大津いじめ事件に関する調査報告書が出されました。これを読むと、いかにスクールカウンセラーという存在が危険性をはらむものかがよくわかります。
大津市のHPでは報告書の全文が掲載されていませんが、全文(一部黒塗り)が見られるページがありました。
追記:
↑この動画の14:00あたりからご覧下さい。検証委員会の一人がこの信じ難い実態を語っています。
スクールカウンセラーは、「こころの専門家」などと称され、1995年あたりから突如教育界に侵入しました。その当時、この危険性に気付いている人々はごく少数であり、それ以外の人々は「こころの専門家」という肩書きにすっかりと騙されていました。
社会臨床学会は、早くから臨床心理学の技術の危険性に気付いていました。カウンセリングという技術は、管理側の問題を個人の内面の問題へと転嫁させることで不当な管理の技術になり得るということです。スクールカウンセラーの存在についても、子どものために導入するという見せかけの裏にある危険性をいち早く見抜いていました。
私自身は、スクールカウンセラーが精神科への安易な橋渡しになる危険性を指摘してきました。
そのどちらについても、世間からは全く同意が得られませんでした。残念なことに、スクールカウンセラー導入とは、まさに日本のお役所仕事にぴったりな事業だったからです。
お役所は、何か対策をしておく「ふり」をする必要があるのです。問題が生じた場合、事前に何もしていないことが発覚すると各方面から責められるからです。いじめ、不登校、校内暴力・・・教育現場で蔓延する問題に対処していることを示すパフォーマンスとなるのが、まさにこのスクールカウンセラー導入というものです。
問題は、目的や熱意がなくても、パターンだけで動けてしまうことです。彼らはそれがどのような結果になるのかについて知りません。責任も持ちません。決められたことをやったことのみが重要なのです。
これらは、自殺対策やメンタルヘルス対策にも見られることです。専門家につなげるという体制を作ることが第一の目的となっているのです。彼らは、つなぐ先の専門家がどのようなずさんな治療をしているのか関心がありません。それが却って自殺やメンタルの問題を引き起こしていると知っても、それを止めようとはしません。
さて、スクールカウンセラーが本格的に教育現場に侵入するようになり、上記二つの懸念はまさにその通りとなりました。精神科につなげるという問題は以前からはっきりしていましたが、今回スクールカウンセラーが学校の手下となって問題を隠蔽し、あまつさえ責任を被害者側に転嫁させている構図がはっきりしました。
この構図は、精神医療現場でよく見られる構図そのものです。職場に問題があっても、学校に問題があっても、家族に問題があっても、精神科医は当人の脳に問題があるとします。改善されるべき問題(=原因)は完全に無視され、それによって被害を受けている人々を責めるのです。しかも徹底的に。脳に問題がある、認知に歪みがある、発達に問題があると評価し、理不尽に対する正当な怒りや反応を「病気」「障害」とし、心身に強いダメージを与える薬剤やショック療法で麻痺させるのです。
そして、さらに見過ごすことのできない事実は、行政に広がる無責任な「発達障害」概念が彼を追い詰めたという事実です。この事件の背景に、こんなやりとりがあったとはつい最近まで知りませんでした。
http://matome.naver.jp/odai/2134689219664078601 ただでさえ孤立無援だった彼。理不尽ないじめに耐え、誰にも相談できずに追い詰められた状態で、今度は病気扱いされたのです。行政(おそらく児童相談所か家庭支援センター)の不要な一言が、どれだけ彼を苦しめたことでしょうか。 もう本当にやめませんか?本当の原因を調べようともせず、不用意に精神障害や発達障害の疑いをかけるという風潮は。問題行動の背景には、必ず原因があります。教育現場で大流行りの発達障害探し(=魔女狩り)は、原因から目をそむけさせるばかりか、当人を理不尽に追い詰めるだけです。
報告書では、スクールカウンセラーの対応の問題を指摘はしたものの、スクールカウンセラーを「心の専門家」とする姿勢は変わりません。その幻想にとらわれ、結局スクールカウンセラーを増員させることを解決策としています。
自殺対策に必要な人材とは、その人が抱える問題(多くは経済的問題)に対して、適切に対応できるところにつなげる役割を持った人です。何でもかんでも精神的な問題として診断・投薬をする精神科医ではありません。同様に、何でも心の問題に転嫁するスクールカウンセラーを増やしてどうするつもりでしょうか。
今のところ、教育現場の二大癌は「スクールカウンセラー」と「発達障害探し」です。それ以上に恐ろしい、学校への精神科医配置も始まっています。
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この記事に
こんにちは
スクール・カウンセラーの対応には自ずから限界が有ります。受傷者の重症度・軽症度を仕分けるトリアージュじゃ
無いけれど、結局は力不足で精神科に放り投げる
だけですからね。後は、生徒は可哀想に薬漬けに
されて「廃人」への道をひた走り・・・・無責任路線
をまっしぐら有害無益の存在です。
教師は煩わしさから解放されたい一心から、責任
放棄の連鎖が始まりますよね。
行政も百害有って一利無しの施策で責任回避をす
るばかりで、問題を常に問題児童とその家庭に
帰結せしめ、自分には関り無き事と・・・・・。
転載します。ポチです。
2013/2/7(木) 午後 3:52
返信する
このブログを送りつけてやりたい医師がいますよ。
精神科医は学校に来るな!子供をつぶすな!
