実行より計画だけの方が重罪…共謀罪は犯罪を助長する
安倍政権が、来週の強行成立をもくろむ共謀罪法案。277もの犯罪を対象にしているため、チェックが追いつかなかったのか、現行刑法とつじつまが合っていないものがゴロゴロある。中には、「共謀」つまり計画だけより、実際に犯罪を犯した方が、刑が軽くなる“逆立ち現象”もあるから、ムチャクチャだ。
〈その1〉窃盗罪
2人以上で窃盗を計画し、そのうち1人が準備行為をすれば、窃盗に着手しなくても、共謀罪が成立する。刑の免除はない。ところが、共謀した誰かが窃盗に着手し、自らの意思で中止して未遂に終わった場合はどうか。これは、刑法の「中止犯」という規定が適用される。思いとどまったことへの“特典”として、必ず刑の軽減または免除が受けられる。つまり、計画しただけで犯罪者なのに、計画をさらに進めて実行に移し、中止した方は罪に問われない可能性があるのだ。