【6月11日 AFP】(更新)英首相官邸は11日、8日投票の総選挙で与党・保守党が過半数割れになったことを受けて、北アイルランドの民主統一党(DUP)と議会での協力に向けた協議を継続していると発表した。テリーザ・メイ(Theresa May)首相の報道官は10日、DUPとの協議で大筋合意に達したと発表していた。

 首相官邸の報道官は11日、近く再開する議会での協力などについてメイ首相が前夜DUPと話し合ったと述べた。DUPはこれまでのところ協議は肯定的に進んでいると明らかにした。保守党は政権維持のためにDUPの10議席が必要となり、DUPに協力を求めていた。

 前日の10日、首相報道官は「DUPが保守党を支持することで大筋合意した」が、連立を組むわけではなくDUPとの緩やかな協力関係だと述べていた。またメイ首相がドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相と電話会談し、英国は「予定通り数週間以内に」欧州連合(EU)からの離脱交渉を開始すると確認したと発表していた。EUの首脳らが示していた英総選挙での保守党の「大敗」が離脱交渉に影響するのではないかという懸念を払拭(ふっしょく)した形だ。

■高まる首相辞任求める声 

 総選挙の結果を受けて、首相の引責辞任を求める声も高まっている。11日の英各紙はメイ首相に厳しい論調を展開。高級紙オブザーバー(Observer)は「信用失墜、屈辱的、衰退。テリーザ・メイは彼女の党と彼女の国、そして欧州に対して信用と影響力を失った」と書いた。

 大衆紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)は、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)外相がメイ首相の追い落としに動き出したと報道。サンデー・タイムズ(Sunday Times)は、5人の閣僚がジョンソン外相を後押ししていると報じた。

 ジョンソン氏はこれらの報道を「たわ言」だと一蹴し、「私はテリーザ・メイを支持している」と述べた。(c)AFP/Alice RITCHIE