コミー前FBI長官が今日、議会証言しました。そこでコミー氏は「大統領から指図を受けたように感じた」と述べました。

公聴会の焦点は、FBIがマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)を捜査していることに対し、トランプが「フリンは良い奴だ。手加減しろ」と要求したこと、ならびにトランプがコミー前FBI長官に対し「俺に忠誠を尽くせ!」と要求したことでした。

このようなカタチで、大統領がFBI長官に個人的にプレッシャーをかけるのは、FBIの独立性を脅かす行為であり、大統領の行為としては「きわめて不適切」です。

しかしそれが司法妨害(Obstruction of Justice)に相当するか? と言えば、それはNOだと思います。

米連邦法規集第18篇1503条によれば、証人に対する脅迫、陪審員を買収しようとするなどの行為を行った場合、それは司法妨害に相当します。

しかし今回のトランプ大統領の発言は、脅迫ではありません。

また「正当な法の行使(due administration of justice)」に干渉する行為も司法妨害になります。しかし普通、これは裁判の最中に適用される条項であり、ホワイトハウスで大統領がFBI長官と会話を交わす場合には当てはまりません。

そのような理由から、今日の証言に限って言えば、大統領が司法妨害を働いた証拠は無いです。

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