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三重の「帰属問題」 カール販売中止で再燃 

 三重県は中部か近畿か−。明治(東京)のスナック菓子「カール」が8月生産分を最後に東日本で販売中止になる余波で、三重県の「帰属問題」が再燃している。販売中止となる中部地方に分類されて嘆く県民の間では、県内で展開する関西系スーパーでの販売を期待する声も。「カール・ショック」という思わぬ形で、三重のあいまいな「立ち位置」に再び注目が集まっている。

 販売中止が発表された後の今月上旬、津市のスーパー「マルヤス 山手通り店」では棚からカールが消えていた。店長の柴田真利さん(43)は「中年男性に人気で、品薄が続いている」と話す。

 明治によると、1968年発売のカールは近年、売り上げが低迷。経営効率化のため、生産拠点を四国の松山工場(松山市)に限定し、東日本でカールの販売をやめる方針を決めた。

 「和歌山県に本社があるのだから、隣の三重県でもカールを売って」

 スーパー「オークワ」(和歌山市)本社には三重県民からこんなメールの問い合わせが続いている。オークワは近畿地方が地盤だが、三重を中心に愛知、岐阜にも出店し、中部地方でも存在感を示す。だが、広報担当者は「明治の方針を尊重し、三重県では販売しない」。

 「三重は近畿地方では」。ツイッターでも、三重での販売中止を嘆く投稿が目立つ。「明治が三重県を中部地方として扱ったのは少し意外でした」。社会風刺の効いた架空話を紹介するサイト「虚構新聞」を運営するUKさん(37)は、取材にメールで回答した。

 本業は滋賀県内の塾講師というUKさん。滋賀県民にとって、隣県の三重は「滋賀と同じ近畿地方」との意識があり、中部にも近畿にも分類される三重県の立ち位置に興味を持ったという。加計学園の獣医学部新設計画を巡る問題を皮肉って、架空の記事「三重県、『カール特区』申請へ」を発表すると、アクセスが集中した。

 三重県が中部か近畿のどちらに属するのかはあいまいだ。警察庁では中部管区警察局に分類されるが、林野庁では近畿中国森林管理局に入る。知事は、中部圏知事会と近畿ブロック知事会の両方に属している。

 県はホームページでこの問題に言及し、教科書や辞書での分類にも違いがあるが、統一的な基準はないと説明。「三重県は、中部地方にも近畿地方にも属していると考えています」と結論付けている。

(中日新聞)

東日本でのカール販売中止の余波で、スーパーの売り場は品薄状態が続く=津市鳥居町のマルヤス山手通り店で

東日本でのカール販売中止の余波で、スーパーの売り場は品薄状態が続く=津市鳥居町のマルヤス山手通り店で

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