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 タイの首都バンコクの軍事裁判所は9日、フェイスブック(FB)で王室を中傷したなどとして不敬罪に問われた北部チェンマイ県の男性(34)に、禁錮35年の判決を言い渡した。人権団体の記録によると、不敬罪の量刑としてはこれまでで最も重いという。

 人権団体によると、男性はFBに計10回にわたり王室メンバーの写真やメッセージなどを投稿。不敬罪にあたるとして、2015年末に逮捕されていた。

 裁判所はいったん1回につき7年、計70年の禁錮刑を宣告した後、男性が罪を認めたことを理由に量刑を半分に減らしたという。人権団体は、15年に禁錮60年を宣告したうえで30年に減らしたケースを上回り、過去最長だとしている。判決の傍聴は、メディアには認められなかったという。

 タイでは14年のクーデター以降、軍事政権下で不敬罪の取り締まりが強化されており、人権団体によるとクーデター以降の逮捕者は100人を超えている。(バンコク=貝瀬秋彦)