更新日: 2017年05月25日
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いびきには男女差がある? ない? 両論をとりあげ、その内容を解説

どちらかというと、いびきは、男性がかきやすいというイメージがあります。しかし、女性でもいびきに悩まされている人はけして少なくありません。果たして、いびきには男女差があるのでしょうか? それともないのでしょうか? 実は、どちらも正しいというのが正解です。これから、さらに詳しくご紹介します。

<男女差の前に>いびきをかくメカニズムとは?

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そもそもいびきをかく、メカニズムそのものに男女差は、ありません。男性のいびきも、女性のいびきも、睡眠中に、何らかの原因で、喉にある気道が狭くなることで起こります。気道が狭くなると、スムーズに通れなくなった空気が、喉の粘膜を振動させます。その振動音がいびきの正体です。


喉にある気道が狭くなる主な原因としては、舌根や口蓋垂(のどちんこ)が大きい、扁桃腺が大きい、首や喉まわりに脂肪がつきすぎている、仰向けに寝る習慣、のどの筋力の低下などがあります。

いびきには男女差がある!? その根拠とは?

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男性に比べて、女性の方が、いびきをかきにくい、この男女差については、明確な理由が存在します。それは、女性ホルモンの存在です。

女性ホルモンには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンがありますが、このうち、黄体ホルモンには、気道を広げる働きがあるようです。黄体ホルモンには、上気道(鼻から鼻腔、鼻咽腔、咽頭 喉頭までの気道)にある筋肉の動きを活発にして、空気の通りをスムーズにする働きがあります。

つまり、この黄体ホルモンの働きによって、女性は男性に比べて、いびきをかきにくいと考えられています。(女性ホルモンは、男性にも分泌されていますが、その分泌量には、明らかに男女差があるため、それに伴って、いびきのかきやすさにも男女差が生じる、と考えることもできます)

「いびきに男女差なし」説の根拠とは?

ただし、男性よりも女性のほうが女性ホルモンの分泌量が多いとはいっても、同じ女性でも更年期以降は、女性ホルモンの分泌量が極端に減少するため、男性と更年期以降の女性とでは、女性ホルモンの分泌量に関しては、ほぼ男女差がなくなると考えられます。

そのため、男性と更年期以降の女性を比較した場合に限り、どちらも女性ホルモンの働きが期待できない、という点においては、男女差がなくなります。それにともなって、いびきのかきやすさにも男女差がなくなる、という見解に至らせることは可能かもしれません。

NPO法人睡眠時無呼吸症候群ネットワークの副理事長である渡邉了之氏によりますと、若いころは、女性はあまりイビキをかかなくても、更年期を境にいびきをかく女性が急増し、その時点で、男女差はほぼなくなるということです。

はいから「更年期障害とイビキ」

おわりに

いかがでしたか?いびきというのは、本人は無自覚なため、男女差のあるなしについても、実際にデータをとって検証するのがむずかしくなるようです。ちなみに、同じく気道が狭くなることで発症する睡眠時無呼吸症候群の発症率には、男女差がないということが、いくつかの検証から明らかにされているようです。睡眠時無呼吸症候群の最大の特徴が大いびきであるといわれていることから、この検証結果が、いびきの男女差と、何らかの因果関係があると考えられるかもしれません。

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