(1)一つ前の投稿( http://blog.livedoor.jp/zephyrus_yk/archives/16266815.html )で東燃の環境アセスメントについてのレポートで窒素酸化物の測定をやった部分が静岡市側のちょっとはなれたところで測定していてあまり意味がないんじゃないかということをコメントした。

住民の皆さまへのご説明資料 の頁 ( http://www.sltpgeneration.co.jp/explanation/ )
にある「詳細はこちらからご覧ください(2.03MB)」
http://www.sltpgeneration.co.jp/explanation/pdf/201609_01.pdf
の中の『窒素酸化物などを含む「清水天然ガス発電所(仮称)の稼働に係る大気質へ影響ついて、ご説明します。」』 で始まる第6ページだ。

そこに示されている測定地点A はずいぶん南西にある旧静岡市側の地点だ。:西風が多いとするとあまり意味がない。窒素酸化物は東にいくんだから。
前の批判コメントには次のように書いた:
疑問点

このページには2つの場所だけ?しか書かれてない。
日本平を超えての西側(これも何考えているんだよといいたい。日本平超えたら空気が違うというのは大げさだけど、まったく地元の人が絡んでないでこの書類つくったんじゃないかと思うもう一つの理由)と、煙突が高いとするとあまり影響を受けにくいすぐそばの西側(ってこれは敷地内部なのか?)にあるのが解せない。
もっと東側、北側、また「日本平を超えない」発電所より西側の清水区のデータが欲しい!

上の少ない点数ではいかさまといわれても仕方がない。

また、もし幹線通りに近いとしたらもともと自動車のために周りよりも窒素酸化物が多い可能性があり、環境アセスメント目的には妥当ではないと判断するしかないでしょ。

(2)またシミュレーションで排気が広がる様子を計算しているのであれば、そのシミュレーションの根拠となったデータとモデルを公開すべきだともコメントしました。これは、どこでコメントしたか忘れてたので、しらべてみたら Facebookの知人の投稿へのコメントだった (実はこのメモそのころから少しづつ書きためていたのだ。):
https://www.facebook.com/haruyo.muramatsu/posts/10208245785972155?comment_id=10208254659713993&reply_comment_id=10208254907800195&comment_tracking=%7B%22tn%22%3A%22R9%22%7D

(3)そして、冬は西風が多いとおもうのでちょうど清水の港や人口の多い中心部から富士山の見える方向に水蒸気の多い排気が雲、霧をつくって視界をさえぎりそうで困ったもんだというコメントもした。(西風が多かったという個人的体験については最後に書く。)

西風が多ければ、想定されている発電所の排気ガスから発生する水蒸気に基づく霧、雲が東に拡がり、港、駅、エスパルスプラザ、はては松原からの富士山の風景も台無しにされないか心配である。

そして、西風が多ければ、東燃のつくった資料にある、南西方向にすすんで日本平を越えた地点での窒素酸化物の予測にはあまり意味がないことがわかるだろう。

そこで、気象庁のデータをもとに清水では西風が冬は多いというのをデータをもとに調べてみようと気象庁のデータをダウンロード(次のURL 参照:  http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/ 静岡県を選んで、風向、風力データを選択して、清水のデータをダウンロードする。)して、なんだか私の経験にあわないことに疑問をいだき(やたらと北風が多い)しらべてびっくり仰天。

静岡県内にある気象観測施設:
http://www.jma-net.go.jp/shizuoka/shisetsu_we.html


そこの図:
観測施設の地図

これみるとわかりますが、「清水」の観測場所は港からうんとはなれた興津かどっかの地点なのです。そのせいで北風が多いのだろうか?私が冬の昼間サッカーとかラグビーで西風に散々悩まされた2中、岡小のあたりでは冬は北風なんて北側の山にブロックされてあまりない。偏西風が日本平の北側の低い丘陵地帯を乗り越えてくるものと、偏西風が日本平の丘陵地帯と北方の山の間の隘路の平野部を流れ込んでくるものとが一緒になり乾いた西風がずっと吹いているというのが一般的な印象でした。

なので、冬には港付近の風はその延長で西風が多いはずなんだけど、東亜燃料は多分そのことに気付いてない(のかな?)

