木からニョロニョロ その正体は?
木の幹から飛び出たニョロニョロとした物体。虫ではありません。世界自然遺産に登録されている小笠原諸島の母島で撮影されたという写真には、蛇のような、エイリアンのような得たいの知れないものが写っています。もしかしたら大きな発見につながるかもしれない、その正体とは。(ネットワーク報道部 管野彰彦記者)
東京都小笠原支庁が6日、ツイッターに投稿した写真です。
ツイートには「コヤブニッケイの枝から謎のうにょうにょが/ホントこれ何~??誰か教えてください!」と書かれています。
写真を撮影したのは、小笠原諸島の母島(ははじま)で自然保護の活動をしている宮川五葉さん。その時のことを聞きました。
5月28日。同僚とともに島内の特別保護地区の森をパトロールしていた時のこと。これまで何度か通った場所で、生い茂った木々のある幹にふと目を向けると、そこに見たことのないモノが。
「かなり驚きました。最初は虫かキノコかとも思いましたが、図鑑を見ても出ていないので、正体を知りたくてツイートすることにしました」
コヤブニッケイは小笠原諸島の父島と母島の周辺だけに自生する固有種の樹木です。
この木の幹を突き破るように飛び出したニョロニョロの正体はいったい何なのか。
ツイートには「コヤブニッケイの枝から謎のうにょうにょが/ホントこれ何~??誰か教えてください!」と書かれています。
写真を撮影したのは、小笠原諸島の母島(ははじま)で自然保護の活動をしている宮川五葉さん。その時のことを聞きました。
5月28日。同僚とともに島内の特別保護地区の森をパトロールしていた時のこと。これまで何度か通った場所で、生い茂った木々のある幹にふと目を向けると、そこに見たことのないモノが。
「かなり驚きました。最初は虫かキノコかとも思いましたが、図鑑を見ても出ていないので、正体を知りたくてツイートすることにしました」
コヤブニッケイは小笠原諸島の父島と母島の周辺だけに自生する固有種の樹木です。
この木の幹を突き破るように飛び出したニョロニョロの正体はいったい何なのか。
謎のうにょうにょ
東京都小笠原支庁が6日、ツイッターに投稿した写真です。
ツイートには「コヤブニッケイの枝から謎のうにょうにょが/ホントこれ何~??誰か教えてください!」と書かれています。
写真を撮影したのは、小笠原諸島の母島(ははじま)で自然保護の活動をしている宮川五葉さん。その時のことを聞きました。
5月28日。同僚とともに島内の特別保護地区の森をパトロールしていた時のこと。これまで何度か通った場所で、生い茂った木々のある幹にふと目を向けると、そこに見たことのないモノが。
「かなり驚きました。最初は虫かキノコかとも思いましたが、図鑑を見ても出ていないので、正体を知りたくてツイートすることにしました」
コヤブニッケイは小笠原諸島の父島と母島の周辺だけに自生する固有種の樹木です。
この木の幹を突き破るように飛び出したニョロニョロの正体はいったい何なのか。
ツイートには「コヤブニッケイの枝から謎のうにょうにょが/ホントこれ何~??誰か教えてください!」と書かれています。
写真を撮影したのは、小笠原諸島の母島(ははじま)で自然保護の活動をしている宮川五葉さん。その時のことを聞きました。
5月28日。同僚とともに島内の特別保護地区の森をパトロールしていた時のこと。これまで何度か通った場所で、生い茂った木々のある幹にふと目を向けると、そこに見たことのないモノが。
「かなり驚きました。最初は虫かキノコかとも思いましたが、図鑑を見ても出ていないので、正体を知りたくてツイートすることにしました」
コヤブニッケイは小笠原諸島の父島と母島の周辺だけに自生する固有種の樹木です。
この木の幹を突き破るように飛び出したニョロニョロの正体はいったい何なのか。
ヤブニッケイもち病か?
