宇宙で花火できる日もくるかな?
2016年から宇宙で火を起こす実験を行なっているNASAは、2017年6月4日に3度目の火災実験SAFFIRE-IIIを実施しました。国際宇宙ステーションISSの無人補給機であるシグナス内で行われる火災実験は、無重力での火の動きの研究、火災発生対策のため行なわれ、今後のあらゆるミッションに役立つ非常に大切な実験となっています。
実験内容はとてもシンプル。ISSから打ち出されたシグナス内で、20分間燃焼させるというもの。NASAは現在詳細な実験データを地上で受信中。今後、実験結果が発表されることでしょう。
宇宙での火災は地上以上に危険な事故となります。宇宙船は非常に狭いうえ、酸素を行き渡らせる換気装置が火災を増長させます。しかも宇宙飛行士は外に脱出することは不可能。宇宙ですからね。ということで、NASAの研究者たちが無重力下での火の動きを知り、対策を練るために大事な実験なんです。
SAFFIRE実験責任者のDavid UrbanさんはNASAの公式リリースで、
「実際の火を使った研究を行なえるSAFFIRE実験は、低重力・密閉空間での火の動きの習性を知るうえで有益な実験です」
と述べています。
こちらの動画はNASAが公開した1回目の実験での火の動きの様子です。
今回の実験でSAFFIREミッションは一旦終了する予定。NASAによれば、2019年には次のステップへと移るとのこと。Urbanさんは、
「次のSAFFIRE-IVからVIは、より大規模な火災実験、さらに消火システムのテストを実施することになるでしょう」
と説明しています。
数十万年前に原始人が火を使い始め、進歩してきた人類。今、我々は宇宙で火を手に入れようとしています。
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Image: NASA
Source: NASA, YouTube
Rae Paoletta - Gizmodo US[原文]
(Shun)