ドイツの真ん中にあるハルツ山地という地域に住んでいます。
今回は
ハルツ山地最高峰であり、古くから神秘的な山とされてきたブロッケン山の基本情報についてまとめました。
冬のブロッケン山頂
- ブロッケン山って、どこにあるの?
- ブロッケンは、北ドイツで1番高い山!
- 標高は高くないけど、北ドイツでは数少ない貴重な山岳観光地
- 魔女が集う山として有名!
- 年間平均気温が3.5℃!?数値で見るブロッケンの気候
- 「ブロッケン現象」の由来となった山
- 東西ドイツ時代は国境地帯で、一般人は立ち入り禁止だった
- まとめ
ブロッケン山って、どこにあるの?
ブロッケン山は
ドイツのほぼ中央に位置するハルツ山地と呼ばれる地方の、ハルツ国立公園(Nationalpark Harz)内にあります。
ハルツ山地は、3つの州(ニーダーザクセン州、ザクセン=アンハルト州、テューリンゲン州)にまたがっています。
ブロッケン山は
西はニーダーザクセン州、頂上と東側はザクセン=アンハルト州に属しています。
https://commons.wikimedia.org/wiki/User:Bamse
ハルツ山地の地図。
非常に分かりづらいですが、、、。
地図上で色が茶色く濃くなっている場所の、赤い☆マークの所がブロッケン山です。
ブロッケンは、北ドイツで1番高い山!
ブロッケン山は、ハルツ山地のみならず北ドイツで一番高い山でもあります。
https://commons.wikimedia.org/wiki/User:Botaurus-stellaris
ドイツ国内の起伏が分かる地図。
地図で分かる通り北ドイツはものすごく平らなのですが
地図上の赤丸の、少し色が濃くなった所にブロッケン山はあります。
標高は高くないけど、北ドイツでは数少ない貴重な山岳観光地
北ドイツで1番高い山!と言っても
ブロッケン山の標高は1142m*1しかありません。
日本の山に比べると
鹿児島にある桜島(標高1117m)より少しだけ高いくらいです。
ドイツにある山の高さランキングを見てみても、ブロッケン山は上位30位にも入らないドイツ国内でも比較的小さな山ですが
平地が多く平らな北ドイツに住む人にとって、ブロッケン山は貴重な山岳観光地となっています。
(ちなみに、ドイツ国内の高い山は南ドイツにあるアルプス山脈付近に密集しています。
ドイツの最高峰はオーストリアとの国境にあるツークシュピッツェという山で、標高は2962mです。 参照:ツークシュピッツェ - Wikipedia)
ブロッケン山は特に際立って大きな山ではありませんが
夏は登山やマウンテンバイク、冬はスキーやクロスカントリーなどを楽しめるので
北ドイツ在住者にとっては一番身近な山と言えるでしょう。
魔女が集う山として有名!
ドイツには「ヴァルプルギスの夜」というお祭りがあります。
ヴァルプルギスの夜は
「4月30日の日没から5月1日の未明にかけて魔女が山に集まり、春を迎えるための大規模なお祭りを開く」
とされる言い伝えが元になったお祭りですが
この魔女たちがお祭りを開いていた山が、ブロッケン山だと言われています。
ブロッケン山で行われる魔女の集会の様子を書いた絵。
魔女の集いというか、悪魔の集いって感じですが、、、。
このことから
ブロッケン山やハルツ山地では、多くの魔女グッズを買うことができます。
年間平均気温が3.5℃!?数値で見るブロッケンの気候
ブロッケン山の天候は非常に過激です。
夏がものすごく短く、冬がめちゃくちゃ長いのが特徴で
冬の間のほとんどは分厚い雪に覆われています。
- ブロッケン山の年間降雪量は約181㎝で、日本の都道府県別降雪量ランキングと比べると、12位の福島県(189㎝)に近い。
- 年間降雪日は120日。年間降雪量第1位の北海道が121日なので、雪はかなり降るみたいです。(参照:年間雪日数の都道府県ランキング - 都道府県格付研究所)
- 最高降雪量は3.8メートル。1927年に11.8mの雪が降った滋賀県とは比べ物になりませんが、、、。(参照:気象庁|歴代全国ランキング)
- 年間平均気温は3.5℃。山の上なので単純には比べられませんが、年間平均気温が日本で1番低い北海道の9.3℃に比べると、1年中寒い、、、。(参照:年平均気温の都道府県ランキング - 都道府県格付研究所)
- 一番気温の低い1月と2月の最高平均気温がマイナス2℃、最低平均気温がマイナス6℃。
- 一番気温の高い8月でも、最高平均気温が14℃、最低平均気温が8℃。
結論:
ブロッケン山に行くときは、暖かい服装が絶対必要!!
冬のブロッケン山。確かに寒そう、、、。
「ブロッケン現象」の由来となった山
ブロッケン現象とは、太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象。
光輪(グローリー、英語: glory)、ブロッケンの妖怪(または怪物、お化け)などともいう。
ブロッケン現象の写真。
霧の中にある何かの陰に太陽などの光が当たることによって、影の周りに虹が出来る大気光学現象を「ブロッケン現象」と呼ぶそうです。(私は初めて聞きました、、、。)
この現象がドイツのブロッケン山でよく観察されることからこの名前が付いたそうですが
別にブロッケン山でだけ見られる現象というわけではなく、普通に日本でも見られるそうです。
東西ドイツ時代は国境地帯で、一般人は立ち入り禁止だった
ブロッケン山は、今では西側はニーダーザクセン州、東側はザクセン=アンハルト州にありますが
東西ドイツ時代、ブロッケン山は旧東西ドイツの国境地帯でした。
(ニーダーザクセン州は旧西ドイツ、ザクセン=アンハルト州は旧東ドイツ。)
当時、ブロッケン山頂は旧東ドイツの領土で
旧東ドイツ軍の軍施設が置かれており、一般人は立ち入り禁止だったそうです。
現在では年間1万人もの観光客が訪れるブロッケン山ですが
当時のことに想いを馳せると、自由に観光しに行けることが奇跡のようですね。
ドイツが統一されて28年になりますが
今現在でも、旧西ドイツ地方と旧東ドイツ地方の雰囲気が残っている街なんかも多いので
ブロッケン観光がてら、周囲の街を観光してみるのも面白いと思います。
まとめ
今回は
北ドイツで1番高い山・ブロッケン山の基本情報についてまとめました。
魔女が住んでいると言われていたり、神秘的な話の多いブロッケン山ですが
先日このブロッケン山に実際に登ってきたので、次回はその時の話を書こうと思います。
おわり!