このツイートに反応したのが、菌類の生態などが専門の三重大学生物資源学研究科の白水貴助教です。
ツイッターで「小笠原にヤブニッケイもち病が!?」などと投稿しました。
白水助教によると、「ヤブニッケイもち病」は、「コヤブニッケイ」と同じクスノキ科の「ヤブニッケイ」という木が、菌類に感染して組織が変形する奇病で、鹿の角のような突起が現れるのが特徴です。
こうした突起は「gall(ゴール)」と呼ばれていますが、母島で撮られた写真はその特徴がよく似ていました。
ツイッターで「小笠原にヤブニッケイもち病が!?」などと投稿しました。
白水助教によると、「ヤブニッケイもち病」は、「コヤブニッケイ」と同じクスノキ科の「ヤブニッケイ」という木が、菌類に感染して組織が変形する奇病で、鹿の角のような突起が現れるのが特徴です。
こうした突起は「gall(ゴール)」と呼ばれていますが、母島で撮られた写真はその特徴がよく似ていました。
八丈島の「ヤブニッケイもち病」
これで正体判明かと思いきや、白水さんによく話を聞いてみると、そうとばかりは言えないことがわかりました。
実は「ヤブニッケイもち病」は、世界でも東京都の「八丈島」でしか見つかっていない極めてレアな病気でした。
実は「ヤブニッケイもち病」は、世界でも東京都の「八丈島」でしか見つかっていない極めてレアな病気でした。
見つかったのは1980年代で、今も八丈島では複数の「ヤブニッケイ」が感染しているのが確認されていますが、島の外での報告例はありません。八丈島と母島はおよそ700キロ離れています。
白水助教は「『ヤブニッケイもち病』は先行研究が少なく、わからないことが多い。この病気を引き起こす菌類は、キノコと同じように胞子を飛ばして繁殖するので、風に乗って移動してもおかしくないが、これまで本州で見つかっていないことも、謎の1つになっている。八丈島の菌が風や人によって運ばれたのか、あるいは似たような菌がもともと母島にあったのかなど、今後、詳しく調べる必要があり、非常に興味深い発見だ」と話しています。
小笠原の生態系に影響は?
豊かな生態系が残されている世界自然遺産の小笠原諸島で浮上した、新たな病原菌の可能性。生態系への影響はないのでしょうか。
植物の病気に詳しい法政大学植物医科学センターの専任講師、廣岡裕吏さんも「ヤブニッケイもち病」の可能性があるとしたうえで、「八丈島の例で言えば、感染したからといっても木が枯れてしまうといった影響は出ておらず、菌は木とともに細々と生きている状態なので、すぐに生態系に悪影響を与えるという訳ではないと思う」と指摘します。
一方で、もし「ヤブニッケイもち病」とは違う菌であった場合、新種の発見という可能性もあり、どういった影響が出るのかはわからず、DNAを調べるなど詳細な分析が必要だとしています。
ちなみに、写真ではわからない、ニョロニョロの手触りですが、廣岡さんによると、八丈島のものは、見た目ほどはザラザラはしておらず、表面はゴムに似ていて少し柔らかめで、固さは強く力を入れたり、叩いたりするとポキッと折れてしまうくらいだということでした。
植物の病気に詳しい法政大学植物医科学センターの専任講師、廣岡裕吏さんも「ヤブニッケイもち病」の可能性があるとしたうえで、「八丈島の例で言えば、感染したからといっても木が枯れてしまうといった影響は出ておらず、菌は木とともに細々と生きている状態なので、すぐに生態系に悪影響を与えるという訳ではないと思う」と指摘します。
一方で、もし「ヤブニッケイもち病」とは違う菌であった場合、新種の発見という可能性もあり、どういった影響が出るのかはわからず、DNAを調べるなど詳細な分析が必要だとしています。
ちなみに、写真ではわからない、ニョロニョロの手触りですが、廣岡さんによると、八丈島のものは、見た目ほどはザラザラはしておらず、表面はゴムに似ていて少し柔らかめで、固さは強く力を入れたり、叩いたりするとポキッと折れてしまうくらいだということでした。
調査には時間も
ニョロニョロの正体は、果たして「ヤブニッケイもち病」なのか。あるいは新種の菌によるものなのか。
東京都は現地調査を検討していますが、発見された場所は、植物の採取が制限されている国立公園の特別保護地区のため、国の許可が必要で、時間がかかるということです。
ニョロニョロの正体判明、期待して待ちたいと思います。
東京都は現地調査を検討していますが、発見された場所は、植物の採取が制限されている国立公園の特別保護地区のため、国の許可が必要で、時間がかかるということです。
ニョロニョロの正体判明、期待して待ちたいと思います。