英語話者に「英語を覚えろ」と言われても僕はあまり差別っぽくは感じないんですが、海外の野球のニュースでこういうものがありました。
大リーグ・ヤンキースの田中将大投手が6月6日、レッドソックス戦に先発した際、アメリカ国内テレビの野球解説者が田中に対し、「(英語の)野球用語を覚えろ」と苦言を呈した。田中の登板中に投手コーチがマウンドへ向かうとき、通訳者を帯同していたためだが、この解説者の言葉に批判が殺到。解説者は一転、謝罪へ追い込まれた。
試合中の会話でマー君が通訳を使ったら、中継の解説者が「英語を覚えろ」とコメント。それに対して「人種差別ではないか」という批判が殺到ということなんですが、これって差別になるんでしょうか。
全然問題ないような感じもしますが、よくよく考えてみるとオーストラリアにいた2年間で「英語下手だな」とか「もっと勉強しろ」みたいなことを英語話者から言われてことはほぼないです。
Speak English! って言われると確かに差別的な意味合いもあるような気もする。
でもこれって日本人もやってしまいがちですよね。
ジャッキー・ロビンソン―人種差別をのりこえたメジャーリーガー
謝罪をすることに
批判が批判を呼び炎上して、結局この解説者は謝罪することになりました。
I sincerely apologize to those who were offended by my comments during the telecast last night.
— Jerry Remy (RemDawg) (@Jerry_Remy) 2017年6月7日
謝罪ツイートをしたんですが、これあんまり謝ってる感じじゃないんですよね。気分を害した人に謝りますっていう書き方で、謝罪の対象者がよくわかりません。
謝るようなことなのか?
おそらく大事にしないために謝ったのだと思うんですが、そもそもこれって謝罪するほどのことなんでしょうか。
言い方は悪かったんですが、言っている内容は間違っていないようにも思えます。アメリカで仕事をするなら英語を覚えろってことですから。ただ本当に言い方は悪い。
通訳の帯同を禁止しろとかね、それは暴論のように聞こえます。
しかし、ルール上投手コーチがマウンドで投手に指示できるのは30秒だけなんです。30秒だと細かい指示なんてできないし、そこに通訳要るか? 1年目ならまだしも。ってことを言いたかったんだと思います。多分。
ただこれを人種差別だと受け取る人が多数いるというのも事実です。
つまり英語以外を話す選手やファンが昔と比べて飛躍的に増えたと言えます。アメリカのプロ野球だったメジャーリーグが、アメリカだけのものではなくなったということかもしれません。
それから以前は聞こえにくかったマイノリティの声がきちんと届くようになったということ。
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日本人もやってしまいがちじゃないか?
他言語話者を排斥する雰囲気が日本にはあります。飲食店で外国人の店員が拙い日本語で話すと文句を言う人が少なからずいますし、随分減りましたが、外国人の拙い日本語を笑いにするテレビ番組もいまだによくあります。
知らないあいだに自分が差別をしてしまっている可能性はあります。メジャーリーグのようにマイノリティの声が届いていないだけで、日本人の普段祖生活を実は不快に思っているという人もいるかもしれません。
まとめ
「英語を覚えろ」と言われて不快に思う日本人は少ないと思います。と同時に、「日本にいるなら日本語で話せ」と考える日本人は多いのではないでしょうか。僕はどちらかというとそう考えるタイプです。郷に入っては郷に従えという言葉のとおり、そこで生活していくのであれば、現地の言葉を覚える必要性があります。
ただ修得過程にある人に向けて言うべき言葉ではないです。第2言語を完璧に修得できる人は少ないですし、何をもってして修得したといえるかも曖昧です。
これは差別になるかどうかというと結局なんだかよくわかりませんが、なぜ野球の解説者がわざわざ試合中に通訳のことを言及したのかということを考えると、やっぱり差別っぽいニュアンスがあるのかもしれません。おそらく英語以外の言葉で話しているのが気に入らなかったから英語を覚えろという発言をしたのではないかとも考えられます。
考えていくと何が差別で、何が差別でないのかということがどんどんわからなくなってしまいました。ただ日本で働いている外国人に「何言ってるかわからん」とかそういうことを言う人は考えを改めたほうがいいと思います。
ではまた。