伊豆大島で野生の「キョン」増加 都が駆除強化へ

伊豆大島で野生の「キョン」増加 都が駆除強化へ
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東京の伊豆大島で、シカ科の特定外来生物「キョン」が野生化して増加し、島の特産物であるアシタバなどを食べる被害が広がっていることから、東京都は駆除に力を入れることにしています。
キョンは、中国南東部などに生息するシカ科の特定外来生物です。伊豆大島では島にある公園で飼育されていましたが、昭和45年の台風の接近により壊れた柵の間から10数匹が逃げ出して野生化し、その後、増加したということです。

都によりますと、現在、島におよそ1万3000匹が生息しているものと見られ、およそ8000人の島の人口を大きく上回っています。増加とともに島の特産物であるアシタバやツバキを食べる被害が広がり、都は業者に委託して、昨年度2000匹余りを捕獲するなど駆除を続けていますが、農作物への被害は収まる気配はないということです。

このため都は、ことし秋をめどに新たに業者や町民などからなる捕獲チームをつくり、キョンの駆除に力を入れることになりました。東京都は「生息数が増加傾向にあるのでゼロに向けて努力したい。また、これを機に、特定外来生物の扱いなどに一層気をつけたい」話しています。