昨秋登場した「iPhone(アイフォーン)7」の決済機能「アップルペイ」で大量の商品がだまし取られる事件を埼玉県警が全国で初めて摘発した。他人のクレジットカード情報を登録したアイフォーンを使う手口。店頭などの読み取り機にスマートフォンをタッチするだけで代金を支払える決済サービスが普及する中、専門家は「カード会社の本人確認が甘い」と指摘し、早急な対策を求めている。
さいたま地検に詐欺罪で起訴された中国籍の于洋被告(29)の起訴状によると、川口市のコンビニエンスストアで3月26〜27日、たばこ981カートン(約445万円分)を詐取したとされる。
県警によると、アップルペイを使った詐欺事件の摘発は全国初。1回の決済上限額は2万円で、被告は中国籍の男女3人と約10時間にわたり、未遂分も含めて決済を704回繰り返していた。対応したコンビニ店長は「爆買いの中国人」と思い不審に感じず、カード会社が県警に相談した。
2台のアイフォーンが使われ、それぞれ神奈川県の30代男性と埼玉県の20代女性のカード情報が登録されていた。何らかの原因で流出した情報が悪用されたとみられる。
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