2013/2/7(木) 午後 5:37 [ - ] 返信する
その教育評論家も私の認識ではカウンセリング自体は推進しているし児童相談所に通報を促すCMにも出演しています。
2013/2/7(木) 午後 7:47 [ vit**in_150* ] 返信する
無知な保護者として、スクールカウンセラーを無条件で信用していました。転載させていただきます。
2013/2/7(木) 午後 8:45 [ W&S ] 返信する
子どもを不登校にさせた原因は子育て
経験を持って分かります。
転載させていただきます。
2013/2/7(木) 午後 9:26 [ サンリッチ ] 返信する
精神科医の子供への向精神薬処方は禁止すべきです。
2013/2/7(木) 午後 11:38 [ - ] 返信する
泣けてくるほど同意しています。ブログいつも応援してます。
2013/2/9(土) 午後 7:38 [ デタラメ ] 返信する
精神医療被害連絡会関連リンクからここにたどり着きました。関西で15年ほど教育臨床に従事、現在週に3校公立中学スクールカウンセラーとして働く者です。ブログ趣旨に強く賛同いたします。しかしながら、その姿勢を表に出して頑張ると必ず排除されます(多々経験済み)ので、実態的臨床実践と組織対応(報告内容改変等)とを使い分けざるを得ません。ささやかなりとも改革を目指すなり、個人の力で可能な限りのカウンターバランスとなるべく努めるには、あくまでも組織の中に入り込んでいなくてはならないからです。
2013/3/15(金) 午前 6:16 [ mi*mian_mer*lin ] 返信する
ブログ主の友人です。
mi*mian_mer*lin さん、こんにちは。
業界の中にいるのに、このブログ記事を読み理解し
なんとかしなければと思えること、すばらしいです。
姿勢を表に出してがんばると排除される状況
非常によく分かります。
なるべく精神医療に荷担しないようにして
ですが、余計な事いって目立って排除されないようにしつつ力をつけて、
排除されないくらいなポジションになってから
主張していくのが上手なやり方だと思います。
2013/3/17(日) 午前 10:24 [ satoshi_3210 ] 返信する
あなたのような方が存在し、そして、
仲間を増やしていって、子供達を助けられるようにしていってください。
スクールカウンセラー個人個人の方は善意であり
思想はとても正しいものであっても
精神医学という非人道的な仕組みに組み込まれる事によって
実態は危険なものになってしまいます。
いまや精神医療は子供達を薬漬けにするために教育分野に全面的に入り込もうとしています。
気がつく人を増やしていってください。
また、たとえ排除され、職を失い傷つこうとも
人生で正しいことを主張するということは大事な事です。
他の似たような立場の方に勇気を与えてくださるコメント、
大変ありがとうございます。
2013/3/17(日) 午前 10:24 [ satoshi_3210 ] 返信する
カウンセリングの勉強をしていたころ、カウンセラーの地位が低く
精神医学者と対等になるべく、河合隼雄先生が臨床心理士の国家資格を目指しておられましたが、薬を出せるかどうかで違いがある世界
という意味がよくわかりませんでした。
そして薬も新薬が出て副作用も少なくなっているという話も聞いたり(精神医学者だったのかは覚えていません)、難しいクライエントを
抱え込まず、精神科に繋げることも必要だと言われていました。
DSMを習った頃、どんどん病名が増えていき項目をチェックしながら思ったことは、誰でも少なからずどこかに当てはまるということでした。
いくつ以上当てはまったらというアンケート表のようで釈然としない
モヤモヤをその時感じていました。
私が学んだところも、今では結構薬害問題を取り上げるようになっています。
2013/3/25(月) 午後 4:14 [ kam*rin*5*9 ] 返信する
ブログを読ませていただきました。
結論から言うと物事の一部を見てその全体を決めつけるのはよくないということです。
私は高校時代、スクールカウンセラーに話を聞いてもらっていました。その方はとても親身になって話を聞いてくれました。ただそれだけですがどんなに救われたことか。今生きているのはあの方のおかげといっても過言はありません。 確かにこの大津の学校のカウンセラーはひどい人でそのせいで傷つく人がいるのかもしれません。 だけど違う所では私みたいに救われてる人もいるのです。 どの分野でもそうですが物事の一部を見ただけでその全てを否定してしまうのはとても悲しいし残念なことだと思います。
2016/1/3(日) 午前 0:34 [ mvs***** ] 返信する
スクールカウンセラーに関して言えば、個々の生徒とカウンセラー次第で良し悪しが分かれると思います。
近年、発達障害だのADHDだのやたらに病名を付け医療に結び付ける傾向が高いと感じでおります。
少々、落ち着きのない子、浮き沈みが激しい子、周りに馴染めない子… 多かれ少なかれ昔からそんな子は何処にもいましたよね。 今や、他の生徒とはちょっと変わっていると言うだけで 発達の問題、脳の問題だのとやたらに精神科に結び付け検査し数値にして◯◯のような特性があるなどと
機械的に統計分析し薬を処方する。
精神科はドル箱ですからね…!
経済ヤクザが裏経営している精神科も私はよく知っています。
大して問題ない子供にも薬を出したりする精神科もあるぐらいです。
又、その精神科を頼る教員や親ももっと勉強しないとなりません。
診断し病名をつけてもらい医療に結び付けることで、病気だから〜しょうがないみたいな感じで何か逃げている大人がいる事も事実です。
2016/5/7(土) 午後 2:32 [ yos***** ] 返信する
スクールカウンセラーが専門家の意見ですよ〜と称して、現場の教員を洗脳して、ほっとくと大変な事になってお子さんが可哀想という、親の弱い部分をくすぐる言葉で検査機関に送り込んで行きます。子供が通う学校で、何人も苦しんだ親御さんがいます。
2016/5/13(金) 午前 11:59 [ reira kan ] 返信する