸の中華人民共和国も同じ中国です。「中華民国」を英語に訳すと「the Republic of China」になりますが、その中に「China」という単語があるのです。現在の台湾で使われている中華民国の国旗「青天白日満地紅旗」は1949年までの中国大陸では中国の国旗として使用されましたし、中華民国国軍(台湾軍)の前身は「国民革命軍」で、日中戦争時は日本軍と、国共内戦時は中国共産党の軍隊と戦争したことがあったのです。
中華民国と台湾は同じではなければ、台湾は中華民国として独立しているのではありません。台湾は中華民国の中の地域にすぎず、中華民国が主張する領土は広大な中国大陸も含みます。また、台湾は中国の一省(台湾省)であります。設立した時の省政府所在地は台北市ですが、「反攻大陸」を唱えていた時代は南投市にある中興新村に移されました。現在の台湾省は凍結状態にありますが、完全に解体されたのではありません。
中華人民共和国と中華民国は祖国統一を目指して、台湾海峡で対立しているのが現状です。中華人民共和国は中華民国を認めておらず、「台湾当局」を名づけ、逆に中華民国は中華人民共和国を認めておらず、「大陸当局」或いは「中共当局」と名づけています。つまり、中華民国も「一つの中国」を唱えており、「三民主義統一中国」を目指しています。
では、なぜ中国はそこまで「一つの中国」を実現したいかというと、秦の始皇帝による天下統一と関わりがあるのです。中国の戦国時代、秦・楚・燕・斉・趙・魏・韓の7国(戦国七雄)が分割統治をしました。後に秦は残りの6国を滅ぼし、全中国を統一しました。それで、中国は一つだという意識が生まれるのです。三国志や南北朝など、中国が分裂する時代が多かったのですが、誰もが常態ではないと思っており、中国が一つであることは、本来的であることです。日本でも大人気な三国志の話をしますが、当時は魏・呉・蜀の3国が分割統治をしました。しかし、それらの国々がお互い認め合ったのではありませんでした。天下大乱になったほど、統一のために戦争して、後に晋が全中国を統一しました。このような「一つの中国」という古代からの伝統を今でも受け継いでおり、中華人民共和国も中華民国も、中国統一を目指しているのです。
将来的には中華人民共和国が全中国を統一することになるでしょうけれど、統一後、台湾の人民を苦しめるようなことは一切しません。中華人民共和国は台湾を香港とマカオと同じように、台湾に「一国二制度」を導入し、「特別行政区」を設けることになります。統一後の台湾が心配だったら、香港を見ればいいです。香港はかつてイギリスの植民地でした。中国に返還された後も、経済的にも政治的にも昔のままで、香港独自で外国と貿易や、オリンピックとAPECに参加したり、通貨を発行したり、しかも返還後、香港ディズニーランドが開園されたり、香港で最も高い超高層ビル「環球貿易広場」が建設されたりと、さらに発展したような気がします。大陸・台湾が統一されても、台湾人の生活は昔のままで、政治も変わらず、独自でオリンピックなどに参加できますし、台湾の場合は独自の軍隊の所有ができるそうです。
大陸と台湾は国と国との関係ではなく、両岸問題は日本でいえば平安時代末期の源平合戦のような国内問題です。ということは、大陸も台湾も中国の領土ですので、「中国と台湾」「中台関係」というのは禁句です。「両岸関係」という言葉を使用しなくてはなりません。また、中国国外にある書類に国籍欄があれば、そこには「台湾」ではなく、「中国」と書かなくてはいけません。確かに台湾は中華民国が統治していますが、「中華民国」という国名の中に「台湾」という言葉はありませんので、台湾人でも国籍欄には「中国」と書くことを願います。
1943年12月1日に締結された「カイロ宣言」の中に、「日本が窃取した中国の領土、例えば満洲、台湾、澎湖群島などは中国に返還する。その他日本が武力または貪欲によって奪取した土地からも必ず日本を追い出す」と明記されています。条約以外にも、憲章と宣言などは国際法の一部です。従って、台湾は国際法上、中国の領土です。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14105592354