こんにちは。
5ヶ月くらい髪切ってないアルカパライターの永田と申します。
「顔出しして記事を書くなら身だしなみくらい整えとけよ」とお怒りのみなさん、すみません。
でも僕には、美容院に行けない深い理由があるんです。聞いてください。
以上です。
美容師の人に解決策を聞こう
というわけで、この人類最大の課題を解決すべく、表参道に居を構える美容院「Helena tokyo」さんにやってきました。
代表の佐藤すすむさんと、スタイリストの小駒亜由美さんに、「どうやったらコミュ障とバレずに美容院で髪を切れるのか」のお話を伺います。
せっかく美容院に来たので、このスタイルでインタビューさせてもらおうと思います。
「うわー、この感じめちゃめちゃ緊張する」
「そうですか? 普通にリラックスしてもらえれば…」
「絶対無理です。まず、どこを見てればいいかわからないですもん」
「話してる時は鏡越しに目を合わせてもらえると嬉しいかもしれません」
「やだやだやだやだやだ~~~~~~~~!!! やだ~~~~!!!!!」
「今日何しに来たんですか?」
着席からカット開始までどうすればいいの?
「あの、まず『今日は(髪型)どうされますか?』って絶対聞かれるじゃないですか」
「はい、聞きます」
「『別にプランなんてないしよくわからんから、なんかいい感じにしてくれ! 頼む!』としかこっちは思ってないんですが、その場合どうすればいいんですか?」
「それを伝えてもらえればいいと思いますよ」
「それってめちゃめちゃヤバい奴じゃないですか? いきなり着席してそんなこと叫び出したら、警報ベル押されてガーディアンズに包囲されますよね?」
「いえ、『おまかせで』と優しく言ってもらえれば大丈夫かと…」
「ただ、長さだけは指定してもらわないと難しいので、そこは色々と質問させてもらうことになりますね」
「なるほど…。じゃあ『長さはこれくらいで後はおまかせします』で大丈夫なんですか…? 『おまかせ、て! 根暗のダサ坊の分際でこいつウッザ~!』と思われません?」
「絶対に思われないので大丈夫ですよ」
「根暗のダサ坊、とか思ったことないです」
「いや、100%思ってますよ!! だって僕、新規の美容院行ってもファッション雑誌みたいなの即片付けられて、代わりに『デジ家電最前線!』みたいな雑誌を絶対置かれるんですけど?!!」
「それはある程度、雑誌に幅を持たせて『このへんが好きかな~』という感じで出しますけど…。それしか置かれないみたいなことはあまりないのでは…?」
「そうですね。雑誌に幅を持たせてないと『このファッション誌を置くってことは私のことを何歳だと思ってるの?』と怒られてしまうこともありますので…。そういう特徴的な雑誌を置いてもあくまでバリエーションの一部みたいな感じですね」
「そうか、出す側も色々大変なんだ…。まあ、僕は実際『デジ家電最前線!』みたいな雑誌好きなんですけど」
「好きならいいんじゃないですか?」
「なんか…! なんかさあ…!!! 悔しくて……」
カット始まってからの会話
「まあ、『今日は(髪型)どうされますか?』は業務上の会話なので、わかりますよ。それは必要。必要悪」
「悪ではないと思いますけどね」
「でもカットが始まってからの会話はマジでいらなくない?! ねえ!!」
「そう思うのであれば『あまり喋るのが好きじゃない』って先にハッキリ言ってもらえれば…」
「それ言ったら『あちゃちゃちゃ…、挙動不審のキモ田キモ男くんが来ちゃったわ…。ナスのヘタみたいな髪型にしたろ』って思われるじゃないですか」
「絶対に思いませんよ!」
「それはちょっと被害妄想では…?」
「いや、被害妄想だってわかってますよ! でもいくつになっても、そういう被害妄想が抜けないからこそ人見知りなんですよ! 美容師さんと気の利いた会話ひとつできなくて毎回情けなくなるんです…」
「苦労されてるんですね…」
「例えばどういう時、会話に困るんですか?」
「まず『今日はお休みですか?』って絶対聞いてくるじゃないですか。『はい』以外の選択肢あります? そう答えたら会話終わるんですけど」
「あー、そういう時ありますね…」
「美容師側の私も『あ、会話終わっちゃった』って思います…」
「基本的に、僕は、いやあえて主語を大きくしますが、俺たちは休日に予定なんてないんです! 『この後どこか行かれるんですか?』と聞かれても『いや、特に…』しか言えないんです」
「うーん…」
「頼むから『普段、休みの日は何されてるんですか?』と聞くな!! あと『こないだの連休、どこか出かけました?』もだ!! 禁止にしてくれ!! +500円払うから、禁止にしてくれ!! 頼む!! なあ!!!」
「落ち着いてください」
「すみません…。どうしてもコミュ障の人見知りだと思われたくなくて……」
「美容師の人に色々と質問するのはどうですか? 例えば『このへんで美味しいお店とかありますか?』とか」
「なるほど! …いや、でも待てよ。それ2回目以降は同じ質問使えないですよね?」
「まあ、そうですね」
「じゃあダメだ…。そんなちょうどいい質問がポンポン浮かぶようなら、最初から困ってないんですよ! それに、その質問だとメシにしか興味がないクソデブだと思われて、『豚骨食べログくん』って裏であだ名付けられるからどっちみちダメだ…」
「難しいなあ…」
美容師はスマホを覗き見てるの?
