生前葬に参列したことはありますか?生前葬とは自らの生があるうちに縁のある人やお世話になった人を招いて、お別れと礼を述べるために行なう人が多いのだそうです。
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この物語を読むきっかけになったのは、大好きな、かこさんがお勧めしていたからです。彼女のブログに描かれる力強い絵に感銘を受け、彼女の人生が作り出す文章が、あまりに魅力的で、彼女にブログに出会った時は、久々に「とりこ」という文字がピッタリ当てはまる出会いでした。
その彼女が「魅力的な物語でした。」というんですから、読まずにはいられません。
お勧めです!魅力的な物語でした。
— KAKO (@isinnkodesu) 2017年6月9日
是非ぜひ読んでみてあげて下さいね~
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さて、この物語は「生前葬」を行うので、集まってほしいと言われ、向かう飛行機の中で、これまでの人生の回想を描いたものでした。
生前葬の主役になるのは人間ではなく「五厘クラブ」そのもの。一見、オリンピックかい!と突っ込みたくなる響きですが、最初この文字をみたときは、たぬき?と読み間違ってしまい、五匹のタヌキの物語かな?と。いやいや、狸はケモノヘンだな。と思いなおしたものです。
Amazonの内容紹介には
「五厘クラブがこの世に存在していた証に、生前葬をする」 リーダーの提案で、クラブ発足二十周年の会合で行われることになった生前葬に参加するため、オレはカナダから日本に戻る飛行機の中にいた。
同じ団地に住む四人組、通称「オリジナルフォー」から始まった五厘クラブ。 ファミコン、ひょうきん族、ゴムボール野球で作られていた日常の黄金比が、メンバーの一人であるイシハラの引っ越しをきっかけにして崩れ始める。
フランスパンを自転車の前カゴに突き立て、疾走していったイシハラの母親。 漫画のように、ケイゴの口から吹き出された豚キムチラーメン。 調理室裏でツヨシを囲んだ誉め殺し大名ゲーム。
そして、姉の存在から広がった影。 葬儀で担当することになり作成した五厘クラブの年表を通して、オレはその一つ一つの記憶と向き合うことになる。
この紹介文を読むと、どうやらこの「五厘クラブ」とはロックバントで、そのロックバンドは同じ団地に住む幼馴染で結成されていて、結局、売れることなく、残念ながら解散という事になった話だな、と思い込んで読み始めたわけです。
いい意味で全く予想が外れていました。売れないロックバンドではありません。
それが一体なんなのか、それは読んでからのお楽しみということで、もったいぶることにして、私がこの物語を読み終えて、心に深く残ったことを二つ、お伝えしたいと思います。
主人公が成長していく過程で「イジメ」に遭う場面がありました。彼の心と身体の痛みが、彼の恐怖が生々しく描かれていて、なぜ、周りに言えないのか、言わないのか。
私自身、女子ですからね。モドキであっても、女子なのでね、こういう男子の陰湿なイジメの中身がよくわからないままだったんです。そしてそれが原因で自ら命を絶つ少年の気持ちも、正直ちゃんと理解できないままでした。
学校、行かなきゃよかったのに。正直、そう思っていたのです。
この物語は浅はかな私に、複雑に絡み合った少年の気持ちを、どこまでも膨張していくイジメの恐怖と共に、疑似体験させてくれました。
そして、もうひとつ。主人公が彼女にプロポーズする場面。
ちょっと、ちょっとぉ。かっこよすぎますよ。勘弁してくださいよ。もうね、若干20歳を過ぎた若造のセリフか?ってくらい。感激しちゃったのよ。キュンキュンきたのよ。持ってかれたのよ。もう、メロメロ。
そして、この時に言った言葉を、ちゃんと実践したタカクラはほんまに、いい男である。是非、読んでみてくださいな。
著者の高岡ヨシさんのブログはこちらです。
最後まで、お付き合いくださりありがとうございました。
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