[PR]

 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は8日、肺から2万2千ベクレルのプルトニウムが検出された50代の男性作業員が事故発生直後に吸い込んだプルトニウムを約36万ベクレルと推定していたことを明らかにした。原子力機構はこの値をもとに、1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をする可能性があると算出し、発表していた。

 原子力機構によると、男性の肺のプルトニウムを実際に計測したのは、事故発生から約10時間後の6日夜。体内に入ったプルトニウムは時間とともに減り、肺に残る割合は10時間後に、体内に入った総量の6%ほどという係数が知られているという。実測値の2万2千ベクレルにこの係数をあてはめ、事故直後に男性の体内に入ったプルトニウムの総量を約36万ベクレルと推定したとしている。(東山正宜