大企業からベンチャー企業へ転職することは人生における大きな決断だ。大企業からベンチャーに転職を検討している友人がいたので、私と新卒(メガ)ベンチャーに就職した友人とで議論になった。ベンチャー転職について再度考え直したい。
- 不可逆な転職は避けよ
- ベンチャー転職したら後悔しちゃった
- 女性におすすめしたいベンチャー転職
- ストックオプションに関して
- ベンチャー企業転職の面接は優等生が評価されるわけではない
- ベンチャー企業に転職のメリット/デメリット
- 知人づてで転職する場合の注意点
- ベンチャー転職におけるエージェント選びは慎重に
- 必ず転職サイトに登録してベンチャー転職について知ろう
- ベンチャー転職後にははしごを用意しておこう
- ベンチャー転職はおすすめしたい
不可逆な転職は避けよ
まずベンチャー転職を考えるうえで不可逆な転職を避けてほしい。コンサルティング業界や投資銀行業界から転職する場合は可逆だ。
スキルが評価し流動性の高い業界なのでベンチャーでの期間が短ければ基本的には元からいた業界に戻れる。彼らはプロフェッショナルファームと呼ばれる組織でポータブルスキルを身に着けている。
しかし、総合商社や(大手)広告代理店、大手損保、大手不動産ディベロッパーの場合、基本的に出戻りや同じ業界に戻れる確率はかなり低い。そのため、ベンチャーに転職することは不可逆な移動になる。
総合商社や広告代理店は新卒至上主義で近年は変わりつつあるものの新卒から入って、定年まで勤める会社だ。
よって、一回転職をしてしまうことが大きなリスクとなる。大手にいて使い物にならないことがリスクとうまいトークを考える人もいるものだが、ベンチャーの転職も同様、もしくはそれ以上のリスクがある。確率を考えたときに大手企業が倒産することはそうそうないだろう。
これまでの歴史を見ても山一證券や、日本興業銀行といったクラスの倒産、廃業は数えるほどだ。東芝やシャープは買収されることや事業売却があっても日本の法制度状会社にしがみつこうとしたら最低限の給与は保証されるはずだ。私自身は遭遇したことがないため伝聞の話で恐縮なのだが、会社に何もせず一日中yahooを使ったネットサーフィンをしている40代、50代たちがいるそうだ(Googleを使っていない点も興味深い)。
クビにできないため出社退社を何千回も繰り返し給与だけをむさぼっているのだ。先日、某大手企業の友人と彼の会社に所属する1円もお金を生み出さず何もしていないいわゆる窓際族による損失について議論したら人件費だけで年間30億程度発生しているとの試算になった。
よって、会社にしがみつこうと思えばなんとかなるのが今のところの日本なのだ。
ベンチャー転職したら後悔しちゃった
ベンチャーに転職したら後悔した人の話を耳にする。多くの場合は事前の調査が足りなかったことに起因する。
年収ダウンは当たり前のことなのだが、それ以上に仕事面でのダウンが予想外で後悔が発生する。年収ダウンが当たり前ではないという論調があるが福利厚生を考えたときにどうかんがえても年収ダウンだ。
額面だけの議論で年収ダウンしていないと話すのはどこか違和感がある。仕事面でのダウンとは何のことかというと、予想していたベンチャーの業務内容と実際すべきことの業務のジレンマになやまされる。
例えばであるが、経費精算や、会社の掃除、秘書による会議室の予約といった大企業では当たり前にあることがベンチャーにはない。簡単な調査や打ち込みも自分でする必要がでてきて、とにかく面倒だなと感じることが多いようだ。
ベンチャーは泥臭いことばかりという言葉の真意を聞かずに妄想だけが膨らみベンチャーでは自分で意思決定でき、ビジネスをコントロールできると勘違いしたうえで入社した人は悲惨だ。
大企業内でペコペコするか、ベンチャーに入って大企業相手にペコペコするかなので結局ペコペコするのは必要となる。
なお、BtoCモデル、もしくはCtoCモデルで完全にユーザーからだけお金を得ることができる場合は大企業相手に頭を下げる必要はない。
大企業に頭を下げることについて書いてしまったがこの点は転職において本質ではないのでメモ程度に認識しておいてほしい。ベンチャーにおいては大企業と提携や受注できることはこのうえなく面白いのだ。
女性におすすめしたいベンチャー転職
先日、20代後半の女性と話したときに女性にはベンチャー転職をおすすめしたいといっていた。ポジショントークになってしまうが、旦那が大手の通信会社につとめているため、安定して給与がはいるため自分はリスクをとってベンチャーにチャレンジできるといっていた。
仮に旦那が安定した収益がある場合は、裁量権が高く自由にやれるベンチャーに転職してのびのびと働ける。
残念ながら日本の大手企業の40代以上の世代は男女平等参画社会の概念がかなり希薄で、うまく仕事上で接することができず女性部下を扱えない人が少なくない。(男尊女卑というのではなく単に接し方を知らない。本来接し方は男女で違わないはずだとも思うがこの議論は別の回にしたいと思う。)
