先日、久々に友人のO氏と会った。
そしてあれこれ話している内に、
話題は高齢化社会へと移っていった。
今日はそのことについて書こうと思う。
O 「日本もいよいよ高齢化社会だな。
なにか高齢者向けの
良いビジネスとかないだろうか」
私 「孫レンタルとかどうだろう?」
O 「なにそれ」
私 「孫に恵まれなかったお年寄りの方に、
様々な孫サービスを提供するビジネスだ。
派遣された従業員は孫として、
身の回りのお世話をしたり、
肩たたきをしてあげたりする」
O 「確かに微笑ましい光景かもしれないが、
それに代金を取るのは
双方に抵抗があるんじゃないか」
私 「もちろん、その点についても考えてある。
代金としてではなく、
お年玉袋に入れてお金を渡す。
おじいちゃん 『ほーら、お年玉だぞー』
孫 『わーい、おじいちゃんありがとー!』
みたいな」
O 「最高に頭が悪いな」
私 「これは社会正義にのっとった
意義深いビジネスだ。
というわけで、会社名は
孫 正義(まごせいぎ)としよう」
O 「どこかの偉い人に怒られるぞ」
O 「俺達若者が苦しんでいるのは、
税金が高齢者ばかりに使われているからだ。
もっと高齢者福祉を切り詰めて
若者世代に資源を回すべきだ」
私 「じゃあ、高齢者福祉の削減を考えてみよう」
O 「そうしよう」
私 「20XX年、人類はついに
高齢者福祉の切り捨てに成功した!
これからは未来ある若者のために
税金は使われるようになるだろう」
O 「夢の社会だ」
私 「ここまで来るまでには多くの苦労があった。
若者達は多くの人々に熱く訴えかけ、
政治家には懸命にロビー活動を行った」
O 「ああ、長かったな、本当に・・・」
私 「そう、長かった。
多くの時間がかかった。
人が歳を取るには十分なほどに」
O 「・・・?」
私 「権利を勝ち取った若者達は
歓喜の声を上げた。
そして振り上げた拳を見て、目を見開いた。
そこには年老いて骨と皮になった手が・・・」
O 「ウッ、やめてくれ・・・」
私 「今では私がおじいさん。
孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジ・・・」
O 「やめるんだ!」
ヴェルタースオリジナル、おいしいよ!
その後、我々は若者らしく
老後の話を始めた。
O 「老後はすることに困りそうだな」
私 「そんな君にオススメのものがある。
高齢者専門雑誌、その名も孫の力!」
O 「そんなもん、あるわきゃねぇだろ!」
私 「ス・・・(画像を見せる)」
O 「ヒッ・・・」
孫の力には様々な魅力的な
タイトルが立ち並んでいた。
孫の力 第22号 2015年 03 月号 [雑誌]: SOTOKOTO(ソトコト) 増刊
私 「一生、労働者で行こう」
O 「さすが社畜国家 日本。
老後にも安息はないのか・・・」
O 「仏教と欲望に生きる」
私 「形容矛盾だ」
孫の力(25) 2015年 09 月号 [雑誌]: SOTOKOTO(ソトコト) 増刊
私 「年金よりも歯が大事かな」
O 「歯は大事だもんな」
O 「東京五輪を見てから死ね」
私 「凄まじい罵倒に聞こえるなぁ」
O 「死にたくない」
私 「猫を抱いて死にたい」
O 「死にたい」
さぁ、ここまで見ればみんなも
きっと欲しくなってきたことだろう。
創刊号は、日本の孫をめぐる旅特集だ。
欲しい人は今すぐ書店へ!
そして老眼鏡をかけて雑誌コーナーを
よーく探してみてほしい。
とっくの昔に休刊したので、
きっと見つからないはずだ。