虚弱体質の女性が倒れ、緊急のオペをやる事になったドクターα。
手術室にてー
女医「患者は虚弱体質よ。普通だと手術は無理」
助手「じゃあ、どうするんですか」
女医「手術のために最新の機材を用意したの」
女医はよく、手術の機材をアマゾンで探している。
今日はこちら。
「アンパンマン 元気100倍 クリニック」という商品。
ちなみに女医は「元気100倍」の字しか目に入りませんでした。
女医「起動してみて」
助手がスイッチを入れます。
すると、
「元気100倍!アンパンマン!」
人形がしゃべり出します。
クリニックの方のスイッチも入れます。
「ピッ!ピッ!ピッ!」と心拍数を模した電子音が流れます。
これは、
元気が100倍だから手術も大丈夫という発想です。
女医「さあ!手術を始めるわよ!」
助手「はい!」
人形「元気100倍!アンパンマン!」
女医「じゃあ、ここ。切開して!」
助手「はい!」
人形「元気100倍!アンパンマン!」
女医「その人形!うるさいわ!」
ごもっともです。
他にも苦情が入ります。
クリニックの「ピッ!ピッ!ピッ!」という音が
患者の心拍音と被り、紛らわしいと。
仕方なく、クリニックは手術室の隅っこへ。
しかし、ここで問題が!
人形のスイッチが壊れ、電源が切れない!
人形「元気100倍!アンパンマン!」
その後もまるで呪いの人形の如くしゃべり続けます。
仕方ないので無視して手術を続けます。
その後も 手術は順調に進んでいきましたが・・・
その時でした!
女医「何よ・・・これ!!」
巨大な腫瘍が現われました。
しかも、
問題なのは腫瘍に複雑に絡まった大きな血管。
下手をすれば、大出血=死は確実。
手術をガラス越しに見ていた院長も 叫びます。
院長「すぐ手術を中止しろ!失敗したら大問題だ!」
しかし、女医は院長を睨みながら言った。
女医「私、あんまり失敗しないので」
名ゼリフ、決まりました!
が!
女医「ヘックション!」
サクッ!
腫瘍の一番ヤバイ所にメスが深々と刺さりました!
一同「え!?」
シーンと静まり返る手術室。
噴水のような大出血。
まだしゃべる人形
「元気100倍!アンパンマン!」
「あー!この人死んだ!」誰もがそう思った。
と、その時!
「ピッ!ピッ!ピッ!…」
女医「みんな!聞いて!」
耳を澄ますと心拍数のような音が病室の隅から聞こえる!
女医「まだ生きてる!みんな!あきらめないで!」
手術室に再びやる気が戻ります!
すると!奇跡が!
女医「見て!出血が止まりかけてる!」
一同「おー!」
もう出尽くしたという発想は一切ない!
すると助手も、
助手「血圧の反応は全くありませんが、
心拍音!非常に安定!」
女医「OK!みんな!縫合急いで!」
「終わりよければすべてよし」という雰囲気で
みんなで急いで縫合します。
血管、内臓、切開部分、
無事に全ての縫合が終わりました。
そして、
いつものように患者の肩に手を置き、一言。
女医「あんた、よくがんばったね」
そうすると何故か、
手術は無事に終わった雰囲気で満たされます。
ですが、
患者は少し冷たくなっています。
女医「じゃあ、あとお願いね」
いつもより足早に去って行く女医。
片づけを始めるスタッフ。
そこへ、
助手「あれ?人形が見当たりませんよ?」
(お腹の中から)
「元気100倍!アンパンマン!」
完
あとがき。
その後「やっぱり死んでた」と気付かれるまで数時間かかりました。
あとがきのあとがき。
ドクターαをシリーズ化しようと思った一発目で、スベった感が半端なかったので
がんばって書き直しました。多少はマシになったかな。うーん。どうでしょ。
EDは昨日と同じ「superfly」さんで「99」
本記事中の女医のイメージが伝われば、より場面を想像し易いかと。