Findyでは求人票の解析をもとに「Findy Tech企業トップ100+」を作成。このトップ100+に出てくる企業のみに限定し、掲載するエンジニアのためプレミアム転職サービス「Findy(ファインディ)」を運営しております。これは、求職者にとって働きがいのある企業のみを紹介したいという思いからきています。
この話をすると、よく転職経験のあるエンジニアの方や人事の方に、なぜ求人票にそれほどまでにこだわっているのかと聞かれることがあるのですが、その際にお答えしているのが、
「求人票をしっかり書けている会社」=「求職者に働きがいのある場を提供する強い意思のある会社」
という傾向が強いからです。また、今回、「Findy Tech企業トップ100+」の企業に直接お伺いする中で、その傾向を実際に身をもって確認することができました。
「人」に投資する気持ちがない会社は「求人票」にこだわらない
Findy Scoreという求人票採点サービスをリリースした後に、10社限定で無料で求人票を書きますキャンペーンに取り組みました。その際に、頼まれた求人票のうち、「10社中9社」が「エンジニアの求人票」でした。人事や経営者に限らず、エンジニアチームの責任者も採用に悩んでいる実態を目の当たりにし、今回のサービスを考える最初のきっかけになりました。その後、求人票を書くためにエンジニア100人くらいにインタビューする中で、エンジニアが人事と求職者の間で最も壁、溝が大きい職種の一つであることが分かりました。
また、求人票を書く際には、まず「経営者」や「人事」のインタビューから始めるのですが、その際に求人票を「書ける会社」と「書けない会社」というのが出てくることが分かりました。特に書けない会社というのは、インタビューをしていると、
「とにかく早く採用できる方法はないのか?」
「どの求人媒体からなら早く採用できるか」
といった、「求職者」「人」に対しての思いや視点ではなく、自社の結果のみを気にされる傾向にありました。そのため、会社に入ったらどんな仕事を、どんなスキルの人に、どんなスタンスで取り組んで欲しいのかといった気持ちが薄く、一方で自社のプロジェクトやサービスの開発のみに目が向いている傾向でした。
そんな企業では自分も働きたくないな、と感じました。
一方で、インタビューをしながら、このポジションに入社したら、この仕事をこんなスキルを持って、こんなスタンスで取り組んでもらいたい、そしてその結果として入社した仲間にもこんな充実感を得られるにしたいというところまで具体的に語れる企業の担当者と話していると求人票書く側の筆も進みました。
社内のエンジニアが「採用」「人」にコミットしていない
2つ目に求人票を書けていない会社というのは、社内のエンジニアが「採用」「人」にコミットしていない可能性が高いです。
どの職種もですが、特に「エンジニア」や「マーケター」、「経理」といった専門的な職種の求人票は、人事だけで書くことが難しい職種です。仕事内容や求めるスキルを正確に書くためには、専門職の知識そのものが必要です。つまり経営者や人事だけではなく、専門職の協力体制がないと書けないのです。
ちなみに、今回、「Findy Tech企業トップ100+」の40社をまわる中で、共通していたのが「エンジニア」の採用コミットメントの高さです。実際に、営業目的で「Findy Tech企業トップ100+」をまわったのですが、ほぼ7割で「エンジニアの現場責任者」や「CTO」、「エンジニア出身の人事担当者」が同席されていました。
「エンジニア」と「人事・他部門」とのコミュニケーションが希薄
3つ目に求人票をしっかり書けていない会社というのは、そもそも「エンジニア」と他部門のコミュニケーションが希薄な可能性があります。2つ目の「エンジニア」が「採用」「人」にコミットしていないと、求人票を書けないと記しましたが、その前提として、気軽にコミュニケーションができない会社ほど、その傾向が強いようです。
実際に、採用について人事の方に相談を受ける際も「うちのエンジニアが採用に協力的ではなくって」と言ったコメントから始まる会社で魅力的な求人票を書けている会社というのはあまり見たことがありません。
ちなみに「Findy Tech企業トップ100+」をまわる中で、エンジニアの方が面談に出てこられない場合でも、「人事」と「エンジニア」の関係性が良い印象で、
「社内のエンジニアからFindyを聞きました」
「うちのエンジニアだとこの辺りが疑問になりそうです。自分たちで採用したい人を探したいと言っているので」
といった、普段からコミュニケーションが充実していることが分かるコメントが多かったです。
また、エンジニアに限らず、専門職の方が転職する際に気にされるのが、「ビジネスサイド」との関係性ですが、人事とのコミュニケーションが希薄な会社でビジネスサイドとはコミュニケーションが充実しているというのはなかなか想像できそうにありません。
以上、いかがでしたでしょうか。もちろん、創業当初のスタートアップなどは、採用活動に手が回っていない事情などもあり、この限りではないですが、おおよその傾向をつかむために求人票を見て、その企業の「採用」や「人」へのコミットメント度数を確認するのは有効な手段と言えると感じております。ちなみに、今回は「エンジニア」を職種の例として挙げていますが、文中で出てくるような他の専門職でも同様のことが言えます。
また、「Findy Tech企業トップ100+」を現状は求人票の解析からだけ見ておりますが、今後は技術力など解析の指標を増やしていきたいと思っております。
最後に告知にはなりますが、エンジニアにとって働きがいのある企業「Findy Tech企業トップ100+」の求人だけを集めたサイト「Findy」を運営しています。ぜひこちらもご活用ください。
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