というか、これから判断するに*県も市も東燃も、風向、風力については環境アセスメントに役立つデータをもってないでしょ?* (2)でも述べたけど、環境アセスメントの根拠とするデータとシミュレーションモデルを公開してもらえればこのことははっきりとするはず。

(うそみたいな本当の話だが、モデルとデータを公開してもらえれば、いまどき市民の中にはそれを24時間くらい実行すれば十分実用結果が得られるような強力なコンピュータを持っている人が多数いると思う。今のPCの強力なものは、1980年代のエンジニアが使っていたマシンなどよりもはるかに強力(高速、メモリも多く、外部記憶つまりファイルもたくさん格納できる)なので、是非データを公開してほしいものだ。というより、いまどきの環境アセスメントでデータが公開されないのはおかしい、と主張しておこう。open data ・オープンデータの時代なんだから。)

そして(1)に関連して、東亜燃料が頓珍漢なはなれた場所で窒素酸化物の排気量の想定をしていたが、これも(2)のデータとモデルに関連するが、現状の気象庁の観測点をデータを利用しようとしたら、西側でデータがある点を掲載したいとしたら、つまり地点A( 多分ず気象庁の静岡の気象官署 観測所の場所の近所かな?)の場所を使うしかないわけだ。

肝心の火力発電所予定地にちかい、そして煙突の高さの地上100メートルから200メートルあたりの気温分布、風向、風力のデータがなければ、あるいは意味のあるデータでなければ、解析結果なんて意味がない。今のままでは、ほとんど GIGO (garbage-in, garbage-out)のレベルだ。

なんで、ただちに、県、市、市民団体は東亜燃料に 予定敷地内部で地表と 100メートル前後の高さ(と書いたけど最近から東燃は100-300メートルまで吹き上げるような高さ80メートルくらいの煙突作るっていってるらしいから最低でも250-300メートル前後も含めて)における気温分布、湿度、風向、風速の24時間の測定を即刻始めてデータを公開するように請求するべきだ。この基礎データなしに、環境アセスメント特に景観に与える影響アセスメントなんて全く意味なし。
(敷地ですぐに100メートルから300メートルまでの付近の測定を始めるのは難しいかもしれないが、駅前にちょうど高層ビルがあるじゃん。)



ということをもっと詳しく書こうと思ってますが、ちょっと他のことが忙しくて詳しくポリッシュしている暇がないや。(論文などを学会誌に投稿するまえの関係者の内輪のレビュー段階でしょうか。)

それにしても煙突の高さを80メートルくらいにするとか、すでに説明文書にかかれていることからずれてきているし(上の窒素酸化物の想定は煙突高さ 60m案 の場合の想定)、もう少し更新したデータとか説明を発表してほしいものだ。

ともかく清水の人はもう少し心配した方が良いと思う。地元に住んでない株主は清水の住民の健康被害、農業への被害、観光資源の価値低下なんてこれっぽっちも気に掛けてないのは資料の書き方から透けてみえる。

西風の個人的体験:
「冬は西風が多い」というのは、私が昭和40年代に清水二中で3年間グランドで野球、サッカー、ラグビーをした経験でいっている。冬は野球のシーズンオフでサッカー、ラグビー(といってもタッチフットボール風に触られたらボールを離すという原則のルール)をやっていて、11月から2月くらいの冬の偏西風にもとづく(フェーン現象で)乾いた西風が続くとグランドが乾燥して砂ぼこりがすごかったことが忘れられない。
岡小のグランドの東側の住民の方は大変だったろうと思う。
2中のグランドから東方向にあるゴールに向けて放ったサッカーのシュートがゴール枠を外すと、そのまま西風にのって80メートル近くある岡小学校の校庭の端まで砂ぼこりに交じって運ばれてしまうので、外した人間が取りにいかされた。おかげで丁寧にゴールを狙う癖がついた。
その風の中でラグビーのゴール狙う時には、五郎丸じゃないけど風向きを考えながら微調整して蹴るわけで、とくに風上のゴールを斜め45度くらいから狙うのが難しい。2015年の夜中にスコットランドとの試合で五郎丸が風の計算を間違って外した瞬間の画面を見ていて、私が2中のグランドでしてたのと同じ計算して、上空の風が思ったより弱くて外したのを悔しがったのと同じだ(!?) と思ったことは秘密 :-)
だけど、狙っているところが全く同じだったのがわかった瞬間に正直ぞくぞくしましたよ。ラグビーのゴールをねらったのなんて40年近くないんだけど、あの瞬間狙う感覚が甦った。
閑話休題。