昨夜、NHKスペシャルで『日本の家族が非常事態!?妻が夫に切れる本当のワケ』という番組をやっていました。
見ました❓
近年、妻からの申し出による離婚が急増しているらしい。最大の理由は「夫が妻の気持ちを理解しない」こと。
どうしてこんなことが起きるのか❓
番組の内容を、私なりにまとめました。
キレる妻が急増
- 年間21万7千組が離婚している。7割が妻からの申し出。理由は「夫が自分の気持ちを理解してくれない」こと。
- 一方、男性からの申し出の理由にも変化がある。離婚事由「妻からの精神的虐待」は、1985年に8位だったものが、2015年には2位となっている。
「共感」に関する男女の違い
共働き夫婦の事例1(佐々木家)
- 妻も自分がキレる理由がわからない
- 共働き。妻は時短勤務。保育園迎えや家事は妻の役目。
- 妻「家事も育児も中途半端という悩み。子どもたちに申し訳ない。もやもやしている」
- 夫が自分の悩みに向かい合ってくれない時にキレる
- 不安に思っていることを夫に受け入れてほしい。共感がほしいという気持ちがある。
脳の情報伝達方法に男女差がある
- ペンシルバニア大学のガー博士は、MRIを使った調査により、脳の情報伝達方向に男女差があることを発見。
- 女性は左右脳の連携が強い=共感しようとする
- 男性は上下方向であり共感が苦手。
- この違いが誤解や衝突を生む。
- 狩猟採集時代の役割分担が、この違いを生んだのではないか(中村克樹京大教授 )
- 先天的な違いだけではなく、個人の経験や学習の影響ももちろんある
- キレる女性が増加しているという背景には、共働きが増えていることが考えられる(共働きで妻のストレス増加)
ネガティブな記憶に関する男女の違い
共働き夫婦の事例2(今井家)
- 夫の浪費癖に怒りがこみ上げる
- 妻にはネガティブな記憶が多いが、夫は覚えていない。
ネガティブな出来事の記憶方法と意味付けに男女差がある
- カリフォルニア大学のケイヒル博士は、男女の扁桃体と海馬の働きの違いを研究
- 扁桃体と海馬は、ネガティブな出来事が記憶され、意味づけられる場所
- 女性は、左脳側の扁桃体・海馬を利用。論理的に意味づけ、詳細に記憶。つまり、ネガティブな記憶をいつまでもおぼえていやすい
- 進化論的には、女性は子どもや自分を守るために、ネガティブなことを憶えやすく進化したのではないか
- 男性は、狩猟での恐怖を克服する必要性があったため、ネガティブなことを忘れやすく進化したのではないか
ホルモンに関する男女の違い
ホルモンバランスに男女差がある
- ペンシルバニア大学のザック博士は、愛情ホルモン(オキシトシン)に着目
- オキシトシンは、母親と子の絆を深める役割があるが、夫婦の愛情形成にも作用する(特に一夫一妻制に移行してから)
- 一方、男性に多いホルモン(テストステロン)は、多くの女性を獲得したいという欲求
- 夫婦関係が円滑にいくためには、オキシトシンを増やし、テストステロンを減らすほうがよい
- しかし、現代はホルモンバランスに変化が見られる。
共働き夫婦の事例3
- イクメンの夫にたいして声を荒げる妻(かなりのキャリアウーマン)
- この夫婦を調査した結果、ホルモンバランスが夫婦間で逆転していた(女性の方がテストステロンが高かった)
- 女性のテストステロンが増えると、夫婦関係に異常を来す恐れ
- 女性のテストステロンが高いほど、男性の満足度が低くなる研究結果がある
- 女性の社会参画が増えたことによりテストステロンが高くなっている可能性(女性の管理職はテストステロンが高い傾向)
- 競争が激しい職場だとテストステロンが増加する傾向
- テストステロンが下がりすぎるとうつやセックスレスの要因に(麻布大学菊水教授)
・オキシトシンを増やす方法
- 向かい合い、手を繋いで話すとオキシトシンが増える(女性は2倍、男性は1.5倍程度上昇)。必ずしも対面でなくてもよい。
- 二人で料理をする(目標に向かって二人で協力する)。時間制限などの軽いストレスを与えるとさらに効率的になる。
- きれいなレストランで食事をし、サプライズの手紙と花束を贈る
- オキシトシンを増やすにも努力が必要
- オキシトシンの分泌を繰り返すと、分泌しやすい体質になる
番組まとめ
- 女性の負担が増えていることを男性は認識すべき
- 男と女は違うことを認識すべき
私の感想
- 脳の機能を進化論的に説明していたけれども、それは何千年も変わらないものなので、近年になって「妻が夫にキレる」理由としては、やはり共働きの増加によるストレスなのではないか。
- 女性の社会進出や管理職化というのはこれからもっと増えるだろう。だから「妻が夫にキレる」というのも、今後増えていくと思う
- その対策が「向かい合い」「手をつなぎ」「きれいなレストランで」「サプライズをする」というのだけでは、ちょっと心もとない
- 夫婦だからといって、共感しあう必要はあるのだろうか(そりゃできるに越したことはないが)
- 向かい合って手を繋いでもわかりあえない場合はどうすればいいのか(共働きの増加はもう止められない)
- 共感してもらう相手を外部化すれば、夫婦の負担は減るので、結果的にはハッピーになるのではないか(これは具体的にはカウンセラーの活用をイメージしている)
どうなっちゃうんだろうね❓これからの夫婦、これからの日本は。