面白法人カヤックで「Lobi」のデザイナーをしているバッコです。
サービス開発において、以下のような悩みはないでしょうか。
- 何ヶ月もかけて作った機能が使われない
- 細かい改善を繰り返しても効果が出ない
- 施策の知見が溜まっていかない
Lobiチームではそういった問題が起こらないように、以下の4つのことに取り組んでいます。
1.ストーリーを描いて、つくる目的を明確にする
Photo credit: Rosenfeld Media via Visual hunt / CC BY
デザイナーの仕事といえば画作りだと思われがちですが、何かをつくるのは目的ではなく手段のひとつです。
デザイナーは何をつくるにしても、まず「顧客に価値を提供するストーリー」を描いて、「何のため・何を見込んでつくるのか」を明確にします。
ストーリーを描く際には、ユーザーインタビューやアンケートを元に作成したペルソナが有用です。誰が顧客かわからなければ、何に価値を感じてもらえるかもわかりません。
2.サービス成長につながる課題を見つける
Photo credit: Alveart via VisualHunt / CC BY-NC-ND
「顧客に価値を提供するストーリー」を書いても、それはまだ仮説にすぎません。
想定した顧客や課題は存在しないかもしれないし、用意した解決策では顧客の課題を解決できないかもしれません。
サービスが抱える課題を見つけるために、「ストーリーの上手くいったところ・上手くいかなかったところ」を定量的に調査します。
ストーリーと数字に基いて課題を探すことで、サービスの成長につながる重要な課題に注力することができます。
単発の「意見要望・アイデア」や「数字」からも施策を考えることはできますが、文脈をつかめていない状態では、無数にある「やった方が良さそうに見えるけど、数字には影響しないこと」に惑わされてしまいます。
※課題を見つける際には、ペルソナを元に作成したCJM(カスタマージャーニーマップ)が有用です。
3.最小工数で仮説検証をする
Photo credit: Christian_Campos via VisualHunt / CC BY
本当に取り組むべき課題を見つけても、そのまま開発には取り掛かりません。
この課題もまた仮説にすぎないので、最小工数で仮説を検証できる手段を検討します。
いきなり大掛かりな開発をせずとも、その機能に本当に需要があるのか、その画面の改善によって数字が上がる余地があるのか、仮説を検証する方法はいろいろあります。
検証したい仮説に合わせてMVP(コンシェルジュ型、プロトタイプ、スモークテスト、ユーザー調査など)を選びます。
参考:http://growthhackjapan.com/2014-02-14-5-types-and-examples-of-mvp/
※このフェーズは、デザイナーひとりで考え込むのではなく、チームメンバーに相談した方がより良いアイデアが生まれます
4.検証結果から学んで、次に活かす
仮説検証のための実験や機能をリリースしたら、必ず効果測定をします。
「効果が出なかった」ということから得られる学びもあります。仮説が間違っていたのであれば、それをペルソナやCJMに反映して、仮説の確度を高めていくことができます。
仮説通りの検証結果が出たときだけ本格的な機能開発へと進めます。
おわりに
ユーザー調査・仮説検証の実験・効果測定など、当然ながらすべての作業をデザイナーひとりでこなすことはできません。
各パートでそれぞれの専門家に協力を依頼したり、アイデア出しはなるべく複数人でやるなど、デザイナーは孤立せずにチームで働いていることを最大限活かしましょう。
また、検討漏れを防いだり、素早く仮説検証のサイクルを回すためにも、未完成のものを積極的にシェアして、フィードバックをもらう勇気をもってください。
それを受け止めるチームも、「何がダメか」ではなく「どうすれば良いか」を一緒に考えられると良いですね。