今週のヤングジャンプ、赤坂アカのかぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~がすごく良かったです。
これまであまり注目してはいなくてもまあまあ楽しみながら軽く連載を読んでいたのですが、今週惹かれるものがあったので感想書こうと思いました。
結構長く続いてる気がする白銀御行の生徒会長現職2期を目指す選挙編。
やっと選挙当日の演説会となって、そこで事件が起きました。
第57話 「伊井野ミコを笑わせない」
白銀の選挙のライバルとなるのが最近登場した新キャラ、伊井野ミコ。
例によって美少女ではありますが、融通が利かない超堅物でそのくせ価値観がなんかズレてて性格はまったくかわいくないです。
大雑把に分類してしまうと「主人公達に難癖をつけてくる風紀委員タイプ」で、そのズレた価値観自体がギャグとなっている感じのキャラです。
(風紀委員ではありませんが)
これまでの話で白銀や四宮かぐやに向かって「あなたたちなんかに負けるもんですか!」って感じで散々騒いでしっかりとお膳立てをして場を盛り上げる役目を果たしてきました。
で、負けて「覚えてらっしゃい!」的な負け惜しみを吐いて退散するタイプです。
よくあるパターンなら。
私もなんとなくそう思っていたのですが、それが覆されたのが今週の回でした。
演説会の直前、石上が妙に真剣に「伊井野に徹底的に勝ちたい」と言い出して、別にそこまでしなくてももう開票前から当選確実マークがついてるような圧勝優勢なので白銀たちはなぜその必要があるのかと訝しがります。
ともあれ手を抜く筋合いは元々ないので、藤原、早坂、石上の巧みなサポートを得てかぐやは完璧な応援演説をこなしました。
そして続いて行われた伊井野本人の立候補演説。
伊井野は緊張でまともに発声もできずに醜態を晒します。
彼女は人前で演説するのがとても苦手な子でした。
それは小学校中学校でも繰り返されていて、一度も生徒会長になれなかった彼女は負けるたびに症状が悪化してきたそうです。
演説を聴いている全校生徒からは失笑の声が漏れてきます。
(名門のわりには相変わらずなんか民度低いなあこの学校)
彼女はこれまでも自分の理想とする規律を他人に押し付けようと生徒会長になりたがっていたけど、毎回落選どころか校内では嘲笑の的になっているような女の子でした。
ここでこういう演出するのずるいです。
何週かかけて描写されてきた伊井野ミコの堅物カマセ犬な人物像がひっくり返されました。
お見事です。
一気に伊井野が愛すべきキャラに見えてきました。
(あと私自身も彼女を嘲笑してた人間の一人のような気がしました…)
そして伊井野が笑い者になっていることに怒りを感じているのが石上。
ここも熱いですね。
石上が「伊井野に圧倒的に勝つ」と言ったのは、彼女に恥をかかせたくなく、誰かが誰かをバカにすることをやめさせたいからでした。
石上自身も確か他人からバカにされて苦しんできてた人物でしたっけ。
そんな石上の気持ちを汲んで立ち上がるのが、白銀。
「任せろ 伊井野ミコを笑わせない勝ち方をすればいいんだな?」
これもかっこいいセリフです。
白銀はたまに男を見せます。
今週はなかなか熱い展開ですばらしかったです、かぐや様。
白銀がどんな演説をするのか、次回が楽しみです。
……と思ったら来週は休載!