8/1にビットコインにとって大きな出来事が予定されていることをご存知でしょうか?
何が起こるかというと、ビットコインが2つに分裂するかもしれません。
どういうことなのか、できるだけ簡単にざっくり説明します。
どうしてこうなったのか
ビットコインは現在、ユーザーの増加などによって増えた送金を捌き切れなくなっており、手数料が低いとなかなか承認されず、結果的に大量の送金が詰まっています。
ビットコインの開発者達は、送金がより早くなるようなアップデート(SegWit/セグウィット)をしようとしていて、その開発はとっくに終わっているので実装(アクティベート)できる段階にあります。
SegWitは、モナーコインやライトコインなどですでにアクティベートされていて、有用性が証明されているものです。
しかし、SegWitをアクティベートするためには95%のマイナー(マイニングする人)が賛成する必要があるのですが、マイナーはずっと反対していて、今まで1年以上アクティベートされませんでした。
反対している理由は、大手マイナーグループが現在使っているチートみたいな手法が使えなくなるからです。
これにしびれを切らした開発者とユーザーは、95%のマイナーが賛成しなくても強制的にSegWitをアクティベートしてしまおうとしています。
これをUASF(User-Activated Soft Fork)といい、8/1に強制執行される予定です。
何が起こるのか
期日である8/1までに、マイナーが折れてSegWitがアクティベートされればいいのですが、このまま8/1になってしまうとビットコインが分裂する可能性があります。
そしてさらに問題なのは完全に2つに分かれるわけではなく、1つになるかもしれないし、2つのままかもしれないということです。
3パターン考えられる
ブロックチェーンには「最も長いチェーンが正しい」という原則があります。これにより色々想定されるリスクを回避しています。
今までのビットコインのブロックチェーン(レガシーチェーン)ではその原則が適用され、UASFで発生した新しいブロックチェーン(BIP148チェーン)のほうが長くなった場合、BIP148チェーンが正しいということで1つになります。
早い段階でこうなるのが1番丸く収まる結果です。
しかし、BIP148チェーンはSegWitをアクティベートしていないブロックは無視するということになっているので、BIP148チェーンのほうが短くてもそのまま存在し続けます。そうなるとビットコインが2つになります。
そして2つのままならまだいい(ETHとETCみたいになる)のですが、その後BIP148チェーンの方が長くなった場合、1番目の結果と同じで長い方が正しいという原則が適用されて1つになります。
そうすると、レガシーチェーンのビットコインで行なっていた取引や送金はなかったことになります。
最後の状態が続くことが1番まずくて、1つになるかもしれないし2つのままかもしれないリスクに晒され続けることになります。
こうなった場合、事態が収束するまで取引・送金しないことが推奨されています。
多少専門用語が出てきますが、こちらのサイトでわかりやすく解説されています。
【技術ブログ】2017/8/1にビットコインに何が起こるのか?BIP-148の意図していることについて | coincheck(コインチェック)
【図説】8月1日にUASFが実行されると、ビットコインに何が起こるのか | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュース
しばらく取引が停止される可能性がある
ビットコインでアルトコインを取引する取引所が大半ですが、もし分裂したらどちらのビットコインで取引するのか決めなければいけません。そのため取引が停止になることが予想されます。
おそらくそれまでには取引所側からなんらかの声明が出ると思いますが、現状はまだ何も出ていないのでわかりません。
対策
8/1に向けて、我々ユーザーができる対策はいくつかあります。
ビットコインをそのままホールド
何もせずビットコインをそのまま持っておく方法です。
その際取引所に置いておくと、「2つに分かれた片方を扱わない」というような判断をする取引所もあるかもしれないので、ウォレットに移しておきましょう。
取引所はウォレットではありません。
ウォレットは秘密鍵を管理できるウォレット(ハードウェアウォレット)が良いです。
また、事態が収束するまで送金しないことも大切です。
理由はこのあと貼り付ける動画で説明されています。
アルトコインに変えておく
第2のビットコインとなるようなコインがあれば、逃避先として暴騰する可能性もあります。
実際に3月の分裂騒動のときにビットコインが暴落した際、イーサリアムが暴騰しました。
今回もイーサリアムが買われるとは限りませんが、他にもビットコインに代わるようなコインにみんなが目をつければ可能性はあります。
法定通貨(フィアット)に変える
ビットコインを売って日本円に変えて逃げるという判断です。
ビットコインもアルトコインも全部暴落すると考えた場合、これを回避する方法です。
「ビットコインが増えて〇〇円含み益がある」など、円建てで計算している人はこの判断をする人が多いかもしれません。
ただ、この行動をとる前に少し考えた方がいいことがあります。
税金のこと考えてますか?
仮想通貨で利益が出て日本円に利益確定した場合、株式投資などと同じく税金がかかります。
株の場合は雑所得として一律20%ですが、仮想通貨はまだ法律が出来ておらず、現時点では所得税と住民税がかかると言われています。
所得税は累進課税ですので利益額によって変わりますが、住民税と合わせるとおおむね30%〜50%の税金がかかる計算です。
フィアットに逃げたとしても、利益の3割〜半分も税金で持って行かれるなら、そのまま持ってた方がよくないですか?
税金を払うとしても法律が整っていない状態なので、税務署や税理士と相談してかなりめんどくさい計算をしないといけないようですし。
ビットコイン自体が消えて無くなるというのは考えられませんし、たとえ暴落したとしても、事態が落ち着けばまた戻ってくる可能性が高いと思われます。
ですので、日本円に変える判断はあまりおすすめではないですね。
分裂するかはまだわからない
現時点ではどうなるかわかりません。
分裂しても良いことはないので、8/1までにマイナーが折れて分裂しないかもしれません。
個人的にはその可能性が高いんじゃないかな、と思っています。
仮に8/1にUASFが行われるとすると、その前後で相場が大きく動く可能性が高いと思われます。
当日や前日の対応では遅いので、事前にどうするか決めて準備しておきましょう。
こちらの動画は1時間程度ありますが、大変参考になりますのでぜひご覧ください。