ベンチャー企業は若手も多く、男女関係なく一生懸命働き会社も自分自身も急成長する必要があるため男女といった性差が問題になることは少ない。
現在の若い世代は、総合職に女性がいるのが当たり前なので働くうえで困ることはない。証券会社や銀行における総合職女性社員1号といった時代でなくなったことは非常によいことではないだろうか。
ストックオプションに関して
ストックオプションが欲しいという人が転職時には少なくない。すでに上場している場合をのぞくと未上場ベンチャーではストックオプションを強く望むことは辞めておいたほうがよい。
金目当てと思われると企業側としてもやっかいなので扱いにくくなる。そのためストックオプションというのは後のほうでやんわりと聞いてほしい。給与に関してはしっかりと話すべきだがストックオプションに関しては話が別だということを認識してほしい。
ベンチャー企業転職の面接は優等生が評価されるわけではない
転職の面接においては優等生タイプがいいとは限らない。イケイケどんどんの営業会社であったら優等生だと社風にあわないと思われるだろう。管理部門の人を採用したい場合は別だろうが。
基本的に、優等生を演じる必要はなく、自分の個性をしっかりと出すようにつとめるといい。自分の個性を出せるところがベンチャー企業のよいところなので遠慮はいらない。ありのままでいこう。
ベンチャー企業に転職のメリット/デメリット
ベンチャー企業への転職のメリットデメリットについて箇条書きしておく。思いついたら追記する。一般的な話なので会社によって違うことを覚えておこう。逆にデメリットの部分を解消している部分があったら素晴らしい企業だと思ったほうがいい。
メリット
■裁量権が増える
■管理職になりやすい
■働き方の自由度が高まる
■成長の機会が多い
■会社がとんでもない勢いで成長している
デメリット
■給与が下がる
■福利厚生がない
■合コンでもてなくなる
■銀行からお金が借りにくくなる
■家が借りにくくなる
■労働時間が増える
■親が心配する
知人づてで転職する場合の注意点
友人や知人、先輩の紹介でベンチャー企業に転職する人は少なくない。その場合も必ず比較をしてから転職を決断をしてほしい。
おそらく大手からベンチャーに転職する人の場合は、なかなかベンチャー業界、さらには、その企業が取り組んでいる事業領域の競合がわからないだろう。外部に聞いてその会社や経営者が大丈夫かを聞いてほしい。
入ってみたら、隠れてアダルト事業をしていてそれが収益源だった、入社してから反社会企業だとわかった、起業家がうたっていた技術はまったくのでたらめだったという事例は数えきれないほどある。
アメリカのシリコンバレーですらセラノスという会社に投資家が騙されたという事件が近年も起こった。
よって転職を心に決めても外部の意見を聞くことは大事なので転職エージェントや転職サイトを活用することは忘れないでほしい。
ベンチャー転職におけるエージェント選びは慎重に
ベンチャー業界をとりあつかっている転職エージェントは慎重にしてほしい。なぜならベンチャー界隈でぐるぐる回る人は転職を決めやすいので参入障壁も低いのだ。
そのためベンチャー界隈に強い転職エージェントの実態をしっかりとつかんでほしいと思う。 あってみて話があう転職エージェントがいい。
大手のリクルートエージェントにいったん行ってみてベンチャーの概要を知ろう。細かい企業レベルではほかにおすすめがあるのだが、マクロレベルでのトレンドをつかんでいるのがここなので話を聞くとよい。大手とベンチャーの対比ができる。
必ず転職サイトに登録してベンチャー転職について知ろう
転職サイトは必ず使おう。成長著しいベンチャーは【BIZREACH(ビズリーチ)】を多く使っている。
よって【BIZREACH(ビズリーチ)】に登録してスカウトをまっているだけでベンチャーの情報がたくさん入ってくる。そのなかからめぼしい企業や転職エージェントに会ってみるとよいだろう。
ベンチャー転職後にははしごを用意しておこう
ベンチャーはリスクも高いので大手からは基本的にいかなくていいが、行きたい理由があるときははしごを用意してほしい。もし転職失敗したときにほかにいけそうなところがあるか。
現状、一回転職した後に大手企業に戻れそうなところがあるかなどだ。こういった点は、リクルートエージェントが強いので話を聞くとよい。DODA もベンチャーが強いので登録してみてほしい。はしごがあれば安心だろう。
ベンチャー転職はおすすめしたい
最終的に、意欲がありベンチャーでチャレンジしたい人にとってはベンチャーはおすすめなので転職してほしい。
ただ、そういったマインドを持っている人は全体の中でも少ない部類なので、自分はどっちのほうなのか考えてほしい。
大手でも十分に活躍できることだけ覚えておいてください。迷ったらまずは転職サイトの【BIZREACH(ビズリーチ)】やリクナビNEXT
で眺めてから考えるとよいでしょう。今日は以上だ。