先週の金曜日に米国の人気ハイテク株が相次いで急落
先週、6月9日金曜日の立会で、これまで相場をけん引してきた一握りの人気ハイテク株が急落しました。アップル(AAPL):-3.88%、アマゾン(AMZN):-3.16%、フェイスブック(FB):-3.28%、アルファベット(GOOGL):-3.4%、ネットフリックス(NFLX):-4.73%、エヌヴィディア(NVDA):-6.46%といった具合です。
これらの銘柄は、年初来のS&P500指数の上昇の4割以上を稼いでいた相場のけん引役でしたが、そのリーダー達が崩れたことにより、市場参加者は「これからマーケットはどうなるのだろう?」と不安を抱いています。
アップルやアマゾンなどに、投資家の買いが集中した背景とは?
1月にトランプ大統領が就任して以来、大統領が公約した成長戦略はことごとく行き詰っており、何も実現していません。このため市場参加者は、「米国経済が力強く成長するシナリオは、あきらめるほかないな」と感じています。
そのことはドルに反映されています。
普通、景気が強くなると、その国の通貨も上昇しやすいです。下のグラフは貿易加重ドル指数ですが、去年の11月8日にトランプの当選が判明した後、急騰しているのがわかります。しかしその後、期待は落胆に変わり、貿易加重ドル指数は11月8日のスタート地点より低い位置まで下がりました。
投資家の、景気に対する見方を如実に示す、もうひとつの指標が長期金利です。一般に、投資家が「景気は強いぞ!」と感じると債券が売られ、その利回りは逆に上昇します。
いま米国10年債利回りを見ると、下のチャートのように利回りは低下しています。
これは長期債が買われていることを意味し、それはとりもなおさず、投資家が「景気は弱いぞ」と考えていることを意味します。
景気が弱い局面では、株式市場の投資家は「環境が厳しいときも、企業の努力で収益成長を出してゆける会社の株を買いたい」と思います。それは、現状ではネット株やハイテク株ということになります。
つまり、アップル、アマゾン、フェイスブック、アルファベット、ネットフリックス、エヌヴィディアなどの株が好まれた理由は、そのような消去法の発想で「これらの銘柄しか買えない!」という結論に投資家が達したからに他なりません。
指数への影響が大きいので、投資家は買わざるをえない
これらのネット株やハイテク株が、機関投資家がパフォーマンスのベンチマークにしているS&P500指数の動きを大きく左右しているので、ファンドマネージャーとしてはこれらの銘柄を組み込まざるを得なくなっているのです。
一部には「買わないリスク」、つまりこれらの銘柄を敢えてスルーした結果、運用成績が劣後し、ファンドマネージャーがクビになるなどのリスクも囁かれ始めていました(普通、「買わないリスク」が言われ始めたら、相場の賞味期間は終わりに近いです)。
そういう機関投資家からの買い需要が切れ目なくこれらの銘柄に向けられたため、その下値には買い指値がびっしり指してあり、それがボラティリティー(相場のブレ)を極めて小さくしてきました。ヒタヒタと上昇し続けるので、妙な買い安心感が醸成され、投資家が慢心しはじめたのです。
トレンドは崩れていないものの、しばらくは慎重な売買が必要
先週金曜日の下げは、特にトリガー(きっかけ)になるようなニュースが無い中で、突然、襲ってきました。したがって、何か業績面で問題が出たというのではなく、あくまでもテクニカル的な自律調整だと思います。
これらの銘柄が買われてきた背景事情として、トランプ政権が上手く行っておらず、アメリカの景気に陰りが出ていることを説明しましたが、その状況は現在も変化はありません。
すると、先週金曜日の下げは一過性のものであり、また今週から「イケイケどんどん」が繰り返されるというシナリオも可能性としてはじゅうぶんにあります。実際、どの銘柄も50日移動平均線を割り込んでいません。つまりトレンドは崩れていないのです。
しかし、市場参加者が「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」式に全員参加で同じ行動をすることは相場の最終局面で現れやすい現象だということを覚えておくべきです。
その場合、最後には積み重なったロング・ポジション(買い持ちになっていること)が大きな相場の反転の原因になることが相場の常です。
いまは先入観を持たず、ハイテク株の動向を注視し、今週以降、相場が切り返すなら飛び乗り、逆に続落するなら売るという、「割り切り」が必要だと思います。
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