地域政党「都民ファーストの会」の代表に就任した東京都の小池百合子知事が自民党を離党したことを「支持する」と答えた電子版の読者は73.8%に上った一方で、都民ファーストに対しては「期待しない」との回答が60.8%を占めました。
小池氏の離党を支持する読者からのコメントを読むに、小池氏に対して「自民党一党支配からの脱却への流れとなることを期待します」(70歳、女性)と好意的な意見がある一方で、「自民党を敵としているのにそこに所属するそのずるさは最低だったので、当然のことだと思います」(62歳、男性)などとして、小池氏のこれまでの言動への批判の裏返しとして、今回の離党を受け入れている読者も少なくありませんでした。
都民ファーストは小池氏の人気の高さでこれまで知名度を上げてきましたが、今回の電子版の読者の皆さんのアンケート結果からは、7月2日投開票の都議選に向け、小池氏自身が正念場を迎えていることが浮き彫りになったといえましょう。
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小池氏が自民党を離党したことを支持する読者が「自民党と対立するのなら、離党したほうがすっきりする」(40歳、男性)、「わかりにくさが解消された」(55歳、男性)と受け止めている背景には、小池氏がこれまで自民党の都議団と対立しながらも、自民党を離党していなかったことへの批判があります。
「事実上、都民ファーストの会の代表として活動しており、自民党の支持者に対しても、都知事自身の支持者に対しても誠意を欠いていた。これが解決したのは望ましい」(32歳、男性)
「当たり前のこと。戦略が前面に出すぎていて嫌らしい」(44歳、女性)
中には離党を支持しながらも「自民党に在籍しながら都民支持の高さをバックに批判を繰り返してきた。都知事選のとき離党しておくのが筋。いまさら感がぬぐえない」として「(小池氏への)支持ではない」と明記した読者(57歳、男性)もいました。
こうした読者のモヤモヤ感の矛先は自民党にも向けられています。
「離党しないほうが、または(自民党が)除名しないほうがおかしかった」(58歳、男性)
さらに、パラドックスに陥っている読者も。
「国政は、自民党支持だが豊洲移転問題については、問題を起こした自民党では解決できない」(48歳、男性)
まさに「自民党は支持するが都議会の自民党は支持できない」という、この自民党を支持する読者の心情こそが、小池氏がこれまで自民党を離党せずに、都議会自民党を攻撃してきた構図と一致するといえましょう。
こうした矛盾にも似た感覚は、次のような声にもつながります。
「安倍首相と小池知事の両者を支持する」(76歳、男性)
「安倍(首相)も小池(都知事)も日本会議のメンバーであるし、思想発言も共通している」(60歳、男性)