金融庁は、一部の大手地銀の業務が銀行法に抵触する恐れがあるとして、是正を促した(「日本経済新聞」4月23日付)。
問題視されたのは、銀行が顧客に、アパート経営の建設資金を融資する一方で、建設業者をもセットで紹介。その建設業者から建設費の0.5~3.0%を紹介手数料として受け取っていたというものだ。
このスキームは、建設費が高くなればなるほど、銀行に入る紹介料は増える。勢い、顧客の望まない高級アパートを建てる建設業者を紹介し、顧客に不利益をもたらし、その結果として銀行の収入が増えるという「利益相反行為」がおこなわれる懸念があるというわけだ。
しかし大手都市銀行のなかには、これよりひどい利益相反行為を働きながら、なぜか、金融庁の指導の網の目から漏れている理不尽なケースがある。こちらは、水際での行政指導どころか、具体的な被害が発生しても知らん顔だ。
金融庁の監督指針では、「知識、経験が不十分であると考えられるお客様に対しましては、金融機関としては、個々の事案に応じまして、求められずとも、契約内容や条件設定の理由などについて必要な説明をする」よう定めている('17年4月10日「衆議院決算行政監視委員会」)。
ところが、ある都市銀行は、渋谷区在住の資産家の老婦人に対し、「SDカードの製造」を事業目的欄の筆頭に掲げるIT系企業を紹介したうえ、「将来性のある有望会社であり、株式上場するまで銀行が全面的にバックアップする」(老婦人の話)として信用させた。
そして言葉巧みに同社の役員に就任させたのち、老婦人の渋谷の豪邸を担保に提供させ、'10年9月、3億円の融資をおこなっている。