サラリーマンとして働いていると、つい隣の芝が青く見えてしまって、転職したくなることってありますよね。
でも転職にはリスクが付きものです。いざ入って見たら「入る前のイメージや、入社前の説明と違っていた...」とギャップを感じて、新しい会社にうまく定着できずに早期の退職や再転職に踏み切ってしまう人も少なくありません。
私は、これまで二度転職しているとはいえ、転職した二つの会社はいずれも勤続年数が三年を超えているので、「転職した会社が全く合わずに、定着できなかった...」ということは、なかったのではないかと思います。
そうあれたのは、運もあり考え方をうまく持てた面もあるのですが、ここで私なりに振り返ってみて、転職した会社で定着して長く働けるために大事だと思える、考え方や行動をまとめてみたいと思います。
カルチャーの違いを楽しむ
転職した会社で、まず最初に肌で感じるのは、それまでにいた会社と新しい会社とでの社風や文化の違い、というところだと思います。
「前の会社では目上の人でもさん付けで呼んでいたのが、役職の呼称に変わった」とか「前の会社はおおらかな社風だったけど、今度の会社はちょっと体育会系っぽい」など、転職したばかりのときは、何かにつけて文化の違いが目について戸惑いを感じることが多いのでは。
けれど、それまでの環境を飛び出して、新しい会社に飛び込んだのも自分自身!多少「自分の馴染んだやり方とはちょっと違うな〜」と思うところがあったとしても、海外旅行をしているときのような気分でカルチャーの違いを楽しむ、くらいのスタンスでいたほうが、長続きしやすいのではないでしょうか?
キーマンを見つける
最初に転職した会社で、部署の歓迎会を開いてもらったとき、隣に座った同僚の人に、「この部署のキーマンは誰だと思う?」と質問されたことがありました。
その時はまだ入社したばかりで、周りの人間関係や実力も全然把握できておらず、とんちんかんな答えを返してしまったように思いますが、今思えば、そのような右も左も分からない状態での「人を見る目」を試されていたのかなぁ、とも思います。
実際、新しい会社に入社してとある部署に配属されると、そこにはその部署での業務に精通した「キーマン」が必ず存在します。転職してなるべく早いうちに、そのキーマンと気兼ねなく話したり、一目置いてもらえるような関係を築けると、新しい職場での仕事がぐっとやりやすくなります。
私自身も、最初の転職ではなかなかそこまでうまくできなかったですが、二回目の転職のときには、明らかに業務・技術ともにスペシャリストで、周囲から頼りにされている人が目について、その方がたまたま同じ大学の出身だったこともあって、わりと早い段階で打ち解けることができて、運が良かったなぁと思っています。
自分と会社の実力差を認識する
転職には、ステップアップの転職や少し条件を落とした転職など、さまざまあると思いますが、いずれにしても会社が変わったからには、それまでの自分のやり方と実力で働いていた会社と異なるレベルの場所に身を置くことになります。
その際に早い段階で、新しい会社で求められるレベルと、今の自分の素の実力の間のギャップを認識したうえで、その会社の中で自分がどう生き抜いていくかのスタンスを決められると、新しい会社の中でも安定した精神状態を保ちやすくなると思います。
というのも、私の場合は、最初の会社と二つ目の会社のレベル差が激しくて、最初の転職の直後は、「こりゃエライところに来てもーた。これは三ヶ月も持たないかも...」って思っちゃったんですよね。
それでも「周りの人のレベルが高いから、はじめは自分の評価は平均以下かもしれないけど、ちょっとづつできることを増やして数年単位で徐々に評価を上げていけばいいか」と腹を括ったことで、入社当時の感触よりもずっと長く働くことができたんじゃないかと思います。
見える成果を早めに出して、対内的な評価を得る
新しい会社に転職したときって、転職先の周りの人も「こいつの実力はどんなもんなんだろう?どこまでやってくれるんだろう?」という目で、自分を見ています。
そんなとき、入社してなるべく早い時期に、その会社に入って最初の仕事の成果を目に見える形で周りに示すことができると、「あ、新しく来た人はうまくやってくれそうだな。」と対内的な評価を勝ち取りやすくなると思います。
私の場合は、転職したいずれの会社も、入社してから半年後くらいに最初に関わった製品の発売を控えていたので、まずは「その製品での担当の仕事をキッチリこなして、製品を予定通り世にリリースする!」ことに集中して、それを達成できたことで、新しい会社での居場所ができた気がしてホッとしたことを覚えています。
新しい会社での「二つ目の仕事」を大事にする
とはいえ、新しい会社に入ってすぐの時期って、誰でも「早く転職先に馴染まなければ!」と必死で仕事するので、最初にアサインされた仕事というのは大抵なんとかこなせてしまうものだと思います。
私が実際に転職してみて、転職先で長く働くという観点で感じたことは、一つ目の仕事に区切りがついてその次にやってくる「二つ目の仕事」をいかにこなすかが要である、ということです。
一つ目の仕事から二つ目の仕事を割り当てられる流れは、私のやっている開発のお仕事だと、はじめはステップで一部分の機能を担当して次に全体へ、とか、部署の派生製品を担当した後に主力製品へ、というパターンなどが多いです。
いずれにしても、二つ目の仕事では、転職先の会社で自分の持ち場をどこまで広げられるか、どれだけ全体に貢献できるか、を問われる仕事が多いです。そこで、二つ目の仕事もきちんとうまくこなし切れたら、自身の実感としても周囲の評価的にも、この会社に長くいても大丈夫そうだな、と大分安心感が持ててくると思います。
転職して最初の仕事が落ち着いてひと息つけてきたら、「次の仕事はどんなんかな〜」とか、「次はどの仕事で自分のやれる事を増やしていこうかな〜」と自分なりにイメージしてみるのもいいかもしれませんね!
以上、私の場合はたまたま運に恵まれた面も大きいのに、多少エラそうなことを書いてしまったかも...という節もありますが、自分の経験に照らし合わせて、転職先で長く働くのに大事かなぁ、と思うことを書いてみました。
転職という大きな決断をされて、日々苦労されている方にとって、どれか一つでも参考になれば、幸いに思います!
(前のオフィス近くの某スタバにて)
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