「規制」が雑な国はロクなことがないというのが私の持論。

はるか昔にコラムで書かせてもらったことがあるのだが、海で遊ぼうとしたら腰以上に深いところに行くな、入るな、と注意され過ぎて、バカバカしくなっていくのをやめた。
数年後、見てみるとその海岸は「都内から一番近い海岸」という輝かしい謳い文句があるにもかかわらず、ガラガラでほとんど人が来ていない状態になっていた。

当たり前。

ごく一部の問題行動をする人間がいたら、その人間にピンポイントで注意したり規制をかければいいだけの話なのだが、日本で多く見られる規制は

「とにかく雑!」

である。それが様々な「経験」や「体験から学べる機会」を奪っていることに気付かないのだろうか?

先日も近所を歩いていたら子供たちも遊ぶ公園があった。
その公園…「犬の散歩禁止」と書いてある。

おいおい、なんだそれ?
私は去年まで13年9カ月、ゴールデンレトリーバーを飼っていた。
ちゃんとシツケの勉強をし、完璧に動かせるように教育してあった。
なので、教室の先生に「盲導犬レベルのことが出来ていますね」と褒めて頂いていた。

なんでそこまでやって、公園を遠回りして散歩しなきゃいけないんだ?
子供たちに対して私の家の犬は絶対に吠えたりしない。
どんなことがあってもカンペキにコントロールできるところまでシツケてあった。
子供たちにも動物とのふれあいの機会となるはずだった。

私の家の周囲の方々は、犬たちをちゃんと教育しマナーを守っている。
しつけ教室だってタダじゃあない。
金を払って、皆さんの不快にならないように教育を施している。

が、一部のマナーの悪い人間がいる。
その連中がイメージを崩す。

そして、その「一部の人間」のために、愛犬家のマナーを守っている飼い主全員が、公園をグルっと回って、中に入ることも他の犬と触れ合わせることすら出来ないでいる。

海での遊びも同じ。
一部の人間はマナーが悪いかもしれない。
泳ぎが出来ないのかもしれない。

が、それらの人間に全部合わせて、腰以上に深い場所は全部ダメ、とか言われるとなんだかもうバカバカしくなる。

タバコも同じ。
マナーの悪いやつは徹底的に取り締まればいいと思うが、肩身の狭い思いをして、ちゃんとマナーを守って細々と吸ってる人までなんで徹底的に叩くかな、と思う。

今の日本はルールや線の引き方が「雑」過ぎる。
こうなると「真面目にやればやるほど損」をする。

犬のしつけ教室なんて、行ってももう無駄だ。どうせ何にも出来ないんだろ?
海なんて行っても無駄だ。どうせ遊べないんだろ?
どうせ、タバコももう全然吸えなくなるんだろ?
その次は酒だろ?
10年後か20年後には日本から酒はもうなくなってるさ。
タバコどころじゃない人の数が死にまくってんだから。

ハンドルネーム『お節介おやじ』さんから来たコメントが名言だった。これはなかなか…と唸ったのでご紹介。
ふざけた話だけれど、これが日本の実際の姿なんだよね。
窮屈になって、窮屈になりすぎて…ストレスばっか抱えて、結局、免疫力が落ちてガンになって死ぬ。
もっとおおらかに生きられないかな…。


(以下コメント)
運転せぬものにとっては公共交通機関や業務車両以外の自家用なぞ迷惑以外の何物でもないし、
飲酒せぬものにとっては夜毎繰り広げられる路上での馬鹿騒ぎには殺意さえ覚える。
歩きスマホで気もそぞろなら川へ突き落とされても文句は言えぬかも知れぬし、
女性のフレグランスに吐き気を催し、オヤジの汗や口臭に恐怖を覚え、
昼休憩時のママさんベビーカーランチに舌打ちし、
自信満々の他人の自慢話に何本か血管が切れ、上司にミスを責任転嫁されて拳を握り、
部内イジメに救いの手は差し伸べられず、果ては自死に繋がる場合もある。

ストレスは万病の元とも言われます。
他者への迷惑には、くれぐれもご注意ください。