じっくり読みたいマンガと久しぶりに出合いました。
私は普段、マンガともアニメとも縁のない生活を送っています。
しかしNHKで紹介されていたマンガが少し気になり検索。
思いがけず心に沁み、無料の試し読みを次々と読みすすめました。
深谷かほるさんの「夜廻り猫」。
「泣く子はいねが~」と呼びかけながら街を歩く猫、遠藤。
涙の匂いのするところに駆けつけ、そっと寄り添う。
基本的に遠藤は人の悩みを聞くだけで解決はしない。
見守り、励まし、ともに笑い、呑む。
B5のコピー用紙にサインペンで描かれた8コママンガ。
そこに描かれる悩みのリアルさと遠藤の絶妙なセリフ。
読み終えるたびに心が軽くなり、じんわりと心の奥から温まります。
深谷かほるさんのインタビュー記事も内容が濃く、考えさせられました。
「夜廻り猫」特集、試し読み&深谷かほるインタビュー (1/4)
遠藤の言葉
「もし失敗のない人生だったら視野は広がりようがない」
「努力が報われた幸運な人は得てして狭量」
「不運・理不尽を知る者をこそ友としたいと思いませんか」
これに関して深谷さんは
自分の努力で道を切り開いた人って、
その人にたまたま欠けてるものが少なかったという自覚なしに、
若い人に「結果が出ないなら努力すればいい」とか言いがちじゃないですか。能力がある人は他人に厳しいですよ。
きちんと年を重ねた作者だからこそ出てくる言葉。
「人生上手くいかない人が、簡単に絶望しないために」そっと寄り添うこの作品。
子供に遺書として残したいという方がいるのも納得です。
深谷かほるさんのマンガは絵がキレイで、物語の世界にスッと入れます。
私は絵が描けませんが、デッサンが狂っている絵を見るととても気になってしまい、
ストーリーが頭に入ってきません。
調べてみたら、深谷さんは武蔵野美術大学のデザイン科出身。
やはり。
この本は疲れたとき、悩んだときに読めるように、
いつも身近に置いておこうと思います。