ロックバンド・X JAPANが9日、都内のホテルで緊急記者会見を開き、7月から予定していた日本ツアーを決行することを発表した。5月16日（現地時間）にリーダーのYOSHIKIが米ロサンゼルスの病院で頚椎（けいつい）人工椎間板置換の緊急手術を受け、コンサート活動などについては術後の回復状況を見て判断するとしていた。ライブは初の全編アコースティックバージョンで行われ、YOSHIKIはドラム演奏はせず、ピアノ演奏のみで参加する。

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　会見に登壇したのはメンバー5人のうち、Toshl（Vo）、PATA（G）、HEATH（B）。バンドを代表してToshlは「このたびはYOSHIKIの緊急手術により、ファンの皆様、関係者の皆様にご迷惑ご心配をおかけして申し訳ございませんでした」と陳謝し「今後のコンサートについて、ドクターや関係者の意見も聞きながら、ずっと話し合ってまいりました。その結果、なんとか前向きにやろうということになりました」と報告。「YOSHIKIは手術したばかりでドラムをたたくことができませんので、ピアノで参加します。アコースティックセッションをするという方向でやりたいと思います」と説明した。

　延期も検討されたが、YOSHIKIが「止まることで終わってしまうのではないかと落ち込んでしまう」とし、「目標を持つことが活力、生きる力につながる」と切望。アコースティック形式に変更して決行する決断を下した。Toshlは「YOSHIKIがドラムをたたく通常の形式ではないんですが、今この時期だからできる最高のパフォーマンスですてきな時間を共有したい。初めてやるものですから僕たちもどうなるんだろうとワクワクしながらリハーサル、本番を迎えたいと思います」と意気込みを語った。

　現地の病院でリハビリ中のYOSHIKI（Dr／P）も生電話で登場。手術後初の肉声で、開口一番「Toshl元気？」と呼びかけ、Toshlが「それ、こっちのせりふです」と返して笑わせたが、「ご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っています」と神妙に詫びた。

　YOSHIKIは自身の体調について、ピアノを徐々に弾いているものの、「何万ボルトの電流が走る状態」の痛みがあると説明。歩くことはできるというが、あごから首にかけての感覚がないことも明かし「90％治るのは6ヶ月と言われています。ドラムは今後も叩けるかわからないんですけど、ピアノを演奏させていただいて、ステージに立たせていただいて、次の目標に進んでいきたい」と話した。

　ツアータイトルは『X JAPAN WORLD TOUR 2017 WE ARE X Acoustic Special Miracle〜奇跡の夜〜6DAYS』に変更された。チケットは完売しているが、当初とは趣旨が異なるため、主催のウドー音楽事務所は「希望される方にはチケットの払い戻しをします」と説明した。なお、8〜9月に行われる予定のディナーショーについてYOSHIKIは「発表されている日程は全てこなしたいと思います」と話した。

　激しすぎるドラム演奏で知られるYOSHIKIは、持病の頸椎椎間板ヘルニアの悪化により、約半年前から手や腕に麻痺、強度のしびれなどの症状が表れ、1月の米カーネギーホル公演では既に左手の感覚を失っていたという。精密検査の結果、「頸椎椎間孔狭窄症」（左腕の神経根障害及び椎間板C5-C6の位置に椎間板ヘルニア）と診断され、このままではアーティストとして再起不能になるばかりか、日常生活さえもままならなくなることから、先月16日に緊急手術を受けていた。

■『X JAPAN WORLD TOUR 2017 WE ARE X Acoustic Special Miracle〜奇跡の夜〜6DAYS』
7月11日（火）：大阪・大阪城ホール
7月12日（水）：大阪・大阪城ホール
7月14日（金）：神奈川・横浜アリーナ
7月15日（土）：神奈川・横浜アリーナ
7月16日（日）：神奈川・横浜アリーナ
7月17日（月）：神奈川・横浜アリーナ

■YOSHIKI プレミアムディナーショー『EVENING WITH YOSHIKI 2017』
8月26日（土）：愛知・名古屋マリオットアソシアホテル
8月27日（日）：愛知・名古屋マリオットアソシアホテル
8月28日（火）：大阪・ザ・リッツ・カールトン大阪　ザ・グランド・ボールルーム
8月29日（水）：大阪・ザ・リッツ・カールトン大阪　ザ・グランド・ボールルーム
9月1日（金）：グランドハイアット東京　ボールルーム
9月2日（土）：グランドハイアット東京　ボールルーム

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