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 日本のパレスチナ報道の草分け的な存在として知られるフォトジャーナリストの広河隆一さん(73)が7日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラで自治政府のイハブ・ベセイソ文化相から栄誉賞を受けた。半世紀にわたってイスラエルの占領下にあるパレスチナを記録し、伝えた功績が評価された。

 広河さんは1967年に大学を卒業後、イスラエルのキブツ(集団農場)に入った。直後に第3次中東戦争が起き、イスラエルのパレスチナ占領が始まった。それから50年、現地に何十回も通い続けてパレスチナ問題を取材。多数の映像作品や著書を送り出した。

 広河さんは「問題が解決するのではと思った瞬間もあったが、状況はむしろ悪くなっている。(占領地へのユダヤ人の)入植地がものすごく増えて、元に戻すのが大変な状況になってしまった。悔しく思う」と話した。今回も現地で取材を行うという。

 ベセイソ文化相は朝日新聞に「パレスチナ人の感謝の思いを込めて表彰した。パレスチナを長年記録し、日本の人々との間に橋を架けてくれた」と語った。(ラマラ=渡辺丘)