「カット中にスマホを触ってる人には、美容師としては話しかけづらいみたいなのはあるかもしれません」
「ほうほう。でも、ソシャゲで遊んでたら『そのアプリ何ですか?』って聞かれて、以降延々とソシャゲのゲームシステムを説明させられた、という知人がいるんですけど。その空間、地獄じゃないですか? 控えめに言って」
「うーん、私はあんまりスマホの画面は見ないようにしてますけど…」
「そもそも美容師さんからは客のスマホって丸見えですよね?」
「いや、全然そんなことないですよ! 全ての動きを止めて、凝視したら覗けるかもしれないですが、そんなことしたらおかしいでしょ?」
「美容師の視界、せいぜいこんな程度ですよ!」
「おお…! 確かに何してるかはわからなくはないけど、文字とかは全然読めない!」
「ゲームしてるかどうかはわかりますけど、それ以外のLINEとかなら内容は全然わかんないし、見ちゃいけないとも思ってるので、話しかけづらくはなります」
「なるほど。もうスムーズに話をするというのは諦めて、自然に話しかけづらい人を装うという方向でいいかもしれない…」
「だいぶ目標を下げましたね」
急いでる人には気を使う
「他にもこんな人は話しかけづらいみたいなのありますか?」
「うーん…。急いでる人、ですね。話しかけづらいというか、話す時間がないのでカットに集中しなきゃ、という感じです。こちらから話しかけることはかなり少なくなると思います」
「なるほど! 確かに、『急いでる』って言ってるのに、めちゃめちゃ話しかけて来られたら『何なんだ』と思いますよね。やっぱり話してると作業効率は落ちるんですね」
「それはそうですね。本音を言うと美容師も話さないほうがいい時もあります」
「そうなの?!?! 何だよ!!!!!」
「いや、もちろん、人にもよるかと思いますが…」
「コミュニケーションを重視する美容師の方もたくさんいますけどね」
「あ、ちょっと待ってください! 『急いでる』と言えば大丈夫ということですが、これってアレじゃないですか? 『おい、わざわざ予約して来といて、何が急いでるだ! 図に乗んな、ポテト芋! あの世で後悔せいっ!!』って思われるやつですよね?」
「何度も言ってますが、全く思いません! 『30分で』とか言われたら、『え? できるかな…?』と焦りはしますが、悪く思うことはないです」
「毎回毎回、『急いでる』って言ってもウザがられないですか?」
「大丈夫です。実際、いつもお忙しそうなお客様もいらっしゃいますよ」
「つまり、『すみません、急いでるので可能な限り早めでお願いします』って言ってから、カット中はスマホをずっといじっていたら、完全なバリアが構築できるということですか?!」
「完全かはわかりませんが、僕なら話しかけないと思います」
「私もです」
「やったーーーー!!!! 勝ったーーーーー!!!!!!!!!!!!」
「勝ちか負けかで言ったら、どちらかと言うと負けでは…?」
「勝った勝った勝った勝った勝った~~~~~~!!!!!!!」
まとめ
というわけで、美容師にコミュ障だとバレずに髪を切ってもらう方法の正解はこちらです。
通じなくても責任持ちませんので悪しからず…。
というか、多分、マジの話で恐縮ですが、こんなこと言いたくないし、今までの話を全部覆しつつ、この記事の意味を無にする覚悟で言いますが、100%見た目でバレます。
それでは、僕は1000円カットに行って一言も喋らずに帰ってきます。バイバーイ!