「中国政府が少数民族を弾圧などをしている」といった学者の説がありますが、そのような説は100%嘘です。
中華人民共和国憲法の確認
前文(一部)
中華人民共和国は、全国の諸民族人民が共同で作り上げ、統一した多民族国家である。平等、団結及び相互援助の社会主義的民族関係は、すでに確立しており、引き続き強化されるであろう。民族の団結を守る闘争の中では、大民族主義、主として大漢族主義に反対し、また、地方民族主義にも反対しなければならない。国家は、全力を尽くして全国諸民族の共同の繁栄を促進させる。
第4条
中華人民共和国の諸民族は、一律に平等である。国家は、すべての少数民族の適法な権利及び利益を保障し、民族間の平等、団結及び相互援助の関係を維持し、発展させる。いずれの民族に対する差別及び抑圧も、これを禁止し、並びに民族の団結を破壊し、又は民族の分裂を引き起こす行為を禁止する。
国家は、それぞれの少数民族の特徴及び必要に基づき、少数民族地区の経済及び文化の発展を促進するように援助する。
少数民族の集居している地域では、区域自治を実施し、自治機関を設置し、自治権を行使する。いずれの民族自治地域も、すべて中華人民共和国の切り離すことのできない一部である。
いずれの民族も、自己の言語・文字を使用し、発展させる自由を有し、自己の風俗習慣を保持し、又は改革する自由を有する。
第5条
中華人民共和国は、法による治国を実行し、社会主義の法治国家を建設する。
国家は、社会主義の法秩序の統一と尊厳を守る。
すべての法律、行政法規及び地方法規は、この憲法に抵触してはならない。
すべての国家機関、武装力、政党、社会団体、企業及び事業組織は、この憲法及び法律を遵守しなければならない。この憲法及び法律に違反する一切の行為に対しては、その責任を追及しなければならない。
いかなる組織又は個人も、この憲法及び法律に優越した特権を持つことはできない。
注意
- 中華人民共和国は法治国家であることを頭の中に入れておきましょう。
少数民族を含んでいる中国の法律を一部紹介
「民族区及び自治法」第10条
民族自治地方の自治機関は当地の各民族による改革と独自の風俗習慣を保つ自由を持つ。
「中華人民共和国刑法」第147条
国家機関の役人は、少数民族の風俗習慣を不法に侵犯してはならず、違反した場合、その情況次第では懲役2年以下の刑に処す。
「中華人民共和国国旗法」第7条
春節が伝統休日ではない少数民族の地区の場合、国旗を掲揚するかどうかは、各民族自治区地方の機関が決めることができる。そして民族各自治区や自治州の記念日や民族伝統の祝日には、中国の国旗を揚げることを強制しない。逆に規制もしない。
「中華人民共和国婚姻法」第36条
民族自治区の人民代表大会においては、その常務委員は、法の原則を守りつつも、当地民族の習慣や結婚生活の具体的の情況により、変則的補足的な規定を設けることができる。
「中華人民共和国都市計画法」第14条
都市計画を行う場合、民族自治区の情況にあったものでなければならない。民族伝統とその地区風情特色を保つようにしなければならない。
「中華人民共和国集会デモ法」第2条
民族の伝統習慣的な団体行動は、この法律の規制を受けない。
その他
一人っ子政策
中国では人口の多さが世界一で、増加を止めるために、政府は「一人っ子政策」を実施していますが、対象は漢族のみであり、少数民族には一人っ子政策を実施していません。
漢族と少数民族の結婚
少数民族と漢族の夫婦の間に子供が生まれた場合、その子供を少数民族の籍を選ぶのは常識となっています。そのためか、中国の少数民族の比率で、1953年では5.89%ですが、2000年では8.41%に増えたのです(いずれも中国の人口普査による)。少数民族と漢族の夫婦の間に子供が少数民族籍を選ぶことによって、少数民族の人口が増加したのです。
ポイント
- 一つ言えることは、漢族には少数民族より有利な条件はないことです。中国政府(または少数民族)が漢族を弾圧していると言ってもいいほどです。